損失隠しの方法~飛ばし~

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では損失を隠す方法の代表例である「飛ばし」についてお伝えします。

飛ばしとは

売買目的有価証券は決算日の時価で評価します。なので、価値が大幅に下がった場合、多額の評価損が発生してしまいます。この評価損を帳簿外に飛ばしてしまうのが「飛ばし」です。

飛ばしは次のような手口で行われます。

  1. 有価証券に多額の評価損が発生
  2. 銀行に隠し口座を作りお金を借りる(帳簿に載せない)
  3. 借りたお金を「隠れ組織(その企業が作った組織)」に預ける
  4. 評価損が発生している有価証券を取得原価で「隠れ組織」に売る

1.有価証券に多額の評価損が発生

有価証券に多額の評価損が発生してしまいました。帳簿価額9,020,000円の売買目的有価証券が20,000円になってしまったとします。

この場合、正規の簿記の原則にしたがった会計処理を行う場合、次の仕訳を切ることになります。

借方 金額 貸方 金額
有価証券評価損 9,000,000 売買目的有価証券 9,000,000

本来はこれ以外に選択肢はないのですが、この評価損を計上したくないので、飛ばしの処理に進みます(本当はやっていはいけません。)。

2.銀行に隠し口座を作りお金を借りる(帳簿に載せない)

銀行に隠し口座を作り、お金を借ります。そして、本来なら次の仕訳を切ります。

借方 金額 貸方 金額
当座預金 9,020,000 借入金 9,020,000

ですが、会計帳簿上、この銀行口座は登場しません。よって、本来なら切らなければならない先ほどの仕訳も切りません。『仕訳なし』とします。

銀行側は当社が何と言う会社なのかは当然知っているので、もし会計監査が入った場合、その銀行に会計監査人が問い合わせればすぐにバレます。

しかし、取引があるか分からない銀行に手当たり次第に聞いてまわるわけにもいかないので、取引の存在そのものを会社に隠された場合、監査ではバレないことも多いです。

3.借りたお金を「隠れ組織(その企業が作った組織)」に預ける

2のあと、その企業が秘密裏に組織を作ります。具体的には国外に「事業活動の実態がないペーパーカンパニー」などを作ります。そして、借り入れたお金をそのペーパーカンパニーに預けます。

資金を預けているので、本来であれば次のような仕訳を切ります。

借方 金額 貸方 金額
短期貸付金 9,000,000 当座預金 9,000,000

しかし、この取引は秘密裏に行われているので仕訳は切りません。『仕訳なし』とします。

ちなみに、たとえ国外であっても資金を直接送金すればバレる可能性が高まります。ですが、ペーパーカンパニーを複数作り、右から左に資金を流して、途中のペーパーカンパニーをなくしてしまえば、資金の流れの追跡は非常に困難になります。

4.評価損が発生している有価証券を取得原価で「隠れ組織」に売る

次に、評価損が発生している有価証券を取得原価で「隠れ組織」に売ります。次の仕訳を切ることになります。

借方 金額 貸方 金額
当座預金 9,020,000 売買目的有価証券 9,020,000

これで、評価損が出ている売買目的有価証券を評価損を出すことなしになくすことが「帳簿上」できています。

その後…

これで「飛ばし」は完了しますが、「隠し口座に9,020,000円の借入金」と「ペーパーカンパニーに時価が20,000円の有価証券」があるという事実は何も変わりません。返済義務がなくなったわけでも有価証券の時価が帳簿価額まで戻ったわけでもないのです。

当然、この借入金は返済しなければなりません。ペーパーカンパニーにある有価証券も時価が戻れば解決しますが、もし戻らなければ本業の利益から徐々に返済しなければなりません。

このとき、帳簿上存在しない借入金を返済することになるので、返済時にも正規の簿記の原則に反した会計処理を行わなければならないのです。

一度嘘をつくと、ずっと嘘をつき続けなければなりません。そして、いずれ必ずバレます。だから粉飾決算はやってはいけないのです。

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