簿記における現金

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では、最も重要な勘定科目である現金について解説します。

簿記における現金

現金という言葉は日常会話でもよく使われます。しかし、日常会話で使う現金と簿記で言う現金では微妙に範囲が異なります。日常会話で言う現金は通貨(硬貨と紙幣)のことですが、簿記では日常会話よりやや範囲が広いです。

簿記で現金と言えば、通貨と通貨代用証券を指します。通貨は硬貨と紙幣のことなので特に問題ありません。では、通貨代用証券とは何でしょうか?

通貨代用証券の例は簿記では色々ありますが、一つ一つ丸暗記していくのは大変です。効率もよくありません。ここは、丸暗記ではなく理解中心でいきましょう。

通貨代用証券とは…

通貨代用証券とは、銀行や郵便局などの金融機関に持ち込むとすぐに通貨に換えることができるもののことをいいます。すぐにというのがポイントです。すぐにということなので、まだ支払期日が来ていない手形などは現金とは言えません。

現金の代表例

現金の代表例として次の6つが簿記検定に出題されます。

  • 通貨(紙幣と硬貨)
  • 他人振出小切手
  • 配当金領収書
  • 期日の到来した公社債の利札
  • 郵便為替証書
  • 送金小切手

通貨(紙幣と硬貨)

1円玉から1万円札までの財布に入れているお金です。これが現金でないのなら、「じゃあ現金って何?」ということになってしまいます。

他人振出小切手

小切手には期日がありません。そのため、小切手を受け取った人は金融機関に持ち込めばすぐに現金に換えることができます。そのため簿記では現金として扱います。

配当金領収書

株式を持っていて、その会社が配当金を出した場合、株式の所有者つまり株主に配当金領収書が送られてきます。配当金領収書を金融機関に持ち込むとすぐに現金にすることができます。そのため簿記では現金として扱います。

ちなみに配当金の受け取りを銀行振込みにすることもできます。その場合には現金ではなく普通預金などになるのでしょうが、そのような取引を簿記3級の試験では一度も見たことがありません。「配当金領収書=現金」でいいと思います。

期日の到来した公社債の利札

配当金領収書が株式の所有者がもらうものなら、利札は債券(債権ではありません)の所有者がもらうものです。国債や地方債、社債などの債券には回数券のようにミシン目で利札が付いています。利札にはそれぞれ期日があります。

期日が到来した利札については金融機関に持ち込むとすぐに現金にすることができます。そのため、簿記では現金として扱います。

社債利息の受け取りの取引と仕訳

郵便為替証書

郵便局が発行する現金の代わりとなる証書です。詳しい内容は簿記2級でお伝えするので、今は簿記における現金であるとだけ覚えておけば大丈夫です。

簿記における現金(簿記2級Ver.)

送金小切手

銀行が振り出す小切手です。詳しい内容は簿記2級でお伝えするので、今は簿記における現金であるとだけ覚えておけば大丈夫です。

簿記における現金(簿記2級Ver.)

現金と紛らわしいが現金ではないもの

現金と紛らわしいものに次のようなものがあります。

  • 収入印紙(未使用分は貯蔵品)
  • 切手(未使用分は貯蔵品)
  • 自己振出の小切手(当座預金)
  • 先日付小切手(受取手形)

収入印紙

5万円以上の領収書や高額の借用書などには収入印紙を貼らなければいけませんが、収入印紙の未使用分は現金としては取り扱いません。

収入印紙には額面があり、価値はきちんとあります。しかし、収入印紙を金融期間に持ち込んでも現金には換えてくれません。そのため簿記上の現金にはなりません。未使用分は貯蔵品になります。

切手

切手も金融期間に持ち込んでも現金には換えてくれませんので簿記上の現金にはなりません。未使用分は貯蔵品になります。

自己振出の小切手

自分で振り出した小切手を回りまわって受け取った場合、この小切手は現金にはなりません。小切手を振り出したときには必ず次のような仕訳を切っているはずです。

(借)×××/(貸)当座預金

自分で振り出した小切手を自分で回収した場合、結果的には「(借)×××/(貸)当座預金」の仕訳の取り消しになるので次のような仕訳になります。

(借)当座預金/(貸)×××

つまり自己振出の小切手は現金ではなく当座預金です。ただ、自分で振り出した小切手が回りまわって戻ってきたという話を私は聞いたことがありません。実務ではこのようなことはほぼ無いと考えていいと思います。検定試験独特の取引といえます。

先日付小切手

先ほど「小切手には期日がないため、小切手を受け取った人は金融機関に持ち込めばすぐに現金に換えることができる」とお伝えしました。しかし、先日付小切手というものが存在します。

先日付小切手とは、振出日が将来の日付になっている小切手です。一見、振出日が来るまでは現金にできないように見えますが、この小切手は金融機関に持ち込むとすぐに現金に換えることができるのです(小切手には期日という概念そのものがないためです)。

しかし、わざわざ先日付の小切手を切っているということは、振り出している企業はほぼ確実に資金繰りに困っているといえます。「書いている日付までは取り立てないでね」とお願いしているわけです。

そんななか振出日より前に取り立ててしまうと、最悪の場合その小切手を振り出した人の当座預金に残高がなくて不渡りになってしまいます。

そのため、先日付小切手は振出日がくるまでは現金に換えないことが暗黙のルールとなっています。このような暗黙のルールにのっとって、簿記上も現金ではなく受取手形という勘定で取り扱います。

現実問題として、先日付の小切手を切るような資金繰りに困っている会社とは普通は取引はしません。また、先日付小切手を切るような会社は近いうちに倒産に追い込まれる可能性が高いです。

高利貸しなどを行っている場合でない限り見る機会は少ないでしょう。私は一度も見たことがありません。

現金は資産なので、現金である通貨や通貨代用証券を受け取ったら、資産の増加のため借方に記入し、支払った場合には資産の減少のため貸方に記入します。

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