簿記検定の合格を目指して勉強している人が知っておくべき勘定理論

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。

勘定理論については、簿記を勉強する上で深入りする必要はありません。しかし、全く知らないと簿記の理解にも差し支えがあるので、ある程度は知っておくべきだともいえます。この記事では簿記検定の合格を目指して勉強している人が知っておくべき勘定理論について解説します。

勘定理論の変遷

勘定理論は次のような流れで、時間のとともに移り変わってきています。

  1. 債権債務の記録
  2. 擬人説
  3. 物的二勘定系統説
  4. 貸借対照表学説

1.債権債務の記録

最初に簿記、つまり帳簿記録の必要が出てきたのは「債権債務の管理」だといわれています。

手形などは現物があるのでまだいいのですが、売掛金や買掛金は何も 現物がないので、しっかりと管理しておかないと「架空の請求をされても分からない」「請求のし忘れが発生する」などの問題が発生してしまうからです。

そこで、債権債務の管理のため帳簿記入が始まりました。

売掛金は資本主の資産であり、帳簿をつけている人からすれば「資本主から借りているもの」と考えて 「借方」、逆に、買掛金は資本主が資産を提供する義務(負債)であり、これは売掛金と逆になるから借方の反対で「貸方」というようになりました(諸説あり ます。)。

また、売掛金や買掛金の勘定科目を相手の名前で表す「人名勘定」も使われるようになっていきます。

2.擬人説

1の考え方だと、債権債務の管理でしか使えず、このままでは他の資産・負債・資本に適用するのには無理があります。そこで出てきたのが擬人説です。

擬人説によると、全ての資産・負債・資本を担当している人がいて、その人がその資産・負債・資本を管理していると想定します。

そして、例えば「現金を担当し ている人」が現金を受け取れば「現金の増加」として借方に計上、現金を支払えば現金の貸方に計上する形で処理することになります。

3.物的二勘定系統説

擬人説の次に出てきた考え方が「物的二勘定系統説」と言われるものです。これは「資産-負債=資本」を基礎とする考え方で、それぞれを次のように考えています。

  • 資産:資本主が支配・管理しているもの
  • 負債:資産のうち、他人に引き渡さなければならないもの
  • 資本:資産のうち、他人に引き渡す必要がないもの

そして、「資本を増加させることがら」が収益、「資本を減少させることがら」が費用と考えます。なので、収益と費用は資本の下位にある概念だと考えることになります。

ですが、現在の財務諸表において、収益と費用、つまり損益計算書が資産・負債・資本、つまり貸借対照表の下位にあるものだという考え方は少々違和感があります。現在ではどちらかというと損益計算書の方が重視される傾向にあるからです。

この「物的二勘定系統説」の考え方はいわゆる「静態論」的な考え方で、やや時代遅れなのです。ですが、分かりやすい考え方でもあるので、当ウェブサイトの最初に出てくる「資産負債資本収益費用」の説明ではこの「物的二勘定系統説」を採用しています。

ちなみに、「物的二勘定系統説」は企業の所有者(資本主)の立場から勘定を考えているので、所有者と経営者が一致している個人事業主(簿記3級で学習する企業形態)に合っているといえます。

4.貸借対照表学説

3の「物的二勘定系統説」はやや時代遅れとなっています。そこで、時代に合った考え方として出てきたのが「貸借対照表学説」です。「貸借対照表学説」では「資産=負債+資本」を基礎とする考え方で、それぞれを次のように考えています。

  • 資産:総資本(全ての元手)
  • 負債:他人資本(他人から調達した元手)
  • 資本:自己資本(自分で用意した元手)

このように「貸借対照表学説」では負債も資本も元手だと考えることになります。その結果、貸方である負債と資本が「調達源泉(どのような形で元手を調達したのか)」、借方である資産が「運用形態(元手がどのような形で運用されているのか)」を表すと考えることになります。

この考え方は「負債も資本も調達した相手が違うだけで企業の元手に違いはない」という経営者の立場から勘定を考えているので、所有者と経営者が分離している株式会社(簿記2級以降で学習する企業形態)に合っているといえます。

勘定理論については、これだけ知っておけば十分だと思います。

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