簿記学習者向け勘定理論(勘定学説)

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  • 勘定理論っていうものがあるみたいだけど……
  • 簿記を勉強するうえで知っておいた方がいい勘定理論はどこまでなのか分からない
  • 勘定理論について教えて!

勘定に関する理論を意味する言葉に勘定理論(勘定学説)というものがありますが、非常に難解に説明されることが多いので、難しいと感じてしまう方が非常に多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん勘定理論(勘定学説)についても熟知しています。

この記事では勘定理論(勘定学説)について簿記学習者が知っておくといい範囲にしぼってわかりやすく解説します。

この記事を読めば簿記の勉強に必要十分な勘定理論(勘定学説)が理解できるので、普段の簿記の勉強も理解しやすくなります。

結論を一言で言うと、勘定理論(勘定学説)は「債権債務の記録→擬人説→物的二勘定系統説→貸借対照表学説」と移り変わってきています。

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勘定理論(勘定学説)の流れ

勘定理論(勘定学説)は次のような流れで、時間とともに移り変わってきています。

  1. 債権債務の記録
  2. 擬人説:資産・負債・資本の勘定科目に担当者がいると仮定
  3. 物的二勘定系統説:「資産-負債=資本」を基礎とする考え方
  4. 貸借対照表学説:「資産=負債+資本」を基礎とする考え方

1.債権債務の記録

最初に簿記、つまり帳簿記録の必要が出てきたのは「債権債務の管理」だと言われています。

手形などは現物があるのでそれほど記録する必要性は高くありません。

しかし、売掛金や買掛金は現物がないので、しっかりと管理しておかないと「架空の請求をされても分からない」「請求のし忘れが発生する」などの問題が発生してしまいます。

そこで、債権債務の管理のため帳簿記入が始まったと言われています

売掛金は資本主の資産であり、帳簿をつけている人からすれば「資本主から借りているもの」と考えて 「借方」というようになりました。

逆に、買掛金は資本主が資産を提供する義務(負債)であり、買掛金は売掛金と逆になるから借方の反対で「貸方」というようになりました。

借方と貸方の語源には諸説あります。

また、売掛金や買掛金の勘定科目を相手の名前で表す「人名勘定」も使われるようになっていきます。

2.擬人説:資産・負債・資本の勘定科目に担当者がいると仮定

「債権債務の記録」の考え方だと、債権債務の管理でしか使えません。このままでは他の資産・負債・資本に適用するのには無理があります。そこで出てきたのが擬人説です。

擬人説によると、全ての資産・負債・資本を担当している人がいて、担当者がその資産・負債・資本を管理していると想定します。

そして、例えば「現金を担当している人」が現金を受け取れば「現金の増加」として借方に計上、現金を支払えば現金の貸方に計上する形で処理することになります。

3.物的二勘定系統説:「資産-負債=資本」を基礎とする考え方

擬人説の次に出てきた考え方が「物的二勘定系統説」と言われるものです。「物的二勘定系統説」は「資産-負債=資本」を基礎とする考え方で、資産・負債・資本を次のように考えています。

  • 資産:資本主が支配・管理しているもの
  • 負債:資産のうち、他人に引き渡さなければならないもの
  • 資本:資産のうち、他人に引き渡す必要がないもの

そして、「資本を増加させることがら」が収益、「資本を減少させることがら」が費用と考えます。

「物的二勘定系統説」では収益と費用は資本の増減を説明する勘定であることから、収益と費用は資本の下位にある概念だと考えることになります。

ですが、現在の財務諸表において、収益と費用、つまり損益計算書が資産・負債・資本、つまり貸借対照表の下位にあるものだという考え方は少々違和感があります。

現在ではどちらかというと損益計算書の方が重視される傾向にあるからです。

「物的二勘定系統説」の考え方はやや時代遅れです。しかし、分かりやすい考え方でもあるので「資産・負債・資本・収益・費用」の説明では「物的二勘定系統説」を採用しています。

4.貸借対照表学説:「資産=負債+資本」を基礎とする考え方

3の「物的二勘定系統説」はやや時代遅れとなっています。そこで、時代に合った考え方として出てきたのが「貸借対照表学説」です。

「貸借対照表学説」では「資産=負債+資本」を基礎とする考え方で、資産・負債・資本を次のように考えています。

  • 資産:総資本(全ての元手)
  • 負債:他人資本(他人から調達した元手)
  • 資本:自己資本(自分で用意した元手)

このように「貸借対照表学説」では負債も資本も元手だと考えます

その結果、貸方である負債と資本が「調達源泉(どのような形で元手を調達したのか)」、借方である資産が「運用形態(元手がどのような形で運用されているのか)」を表すと考えることになります。

「貸借対照表学説」は「負債も資本も調達した相手が違うだけで企業の元手に違いはない」という経営者の立場から勘定を考えているので、所有者と経営者が分離している株式会社に合っています。

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【まとめ】簿記学習者向け勘定理論(勘定学説)

勘定理論(勘定学説)は次の流れで移り変わってきています。

  1. 債権債務の記録
  2. 擬人説:資産・負債・資本の勘定科目に担当者がいると仮定
  3. 物的二勘定系統説:「資産-負債=資本」を基礎とする考え方
  4. 貸借対照表学説:「資産=負債+資本」を基礎とする考え方

勘定理論はこれで終わりではなくまだまだあるのですが、深追いすればキリがありませんし、簿記の学習にも役立ちません。この記事の内容だけ知っておけば十分です。

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