- 就職活動のために簿記をとろうと思ってるんだけど……
- 大学生の就職活動のためには何級あれば十分なのか分からない
- 大学生でも簿記2級に独学で合格できるのか教えて!
「○○が就職活動に有利」「○○は必要ない」など、就職活動に関する情報があふれています。こんな状況なので本当にすべきことが分からなくなってしまう方が非常に多いです。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。大学生の受講生も多く、たくさんの相談にものらせていただきました。
もちろん大学生の就職活動にどのように簿記資格が役立つのかよく知っています。
この記事では大学生の就職活動に役立つ簿記資格の取得戦略について解説します。
この記事を読めばあなたが簿記の何級を目指すべきか、いつから勉強を始めるべきかが分かります。
結論を一言で言うと「大学生全員に日商簿記3級がおすすめ(遅くとも大学3年の12月には簿記の勉強を始める)」「お金に関する業種・職種が希望なら日商簿記2級がおすすめ(遅くとも大学3年の7月には簿記の勉強を始める)」です。
日商簿記3級は全ての大学生におすすめ
見出しでは「全ての大学生」と書いていますが、正確には「このブログのように簿記のことしか書いていないブログを検索して訪れる大学生」です。
今この文を読んでいる全ての大学生には日商簿記3級をおすすめします。あなたが希望する就職先のほぼ全ての業種・職種で簿記の知識がいかせるはずです。
日商簿記3級をおすすめする理由は3つあります。
日商簿記3級をおすすめする理由1:コスパがいい
日商簿記3級はかかる費用と時間に対して企業からの評価が高いです。簿記3級に独学で挑戦するなら、かかる費用は9,119円です。
- テキスト(簿記の教科書):1,100円
- 問題集(簿記の問題集):1,100円
- 過去問(合格するための過去問題集):1,760円
- 電卓(EL-N862X):2,309円
- 受験料:2,850円「商工会議所HPより」
簿記3級に合格するためにかかる時間は約98時間です。
一万円弱の費用と100時間弱の勉強時間で取得できる資格の中で企業からの評価が得られるものはほとんどありません。日商簿記3級はコストパフォーマンスがいいです。
日商簿記3級をおすすめする理由2:単位が取りやすい
大学での簿記関連の授業のほとんどは日商簿記3級を理解している人なら余裕で優が取れます。
私も大学で簿記の授業を2つ取りましたが、何の準備もなく授業も出席もせず試験だけを受けてどちらも優(A)でした。
他の大学生にも聞きましたが、日商簿記3級の実力があって単位が取れない簿記関連の授業はありませんでした。
「授業に簿記関連の授業がある」「まだその単位をとっていない」という人限定のメリットですが、日商簿記3級に合格していることで取れる単位があるというのは時間的に大きなメリットです。
日商簿記3級をおすすめする理由3:就職先企業の財務諸表を少しだけ分析できる
簿記3級の理解だけではごく一部しか企業の財務諸表を分析することはできませんが、それでも全くできない人とは天と地ほどの差があります。
せっかく就職できても、就職先の企業がすぐに経営危機になってしまっては冗談ではすみません。
財政状態が危うい企業に就職してしまうのを避けるためにも日商簿記3級で得られるくらいには財務諸表が読めるようにしておくことをおすすめします。
日商簿記3級をおすすめする理由4:会計事務所・税理士事務所でアルバイトができる
会計事務所や税理士事務所で大学生のアルバイトを募集していることがあります。簿記3級を持っていると採用されやすく時給も高めになることが多いです。
会計事務所や税理士事務所への就職を考えている人にとっては就職にもつながる可能性が高いので特におすすめです。
お金に関係する業種や職種が希望なら日商簿記2級までとるのがおすすめ
経理や財務で働きたいなら日商簿記2級までとろう
日商簿記2級の知識は経理の仕事をしていくにはほとんど必須です。もちろん資格に合格しただけで即戦力にならないことを社会人はみな知っていますが、やる気として評価されます。
経理や財務を志望していて日商簿記2級を持っていないと本当に経理や財務で働く気があるのか疑われてしまう可能性があります。
金融機関、コンサルティング会社、会計事務所に就職するなら日商簿記2級までとろう
銀行や証券会社などの金融機関、コンサルティング会社、会計事務所(税理士事務所)など、お金に関する業種に就職したいなら日商簿記2級まで取っておくことをおすすめします。
しかし、就職したい企業が外資系なら日商簿記2級よりも英語の方が重要です。
簿記は就職したあとに0から勉強しても何とかなりますが、英語は就職したあとに0から身につけるというわけにはいかないからです。
外資系で働くなら「TOEIC730点(レベルB)がないとかなり厳しい」「プラスの評価を得たいならTOEIC860点(レベルA)がほしい」
外資系で働く友人からの情報を総括
実際はTOEICの点数よりもビジネスで英語が使えることの方が重要で、点数はあくまでも目安です。
しかし、学生に海外赴任の経験はないのが当たり前なのでTOEICの点数は転職より重視されます。
就職活動のために日商簿記1級をとるのはおすすめしない
日商簿記1級は2級までとは比較にならないほど難しいです。大学4年生の就活時点で日商簿記1級を取得するためには遅くとも大学2年生になる頃には簿記の勉強を始めないと間に合いません。
にも関わらず、企業からそれほど評価されるわけでもないのでおすすめしません。
日商簿記2級までなら大学生も独学で合格できる
日商簿記2級までであれば独学が特に不利ということはありません。独学に向いている人であれば問題なく独学で合格できます。独学に向く人とは次の3つを全て満たす人です。
- 疑問点をすぐに解決できる環境にある人
- 自分が何をすべきか自分で判断できる人
- 自分で決めたことを自分で実行できる人
独学に向いていない人でも独学で合格することは可能ですが、独学に向いていない人が独学で勉強すると、勉強時間が長期化する可能性があります。
自分に合った方法で無駄なく合格し、空いた時間で有意義なことをした方が長い目で見て得です。
就職活動に間に合うためには簿記3級を目指すなら大学3年の12月に、簿記2級を目指すなら大学3年の7月には勉強を始める
例年、大学4年生の6月1日に企業の選考が解禁になります。選考に間に合わせるためには大学4年生の6月1日までに合格しておく必要があります。
簿記3級と簿記2級の試験は2月と6月と11月に行われているので、大学3年生の2月の試験に合格しておく必要があります。
簿記3級の勉強期間は平日のみ毎日2時間勉強する場合で2ヶ月~2.5ヶ月かかるので、遅くとも大学3年生の12月上旬には勉強を始める必要があります。
簿記2級の勉強期間は平日のみ毎日2時間勉強する場合で7~7.5ヶ月かかるので、遅くとも大学3年生の7月上旬には勉強を始める必要があります。
【まとめ】大学生の就職活動を有利にする簿記取得戦略
日商簿記3級は全ての大学生に、日商簿記2級はお金が関係する職種・業種に就職することを希望している大学生におすすめします。
簿記3級を目指すのであれば、遅くとも大学3年の12月には勉強を開始することが大切です。簿記2級を目指すのであれば、遅くとも大学3年の7月には勉強を開始することが大切です。
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