引当金を設定するための条件

Pocket

こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では引当金を設定するための条件について解説します。

引当金を設定するためには条件がある

引当金は何にでも適当に設定することはできません。引当金を設定するには必ず満たさなければいけない条件があります。これは「引当金計上の四要件」などと呼ばれたりします。

引当金計上の四要件

引当金を計上するためには次の4つの条件を全て満たさなければなりません。

  • 将来の特定の費用または損失であること
  • 発生が当期以前の事象に起因すること
  • 高い発生可能性があること
  • 金額が合理的に見積り可能であること

将来の特定の費用または損失であること

引当金を設定するためには、「将来に」発生する費用や損失でなければなりません。つまり、当期以前に発生した費用や損失はダメということです。

「特定の」というところが難しいです。「特定の」ということは、将来に費用または損失が発生したときに、その原因が特定できなければいけないということです。よって、事業全体に予想されるような将来の一般的な危険に対して引当金を設定することはできません。

例えば、事業全体に対して極めて重要な人物が当期に怪我や病気をして仕事ができなくなったとします。このような事態が発生した場合、次期以降さまざまなところで費用や損失が発生することが予想されます。

しかし、その費用や損失が本当にその重要な人物が原因で発生したのか分かりません。よって、「重要人物傷病引当金」のような引当金を設定することはできません。

発生が当期以前の事象に起因すること

引当金を設定するためには、将来の費用や損失を生じさせる原因が、すでに当期以前に発生していなければなりません。そうでなければ、費用収益対応の原則に基づいているとはいえないからです。

というわけで、次期以降に予想される売上に対して貸倒引当金を設定することはできません。

高い発生可能性があること

費用や損失を発生させる出来事が、過去の経験等に照らして高い可能性をもって発生することが予想されていなければ引当金を計上することはできません。そのため、工場に隕石が直撃することに対する「隕石直撃引当金」などを計上することはできません。

金額が合理的に見積り可能であること

費用や損失の金額が、過去の経験等に照らして合理的に見積もることができなければ引当金を計上することはできません

合理的に見積もれない引当金を計上するということは、経営者が適当に金額を決めることを認めることになります。これは利益操作につながります。そのため認められないのです。

貸倒引当金における四要件

  • 将来の特定の費用または損失であること:貸倒れは将来に起こるものだし、売掛金という特定の資産についての費用または損失であるため要件を満たす
  • 発生が当期以前の事象に起因すること:貸倒損失は当期以前の売上が原因であるため要件を満たす
  • 高い発生可能性があること:貸倒れを避けることはほとんど不可能に近いため要件を満たす
  • 金額が合理的に見積り可能であること:過去の貸倒実績に基づいて貸倒引当金の金額を見積もるため要件を満たす

このようになり、貸倒引当金は引当金計上の四要件を全て満たすため、設定することができます。

メルマガ登録フォーム

簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」の登録フォームです。



お名前(名字のみ漢字でお願いします)

メールアドレス

Pocket

タグ:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ページトップへ