- 分数の計算を電卓でする必要があるんだけど……
- 分数の掛け算や分数の割り算の電卓でのやり方が分からない
- 電卓での分数計算のやり方を教えて!
電卓の使い方を教わることはほとんどないので、電卓を上手に使えなくて悩んでいる方が非常に多いです。電卓で分数を計算する方法もあまり知られていません。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん電卓の使い方にも精通しています。
この記事では通常の電卓での分数の計算のやり方について解説します。
この記事を読めば60×(12分の4)のような分数の掛け算を電卓を使って行う方法が分かります。分数の割り算や足し算、引き算についても分かります。
結論を言うと、60×4/12(12分の4)は「60÷12×4=」と入力すれば求まります。「÷分数」は「÷分母×分子」と計算することになります。
分数の掛け算の電卓でのやり方:「×分数」は「÷分母×分子」で計算する

電卓で分数のかけ算を行う場合は「÷分母×分子」と入力します。分数と整数の掛け算を行う場合は、「整数×分数」の順番に入れ替えて「整数÷分母×分子」と計算します。
ところが、「÷分母×分子」と計算すると「99999…」というような永遠に続く小数になることがあります。この現象は「÷分母」のところで割り切れないことが原因で起こります。
「99999…」となるのが嫌な人は「×分子÷分母」というようにかけ算を先に行う必要があります。
しかし、計算の意味を考えると「÷分母×分子」の順番の方が適切なので、「×分子÷分母」とするよりも「99999…」に慣れた方が望ましいです。
「99999…」は気にせず、しっかりと計算の意味を理解することを重視することが大切です。
電卓で分数の掛け算をして0.999…となったら1だとみなす

先ほどお伝えしたように、電卓で「÷分母×分子」という順番で計算した場合、計算結果が「0.999999……」となることがあります。
この「0.999999……」という数字は1と同じになります。
およそ同じということではなく、完全に同じ(同値)になります。0.9999999……=1です。仮に解答が999.999999……となった場合、当然に1,000となります。
0.999999……と1は「同値」なので、0.999999……を1とみなす処理は「割り切れない場合の切り捨てや四捨五入」とは異なるものです。
四捨五入ではないので、たとえ問題文の指示が「割り切れない場合は切り捨て」であったとしても指示に反したことにはなりません。
「0.99999999……=1」という点は直感的には理解しにくいところですが、数学的に証明されています。
Χ=0.99999999……とおくと、
10Χ=9.99999999……となる。
下式-上式
10Χ-Χ=9.99999999……ー0.99999999……=9
9Χ=9
Χ=1
より、0.99999999……=1となる。証明終
分数の割り算の電卓でのやり方:「÷分数」は「÷分子×分母」で計算する

分数で割る場合、割る分数の分子と分母を入れ替えて掛け算にして計算します。
分数の割り算を分数の掛け算にすることで計算することができます。
分数の足し算・引き算の電卓でのやり方

分数の足し算や引き算を電卓で行う場合、分母が同じなのか異なるのかでやり方が異なります。
分母が同じ分数の足し算・引き算:分子の足し算・引き算の後に分母で割る
分母が同じ分数の足し算・引き算を行う場合は、分子の足し算・引き算を全て行ったあと、分母で割ることで計算します。
仮に「2/7+4/7-5/7」を計算する場合、分母が全て7で共通なので[2][+][4][-][5][÷][7][=]と入力することで0.2857……と求まります。
分母が異なる分数の足し算・引き算:「分子÷分母」で小数に変換して計算する
分母が異なる分数の足し算・引き算を行う場合は、それぞれの分数を小数に変換して足し算や引き算をすることで計算します。
仮に「3/4+5/6-7/8」を計算する場合、[3][÷][4][M+][5][÷][6][M+][7][÷][8][M-][MR]と入力することで2.4583……と求まります。
M+やM-、MRを使いこなすためにはメモリー機能について理解する必要があります。
メモリー機能については「電卓のメモリー機能の使い方【M+(エムプラス)など】」で詳しく解説しています。
【まとめ】電卓・計算機での分数計算のやり方

「□×分数」という計算は「□÷分母×分子=」と入力すれば求めることができます。
「□÷分母×分子=」と入力した場合、割り切れずに.999999……となることがあります。「.999999……」となったら「0.99999……=1」と考えて処理すれば問題ありません。
分数で割る場合、割る分数の分子と分母を入れ替えて掛け算にして計算します。
分母が同じ分数の足し算・引き算を行う場合は、分子の足し算・引き算を全て行ったあと、分母で割ることで計算します。
分母が異なる分数の足し算・引き算を行う場合は、それぞれの分数を小数に変換して足し算や引き算をすることで計算します。
- 電卓の使い方については「【簿記】電卓・計算機の使い方【シャープ,カシオ,キャノン,無印対応版】」で網羅的に解説しています。
- 簿記におすすめの電卓は「【日商簿記検定3級・2級・1級共通】電卓・計算機おすすめ3選【公認会計士・税理士試験・経理・初心者にも】」で詳しく解説しています。
- メモリー機能については「電卓のメモリー機能の使い方【M+(エムプラス)など】」で詳しく解説しています。
- 弊社は簿記通信講座【簿記革命】を運営しています。私とともに日商簿記検定の合格を目指して勉強したい方は「【簿記革命】暗記せずに日商簿記1級に合格できる通信講座」をご検討ください。
コメント
電卓の計算方法について疑問あります。
example:1350/(2.2×154×200×3.8)
解)0.005242
の計算方法は1350/2.2/154/200/3.8
という入力ミスを誘発しそうな方法しか無いのでしょうか。
どうか解答・返信宜しくお願いします。
コメントありがとうございます。スパムの方に紛れ込んでしまい気付くのが非常に遅くなってしまいました。本当に申し訳ありません。
さて解答ですが、メモリー機能を使う方法として次のようなやり方があります。
example:2.2×154×200×3.8M+1350÷RW=
これは「割る数を先に計算してメモリーに記憶させ、『割られる数÷』のあとに『RM』でメモリーを呼び出し、『=』で答えを出す」という方法です。
メモリー機能は簿記受験者に必須の機能(http://wwboki.jp/dokuboki/calculator/memory/)で詳しく解説しています。
分数の何乗かを表す式はどうやってやるのですか?
コメントありがとうございます。分数の何乗かというのは例えば「3/7(7分の3)の5乗」などでしょうか。
「3/7(7分の3)の5乗」であれば、累乗計算を使って[3][÷][7][×][=][=][=][=]で求まります。メモリー機能を使う方法もありますが、入力数は累乗計算の方が少ないです(好みで選択して大丈夫です)。