簿記上の取引

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。簿記を学習していく上で「簿記上の取引」を理解することは欠かせません。しかし、「簿記上の取引」は学習の初期の段階では非常に理解しづらいといえます。この記事では簿記上の取引について解説します。

簿記上の取引

簿記で言う取引とは「資産・負債・資本(純資産)・収益・費用を増減させることがら」のことです。この「ことがら」とは具体的には「行為」や「事象(できごと)」を意味します(「ことがら」の大部分は「行為」です。「できごと」はやや例外的だと思ってください。)。

簿記上の取引は次の3つの基準で分類できます。

  • 「交換取引」か「損益取引」か「混合取引」か
  • 「営業取引」か「決算取引」か
  • 「外部取引」か「内部取引」か
  • 資本等式による分類

「交換取引」か「損益取引」か「混合取引」か

交換取引

交換取引とはただの交換だと考えられる取引です。具体的には「資産・負債・資本(純資産)」のどれかしか仕訳に出てこない取引だと言えます。仕訳に収益や費用といった損益に関する勘定科目が出てこないので、ただの交換だと考えるということだと言えます。

損益取引

損益取引とは損益が発生する取引です。具体的には「収益と費用」が増減する取引だと言えます。収益と費用が増減するということは、損益が発生するということで、ただの交換ではないと考えられます。

混合取引

全ての取引が交換取引と損益取引にあてはまればいいのですが、そううまくはいきません。仕訳が2行以上になる場合など、交換取引と損益取引が合わさった取引があるからです。このような取引を混合取引と言います。

どれにもあてはまらない取引

この分類方法は簿記上の取引を理解する上で役立つものではありますが、全ての取引がこの分類のどれかにあてはまるわけではありません。「資産・負債・資本・収益・費用のどれにも含まれない勘定科目があるから」です。

例えば「現金過不足」が出てくる仕訳や「損益」が出てくる決算振替仕訳などがどれにもあてはまらない取引になります。

あくまでも簿記上の取引を理解するのに役立てるためだと考えてこの分類を考えるようにしてください。深入りしすぎて混乱してしまうようでは本末転倒となってしまいます。

「営業取引」か「決算取引」か

営業取引

営業取引とは期中取引とも言われます。つまりは通常の営業活動から発生する取引だと言えます。

決算取引

決算取引とは「決算整理仕訳」や「決算振替仕訳」で発生する取引です。

営業取引と決算取引の分類の意義

実は、営業取引と決算取引の分類は簿記上の取引を理解する上ではあまり役に立ちません。この分類が役に立つのは実際に決算を行うときです。

実際の決算を行うときには、まず営業取引の漏れがないかを確認して、それから決算整理仕訳、決算振替仕訳と流れていきます

ここで、営業取引と決算取引を混同していると、営業取引の漏れがあるまま決算整理に入ってしまったり、決算整理の最中に営業取引を二重で計上してしまったりといったミスが増えてしまうのです。

こういったミスを防ぐ意味で営業取引と決算取引を区別しておく意味があります。

「外部取引」か「内部取引」か

外部取引

外部取引とは「企業」と「企業の外部者」との取引のことです。「企業と資本主との取引」や「企業と従業員との取引」も外部取引になります。

外部取引は相手が外部者なので、取引の存在とその内容を示す証拠(領収書など)がきちんとあるのが特徴です。

内部取引

内部取引とは企業の内部における取引です。減価償却費の計上などは内部取引の代表例だと言えます。

内部取引は、企業内部での調査や見積もりによって取引の内容が決まるので、事実がゆがめられる可能性があります。事実がゆがめられると、利益を少なく申告されることで税金が少なくなる「脱税」などが起こりやすくなります。

内部取引による不正を防ぐために

内部取引は不正が起きやすい取引です。そこで不正を防ぐために会計の側でも税務の側でも対策が取られています。それが次の2つです。

  • 税務側からの対策:確定決算主義
  • 会計側からの対策:単一性の原則
税務側からの対策:確定決算主義

税法側からは「確定決算主義」と言われる「企業の税務申告は確定した決算(株主総会で承認された財務諸表)にもとづいて行わなければならない」というルールを作ることで不正を防いでいます

そうすることで、企業が会計報告では利益を多くし、税務申告では会計数値を動かして税金を低くすることができないようになっています。

会計側からの対策:単一性の原則

会計側からは「単一性の原則」という原則を定めることで不正を防いでいます。この原則は報告先が変わっても実質は同じ財務諸表を作成しなければならないという原則です。

この原則によって、企業が会計報告では利益を多くし、税務申告では会計数値を動かして税金を低くすることができないようになっています。

資本等式による分類

資本等式とは「資産-負債=資本(純資産)」という等式のことです。ここで出てくる「資産」「負債」「資本(純資産)」の意味は次のとおりです。

  • 資産=企業が持っているモノや権利
  • 負債=「企業が持っているモノや権利」を引き渡す義務
  • 資本(純資産)=「企業が持っているモノや権利」のうち引き渡す義務がない部分

ここから簿記上の取引を分類すると次の5つに分類できます。

  1. 資産同士の変動
  2. 負債同士の変動
  3. 資産と負債の変動
  4. 資本の直接的な変動
  5. 資本の間接的な変動

このうち1~4が交換取引で、5が損益取引です。

交換取引、損益取引、混合取引という区別の問題点

4は資本取引とも言われます。会計的には4と5の区別が非常に重要なのですが、交換取引と損益取引という分類だと交換取引として1~4がまとめられることになります。

1から3と4は性質が違うのにまとめられているところを考えると、交換取引、損益取引、混合取引という区別には無理があると考えられます。

これらの分類も参考程度にとらえておいてください。あくまでも簿記上の取引とは何なのかを理解するための助けとするという意識を持っておくことが大切です。

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