社会保険料の計算方法と問題点

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。会社員は給料から色々なものが天引きされています。この控除の中で最も金額が大きいのが「社会保険料」です。この記事では、社会保険料の計算方法と問題点について解説します。

社会保険料の計算方法

月額の社会保険料は次の計算式で計算されます。

  • 社会保険料=標準報酬月額×保険料率

保険料率は「健康保険が約10%」「厚生年金保険が約18%」です(都道府県によって、また、会社によって違いがあります。)。

これが社会保険料の計算方法です。

社会保険料の理不尽さ

私が社会保険料の計算で理不尽だと思うのは次の3点です。

  • 標準報酬月額は4~6月の給与の平均額で決まること
  • 社会保険料の半分は会社が支払うこと
  • 家族構成と社会保険料の関係が歪んでいること

標準報酬月額は4~6月の給与の平均額で決まること

標準報酬月額は4~6月の給与の平均額で決まり、その標準報酬月額が9月から翌年の8月まで適用されます(途中で昇給があった場合、再度計算されます。)。なので、この期間に給与が高い人は相対的に多くの社会保険料を納めることになります。

給料は年間で大きく変動しないから、特に影響しないと考えられそうですが、そうではありません。なぜなら、この計算には残業代が含まれるからです。

残業代が含まれるので、4月から6月の期間に残業が多い職種、企業は相対的に多くの社会保険料を納めることになります。決算日から忙しくなるような職種、会計士や税理士などがあてはまりそうです。

社会保険料の半分は会社が支払うこと

社会保険料の半分は会社が支払うというルールになっています。なので、実際に天引きされるのは社会保険料の半分です。

これは一見、特に理不尽な要素はないように見えます。むしろ会社員の立場からすれば「会社に半分支払ってもらって助かる」と思えそうです。

ですが、会社から見れば、「給与から天引きされる社会保険料」も「企業が負担する社会保険料」も人件費です。

つまり、会社から見れば「半分を給料として従業員が納め、半分を直接国に納める」のも「全額を給料として支払い、全額を従業員が納める」のも「全額を国に直接納める」のも同じなのです。

企業は「企業が負担する社会保険料も給料と同じ人件費とみなして計算している」と言えます。

これは従業員の側から見れば、「本来なら自分が受け取っていい社会保険料を『企業に代わりに納めてもらっている』と考えている」と言うこともできます。

では、なぜこのような方式にしているのでしょうか。ここからは私の推論ですが、次のような理由があると考えられます。

  • 従業員に「企業に半分払ってもらっている」という意識を持たせ、忠誠心を引き出すため
  • 社会保険料の負担額は低いと錯覚させるため

「会社から見れば半分を給料として従業員が納め、半分を直接国に納める」のも「全額を給料として支払い、全額を従業員が納めるのも同じ」という構造は、ただの 数字のトリックです。

しかし会計をしっかりと勉強している人でも気づいている人はあまりいません。つまり、ほとんどの人が気づいていないのです。

結果、実質的な会社員の社会保険料負担の高さが見過ごされ、半分会社に負担してもらっていると錯覚しているというのは理不尽以外の何者でもないと私は考えています。

家族構成と社会保険料の関係が歪んでいること

社会保険料の計算には家族構成が考慮されていません。なので家族がいても健康保険料は変わりません。

これは、本人が受け取るものである「厚生年金保険」の場合は特に問題ないのですが、家族が病院に行っても保険料が支払われる「健康保険」で家族の人数が考慮されないのは理不尽だといえます。

「独身の人」と「奥さん(旦那さん)や子どもがいる人」では「健康保険」の料金は異なるべきです。

また、同じ「奥さん(旦那さん)がいる人」でも、奥さん(旦那さん)の収入によって次のような違いがあります。

  • 奥さん(旦那さん)の年収が130万円以下であれば奥さん(旦那さん)は社会保険料は納めない
  • 奥さん(旦那さん)の年収が130万円を超えると奥さん(旦那さん)も社会保険料を納める

このような線引きもやはり理不尽だと感じます。奥さん(旦那さん)の年収が130万円の場合は奥さん(旦那さん)は社会保険料を全く納めないのに、年収が 131万円なら社会保険料を年間で10万円以上納めることになります。これでは130万円以上働くなと言っているようなものです。

社会保険料にはこういった理不尽が隠されているので、少しずつ筋が通る方向に改正されていってほしいと思っています。

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