- 簿記を勉強していると貸付金っていう内容が出てくるんだけど……
- 貸付金の利息の処理がよく分からない
- 貸付金の仕訳について教えて!
貸付金のところで出てくる利息の計算は簿記を勉強し始めて最初の複雑な計算なので、難しいと感じてしまう方が非常に多いです。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん貸付金の会計処理についても熟知しています。
この記事では貸付金の会計処理について利息の処理も含めてわかりやすく解説します。
この記事を読めば貸付金についてより深く理解できるので、貸付金に関する問題が出題されても自信を持って解答することができるようになります。
結論を一言で言うと、貸付金は借用証書によって貸したお金を請求する権利です。貸付金の利息は日割の場合、「貸付金額×利率(年)÷365×貸付期間(日)」という計算で求めます。
貸付金とは:借用証書によって貸したお金を請求する権利
個人の場合、普段のお金の貸し借りでは少額だということもあり、借用証書などはほとんど使いません。しかし、企業では普通は借用証書が取り交わされます。
借用証書によってお金を貸し付けたときには貸付金勘定を使います。
簿記検定の問題では借用証書については特に書かれない場合が多いです。単に『現金を貸し付けた』と書かれた場合は貸付金勘定を使って構いません。
貸付金勘定は貸したお金を請求できる権利です。権利なので資産の勘定になります。
利息(日割):貸付金額×利率(年)÷365×貸付期間(日)
個人の場合、普段のお金の貸し借りでは利息を取らないことも多いですが、企業では通常お金を貸し付けるときには利息を受け取る約束をします。受け取る利息は収益になります。
手形売却損は『手形金額×割引率(年)÷365×割引日数』でした。利息の場合は『貸付金額×利率(年)÷365×貸付期間(日)』です。この計算式で利息の金額を求めます。
貸付金の仕訳
取引先に貸し付けた
この例題の仕訳を考えてみましょう。
現金で200,000円を貸し付けているので、200,000円現金が減少しています。よって『(貸)現金200,000』となります。
また、現金を貸し付けているので、将来お金を返してもらう権利が発生します。この権利を貸付金勘定で処理します。資産が増加するので、借方に記入します。
『(借)貸付金200,000』となります。
まとめると次のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
貸付金 | 200,000 | 現金 | 200,000 |
また、利息については、貸し付けた時点では仕訳は必要ありません。利息というものは貸付期間に対して支払われるものだからです。
貸し付けた時点では貸付期間0日なので、利息は発生していないということです。よって、仕訳は上記のもの一つで十分です。
貸付金の返済を利息とともに受けた
この例題の仕訳を考えてみましょう。
まず、元金部分を考えます。元金200,000円分の返済を受けたので、現金が200,000円戻ってきます。よって『(借)現金200,000』となります。
また、返済を受けた時点で『お金を返してもらう権利』は消滅します。資産の減少なので貸方に記入します。『(貸)貸付金200,000』です。
まとめると次のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 200,000 | 貸付金 | 200,000 |
あとは利息です。貸付金額は200,000円、利率は年5%、貸付期間は73日なので、利息は(貸付金額200,000円×年利率5%÷365日×貸付日数73日=)2,000円となります。
利息も現金で受け取るので『(借)現金2,000』です。また、利息を受け取るので、収益の増加となります。収益の増加は貸方に記入するので『(貸)受取利息2,000』です。
まとめると次のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 2,000 | 受取利息 | 2,000 |
元本部分と合わせると次のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 202,000 | 貸付金 | 200,000 |
受取利息 | 2,000 |
【まとめ】貸付金とは【利息の仕訳と勘定科目もわかりやすく】
貸付金は借用証書によって貸したお金を請求する権利です。貸付金の利息は日割の場合、「貸付金額×利率(年)÷365×貸付期間(日)」という計算で求めます。
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