後入先出法とは

Pocket

こんにちは、簿記合格請負人の平野です。

棚卸資産の評価方法には「先入先出法」「移動平均法」「総平均法」などが現在使われています。棚卸資産の評価方法には、以前「後入先出法」と言われるものがありました(会計基準の変更により現在は使われません)。

この記事では、この後入先出法について解説します。

後入先出法

後入先出法とは「後から入ったものから先に出て行くと仮定して計算する方法」です。ですが、「実際の物の流れが後入先出になる場合はほとんどない」と言えます。明らかに「先入先出法(先に入ったものから先に出て行くと仮定して計算する方法)」の方が現実と一致しています。

なのになぜ「後入先出法」は以前認め られていたのでしょうか?

後入先出法が優れている点を考えるために、インフレ(インフレーション)を意識して期末の棚卸資産を評価してみます(デフレはそれほど激しい物価変動ではないので特には触れません。)。

物の価格がどんどん上がっていくことをインフレ(インフレーション)といいます。インフレが起こっているときは先入先出法では「安く仕入れたものから先に出て行く」ということになります。つまり、売上原価が低く計上され、結果、利益が大きく計上されることになります。

この大きく計上された利益は持っているだけで得られた利益なので「保有利益」とも言われます。インフレ時には資産を持っているだけで利益が稼げるのです。

しかし、インフレという価格変動は企業外部の要因で、企業の営業努力とは全く関係がありません。そこで、企業の損益計算からインフレによる「保有利益」を取り除く方法が考えられました。それが後入先出法なのです。

後入先出法は「仕入れのタイミング」と「売上のタイミング」が最小になります。なので持っているだけで得られる「保有利益」も最小になります。

ただ、後入先出法は保有利益がなくなったのではなく、「保有利益は棚卸資産に含まれて次期に繰り越される」ことになります。なので貸借対照表に計上される棚卸資産の金額が時価とかけ離れた数字になってしまいます。

先入先出法は期末の棚卸資産の金額は時価に近いけれど、その分大きな保有利益が計上されることになります。つまり先入先出法は貸借対照表の金額をより重視していると言えます。

逆に後入先出法は期末の棚卸資産の金額は時価とかけはなれているけれど、計上される保有利益は小さくなります。つまり後入先出法は損益計算書の金額をより重視していると言えます。

そもそも、損益計算は「獲得された収益」と「収益の獲得のために犠牲にされた費用」がきちんと対応していることが大切です。通常販売は「販売会社がその商品 を仕入れたときの時価」ではなく「販売時点での時価」が意識されます。

そう考えると費用も時価に近いもの、つまり後入先出法による計算が合理的だといえま す。

どちらが正しいのか、どちらが適切なのかは私もよく分かりません。どちらにも長所と短所があります。ですが、現在では後入先出法は使えなくなっています。国際的な会計基準に合わせるのが主な目的のようです。

私個人としては、後入先出法にも一定の合理性があるのだから、選択適用できるようにしておいてほしかったなと思います。

メルマガ登録フォーム

簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」の登録フォームです。



お名前(名字のみ漢字でお願いします)

メールアドレス

Pocket

タグ:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ページトップへ