【簿記】振替の意味と具体例【振替仕訳を中心にわかりやすく解説】

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  • 簿記を勉強していると振替っていう言葉が出てくるんだけど……
  • 振替仕訳がどういう仕訳なのか分からない
  • 簿記で出てくる振替について教えて!

簿記では色々なところで「振替」という言葉が出てきます。しかし、振替について具体的に説明されることは少ないです。その結果、振替の意味が分からないまま簿記の勉強をしている方が非常に多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん簿記で出てくる振替という言葉の意味も振替仕訳についても熟知しています。

この記事では簿記で出てくる「振替」について、振替仕訳を中心に解説します。

この記事を読めば振替とはどういう意味で、どういう使い方をする言葉なのか、振替仕訳とはどんな仕訳なのかが分かります。振替について理解を深めることで効果的に簿記の勉強を進めていくことができます。

結論を言うと、「振替」とはある勘定科目を別の勘定科目に置き換えるという意味で、振替仕訳とは借方または貸方の勘定科目を別の勘定科目に置き換える仕訳のことです

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振り替える:ある勘定科目から別の勘定科目へ金額を移すこと

簿記でいう振り替えるとは、ある勘定科目から別の勘定科目へ金額を移すことです。

仮に製造業を行っている場合、作りかけだったものが完成したら帳簿においても「作りかけのもの(仕掛品)」と記録されているものを「完成品(製品)」に変えなければなりません。

この処理を「仕掛品という勘定科目から製品という勘定科目へ振り替える」と言ったりします。

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振替仕訳は振り替えるための仕訳

振替仕訳とは振り替えるための仕訳のことです。振替仕訳の例として次のような仕訳があります。

先ほどの仕掛品から製品への振替を仕訳で表すと次のようになります。

借方金額貸方金額
製品×××仕掛品×××

この仕訳は借方にある仕掛品という勘定科目を消しゴムで消して製品に書き直すことと同じ効果があります。

このように振替仕訳というのは消しゴムで消して書き換えることと同じです。不正のもとになるため帳簿では消しゴムは使えないのでこのような処理をします。

変化を消しゴムではなく仕訳で行うのが振替仕訳だと言えます。

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簿記で出てくる6つの「振替」

簿記を学習していると「振替」という言葉が次のように色々なところで出てきます。

経過勘定の振替:未払費用や前受収益などの計上

次の仕訳のように、未払費用や前受収益などを計上することを「経過勘定を振り替える」と言います。

借方金額貸方金額
支払利息
受取利息
×××
×××
未払利息
前受収益
×××
×××

経過勘定の振替は適切に期間損益を計算するために行います。

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経過勘定については次の記事で詳しく解説しています。

再振替仕訳:経過勘定の振替の逆仕訳

経過勘定の振替の逆仕訳を再振替仕訳といいます。前期に計上した経過勘定を本来の収益や費用に戻すという目的があります。

再振替仕訳は理論上ではいつ行ってもいいのですが、いつしてもよいとしてしまうと処理忘れや二重仕訳が発生してしまうので期首に行うことになっています。

また、満期日に行うのが合理的だという考え方もありますが、実務的には手間になるので採用されていません。

関連記事

再振替仕訳については「費用の繰延べの仕訳【再振替仕訳をなぜ切るのか】」と「前受収益の仕訳【受取家賃と前受家賃】」で詳しくお伝えしています。

決算振替仕訳:収益と費用を損益勘定に、損益勘定を繰越利益剰余金に振り替える仕訳

決算整理仕訳が終わったあとに行うのが決算振替仕訳です。決算振替仕訳では収益と費用を損益勘定に振り替え、損益勘定を繰越利益剰余金(個人事業主では資本金)に振り替えます。

関連記事

決算振替仕訳については「損益勘定の振替(株式会社の場合)」「決算振替仕訳(個人事業主の場合)」で詳しく解説しています。

振替価格:本店から支店に利益を上乗せして送付したときの価格

本店から支店に商品を送付するときに一定の利益を上乗せして送付することがあります。そうやって送付したときの価格を振替価格といいます。

振替価格は内部利益を含んでいるので、その商品が期末に売れ残っている場合は内部利益を除去して財務諸表に表示しなければなりません。

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本店から支店に商品を送付する取引については「本支店間の商品取引の仕訳」で詳しく解説しています。

振替損益:材料→仕掛品→製品と振り替えていく間に含まれる損益

振替損益という言葉はあまり見ませんが、これは企業会計原則の注解11に出てきます。製造業において、「材料仕掛品製品」と原価が振り替えられていく間に含まれていく損益です。

企業会計原則の注解11にもありますが、振替損益は内部利益ではないので、振替価格のように内部利益は除去しません。

振替伝票:現金が関係していない取引を記入する伝票

現金が関係していない取引を「振替取引」と言います。現金が関係していない取引(振替取引)しか書かれない伝票が振替伝票です。

現金が関係していない取引を「振替取引」というのには意味があります。

「最終的には現金での動きが重要で、現金が関係しない取引は最終的には現金に振り替えられる」という考え方が現金が関係していない取引を「振替取引」ということにつながっているのです。

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【まとめ】簿記における振替

簿記でいう振り替えるとは、ある勘定科目から別の勘定科目へ金額を移すことです。「振替」が含まれている次の言葉も、「ある勘定科目から別の勘定科目へ金額を移すこと」という意味合いを持っています。

  • 振替仕訳:借方または貸方の勘定科目を別の勘定科目に置き換える仕訳のこと
  • 再振替仕訳:経過勘定の振替の逆仕訳
  • 振替損益:製造業において、「材料→仕掛品→製品」と原価が振り替えられていく間に含まれていく損益
  • 振替伝票:現金が関係していない取引しか書かれていない伝票

「振替」という言葉は色々なところで出てきていますが、振替の本質的な意味は同じです。この記事の内容を理解しておくと簿記の理解も深まります。

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コメント

  1. 森浩之 より:

    簿記初心者です。借方貸方が分かってるようで、よく分かりません。
    2の「この仕訳は借方にある仕掛品という勘定科目を消しゴムで消して製品に書き直すことと同じ効果があります。」の「借方」は、「貸方」ではないのですか?

    • 平野 より:

      コメントありがとうございます。この部分は前の仕訳を省略しているので分かりにくくなっています。

      この仕訳の前段階に次の仕訳があります。

      (借)仕掛品×××/(貸)材料など×××…1

      この仕訳に記事の仕訳である

      (借)製品×××/(貸)仕掛品×××…2

      という仕訳を切ることで仕掛品が相殺されて

      (借)製品×××/(貸)材料など×××…3

      になります(1と2をまとめると考えて下さい)。

      このことを「2の仕訳(振替仕訳)を切ることで『借方にある仕掛品という勘定科目を消しゴムで消して製品に書き直すことと同じ効果』」と表現しているというわけです(1の仕訳を3の仕訳にしているということです。1の仕訳の借方が仕掛品から製品に書き換えられて3の仕訳になっています)。

      このように考えると分かりやすいと思います。

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