- 個人事業主で青色申告をしようと思ってるんだけど……
- 自分に合った会計ソフトが分からない
- 会計ソフトのどのプランがいいのか教えて!
世の中にはたくさんの会計ソフトがあります。機能も値段もそれぞれで、どれを使うべきか分からなくて悩んでいる方は非常に多いです。
私は簿記通信講座を2012年から運営している簿記のプロです。2007年から会社を経営してきて、会計ソフトも使い続けています。もちろん会計ソフトの特徴も選び方も熟知しています。
この記事では会計ソフトの特徴と選び方、おすすめの会計ソフトについて解説します。
この記事を読めばあなたがどの会計ソフトのどのプランを選べばいいのかが分かります。
結論を言うと、会計ソフトは次の基準で選ぶとあなたにあった会計ソフトを選べます。
- 簿記3級の知識がある人:【セルフプラン初年度無料】「弥生」に申し込む
- 事業規模が小さく(課税売上1,000万円以下)忙しい人:「freee」に申し込む
- 事業規模が大きく人を雇用している人:「マネーフォワード」に申し込む
この中でも「簿記3級の知識を身につけて『弥生セルフプラン』を使う」のが無駄な費用がかからず、経営にもいい影響を与えるのでおすすめです。
個人事業主の会計に対する考え方

確定申告は青色申告一択
確定申告には白色申告と青色申告がありますが、青色申告一択です。
青色申告には次のメリットがあります。
- 推定課税されない
- 青色申告特別控除が使える
- 損失の繰越控除ができる
この3つのメリットが大きすぎるので、青色申告を選択しない理由がありません。
青色申告のメリットについては「個人事業主に簿記の勉強は何級まで必要なのか?【3級までで十分】」で詳しく解説しています。
個人事業主でも会計ソフトは必要
個人事業主でも会計ソフトは必須です。手書きで帳簿をつけていたり、EXCELで管理したりしている人もいるかもしれませんが、時間のロスが非常に大きいです。
個人事業主は基本的に事業に関する全ての作業を一人で行います。会計に使う時間はできるだけ減らさなければなりません。
会計ソフトは安いものであれば年間8,000円程度です。時給が2,000円だった場合、本業4時間分です。会計ソフトを使えば会計に使う時間を1年あたり4時間よりもはるかに減らすことができます。
記帳に使う時間を本業に使うことで会計ソフト代はすぐに回収できます。
会計ソフトを使う場合でも簿記3級の知識は必要
会計ソフトを使う場合でも簿記3級の知識は必要です。
会計ソフトの中には簿記の知識が全くなくても使えるものもあります。会計ソフトを使うために簿記の知識が必要というわけではありません。
簿記の知識が必要な理由は「自分の事業がどういう状態なのかを把握するため」です。
「運転資金はいくら必要なのか」「会計ソフトにいくらかけてもいいのか」など、個人事業主として事業を行っていてもお金に関する意思決定は常に行わなければなりません。
簿記ができなかったら正しい意思決定ができません。簿記を3級まで身につけておけば、個人事業主として必要な知識の多くは身につきます。
これが簿記3級の知識が必要な理由です。本業が忙しい人もできれば時間を見つけて簿記3級の知識だけでも身につけることをおすすめします。
個人事業主に簿記3級の知識が必要な理由については「個人事業主に簿記の勉強は何級まで必要なのか?【3級までで十分】」で詳しく解説しています。
個人事業主が会計ソフトを選ぶときの考え方

個人事業主が使う会計ソフトはクラウド型一択
会計ソフトは「クラウド型」と「インストール型」に分けられます。個人事業主が使う会計ソフトはクラウド型一択です。
クラウド型会計ソフトはインターネットサービスを利用するものです。データもパソコンではなくインターネット上のサーバーに保存します。
クラウド型会計ソフトの場合、パソコンが破損しても安心です。
インストール型会計ソフトはパソコンにインストールして使用するものです。
インストール型会計ソフトの場合はデータもパソコンに保存するので、パソコンが破損すればデータも破損します。バックアップは必須です。
クラウド型とインストール型の違いをまとめると次のようになります。
クラウド型会計ソフト | インストール型会計ソフト | |
費用 | 安い | 高い |
対応OS | WINとMACの両方に対応 | 基本WINのみ |
バックアップ | 不要 | 必須 |
デバイス | PC、スマホ、タブレット | 基本PCのみ |
特長 | シンプルで使いやすい | 高度な分析ができる |
個人事業主では高度な分析は必要ありませんので、インストール型を利用するメリットはありません。個人事業主が使う会計ソフトはクラウド型一択です。
クラウド型の方が安い
インストール型は初期費用だけで毎月の費用がかからないので、インストール方の方が安いと思う人もいると思います。しかし、実際はクラウド型の方が安く済みます。
インストール型も保守サービスが必要だからです。
保守サービスを受けなければ「法改正」や「提出書類の様式変更」に自分で対応しなければなりません。
会計の専門家でもない限り自力で法改正や書類の様式変更に対応するのは大変です。時間もかかります。
そこで保守プランが必要になるのですが、保守プランをつけるとクラウド型より高くなってしまいます。
サービス終了を避けるため、市場シェアの大きい商品を選ぶ
会計ソフトで最も避けたいトラブルの一つは「使っている会計ソフトのサービスが終了すること」です。
サービスが終了すると、会計データを移管しなければなりません。会計ソフトによって操作画面が違うので、最初から操作方法を覚えなおす必要があります。
必要のない手間が多く発生し、本業に悪影響が出てしまいます。
「サービス終了」のデメリットは非常に大きいです。「サービス終了」のデメリットを補ってあまりあるほどのメリットを持つ会計ソフトはありません。
会計ソフトは市場シェアの大きいものを選ぶ必要があります。
会計ソフトのサービス終了理由はユーザー数の伸び悩み
会計ソフトのサービスが終了する理由は「ユーザー数の伸び悩み」です。
会計ソフトのようなソフトウェアを提供するサービスは利用者が増えても追加のコストはほとんど発生しません。サービス利用者を増やせば増やすほど利益が雪だるま式に大きくなります。
逆に言うと、サービス利用者を増やせなかったら利益が出せません。ユーザー数の伸び悩みはサービス終了の大きな理由です。
クラウド会計ソフトの市場シェアはMMRIの「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2020年4月末)」によると次のとおりです。
- 第1位:弥生(56.7%)
- 第2位:freee(21.1%)
- 第3位:マネーフォワード(16.8%)
上位3社での市場シェア:94.6%
上位3社での市場シェアは高く、寡占状態です。
ユーザー数が多いほど利益が大きくなることを考えると、「弥生」「freee」「マネーフォワード」のサービスが終了する確率は相当に低いと考えられます。
会計ソフトは「弥生」「freee」「マネーフォワード」のいずれかを選ぶ必要があります。
個人事業主におすすめの会計ソフト3選

おすすめの会計ソフトは「弥生」「freee」「マネーフォワード」です。
「弥生」「freee」「マネーフォワード」の全てのプランはWindowsとMacの両方に対応しています。パソコンにもスマホにも対応しています。
「手動仕訳(手入力)」「自動仕訳(クレジットカードや銀行口座と連携、レシートや領収書を撮影して入力)」「申告書類の作成」など、会計ソフトに必須の機能は全てのプランにあります。
「弥生」「freee」「マネーフォワード」であれば、どの製品を利用しても間違いはありません。
やよいの青色申告オンライン:費用をおさえたい人におすすめ
「やよいの青色申告オンライン」にはセルフプランとベーシックプランとトータルプランの3つのプランがあります。
セルフプラン | ベーシックプラン | トータルプラン | |
費用(月額) | 月払い不可 | 月払い不可 | 月払い不可 |
費用(年額) | 8,000円(667円/月) 初年度無料 | 12,000円(1,000円/月) 初年度6,000円 | 20,000円(1,667円/月) 初年度10,000円 |
チャットサポート | なし | あり | あり |
メールサポート | なし | あり | あり |
電話サポート | なし | あり | あり |
確定申告相談 | なし | なし | あり |
簿記3級の知識 | 必要 | やや必要 | やや必要 |
弥生会計は1987年からの老舗です。30年以上も会計ソフトに関する業務を行ってきて、市場シェアも個人事業主においては日本一です。
弥生会計はサービス終了のリスクが最も少ない会計ソフトと言えます。
ベーシックプランとトータルプランでは会計についての疑問をチャットやメールや電話で質問できますが、簿記3級の知識があればセルフプランで十分です。
セルフプランは「freee」と「マネーフォワード」を含む全てのプランの中で最も低価格です。しかも初年度無料です。
また、電話サポートがあるプランの中ではベーシックプランが「freee」と「マネーフォワード」を含む全てのプランの中で最も低価格です。しかも初年度半額です。
青色申告に必要な機能は十分に備わっています。会計にかける費用を最低限に抑えたいなら「やよいの青色申告オンライン」がベストです。
≫【セルフプラン初年度無料】やよいの青色申告オンラインにいますぐ申し込む
freee:簿記の知識がない人におすすめ
freeeにはスタータープランとスタンダードプランとプレミアムプランの3つのプランがあります。
スタータープラン | スタンダードプラン | プレミアムプラン | |
費用(月額) | 1,180円 | 2,380円 | 月払い不可 |
費用(年額) | 11,760円(980円/月) | 23,760円(1,980円/月) | 39,800円(3,316円/月) |
お試し期間 | 1ヶ月 | 1ヶ月 | 1ヶ月 |
チャットサポート | あり | あり | あり |
メールサポート | あり | あり | あり |
電話サポート | なし | なし | あり |
確定申告相談 | なし | なし | なし |
簿記3級の知識 | 不要 | 不要 | 不要 |
freeeはスマホだけで確定申告ができる
freeeの最大の売りは「スマホだけで確定申告を完結できる」というところです。
しかし、スマホだけで確定申告するのはおすすめできません。小さい画面での入力になるのでPCを使った方がはるかに楽です。
スマホだけでの確定申告をおすすめできるのはPCを持っていない人だけです。
freeeは簿記の知識が全くなくても使える
freeeは簿記の知識が全くなくても使えるようになっています。しかし、会計ソフトを使うためではなく、適切な経営判断を行うために簿記3級の知識は必要です。
次の確定申告までに簿記3級の知識を身につける時間がないという人にはfreeeがおすすめですが、そういでなければ簿記3級の知識をつけて「やよいの青色申告オンライン」を使うことをおすすめします。
freeeの無料プランは使えない
freeeの無料プランは直近1ヶ月までしかデータを見ることができないので使えません。無料プランは操作性を確認する程度のものと考えておく必要があります。
freeeスタータープランは消費税申告ができない
全メーカー全プランの中でfreeeスタータープランだけは消費税申告ができません。
簿記3級の知識を身につけて「やよいの青色申告オンライン」を使う方が個人的にはおすすめです。しかし、簿記を勉強する時間をどうしても作れない場合は「freee」がベストです。
≫「freee」にいますぐ申し込む
マネーフォワードクラウド確定申告:会計以外のサービスも利用する人におすすめ
「マネーフォワードクラウド確定申告」には「パーソナルミニ」「パーソナル」「パーソナルプラス」の3つのプランがあります。
パーソナルミニ | パーソナル | パーソナルプラス | |
費用(月額) | 980円 | 1,280円 | 月払い不可 |
費用(年額) | 9,600円(800円/月) | 11,760円(980円/月) | 35,760円(2,980円/月) |
お試し期間 | なし | 1ヶ月 | なし |
チャットサポート | あり | あり | あり |
メールサポート | あり | あり | あり |
電話サポート | なし | なし | あり(会計ソフトに関するサポートのみ) |
確定申告相談 | なし | なし | なし |
簿記3級の知識 | 必要 | 必要 | やや必要 |
マネーフォワードクラウド確定申告は会計ソフト以外のサービスが豊富
マネーフォワードクラウド確定申告は「請求書作成」「経費精算」「給与計算」「社会保険事務」など、会計ソフト以外のサービスが豊富です。
しかし、一般的な規模の個人事業主に必要なものはありません。
マネーフォワードクラウド確定申告の無料プランは使えない
マネーフォワードクラウド確定申告の無料プランは、1年で50件しか仕訳が入力できないので使えません。
1年で50件ということは1ヶ月に4件までということです。
個人事業主の場合、自宅を事務所として経費にするので、毎月「地代家賃」「電気料金」「電話料金」「水道料」が発生します。これだけで4件です。全然足りません。
無料プランは操作性を確認する程度のものと考えておく必要があります。
会計ソフト以外のサービスを利用するなら「マネーフォワード」がベストです。
≫「マネーフォワードクラウド確定申告」にいますぐ申し込む
【まとめ】個人事業主の会計ソフトの選び方
個人事業主にとって青色申告はメリットが大きいので、確定申告は青色申告が必須です。確定申告を青色申告で行うためには会計ソフトが必要です。
会計ソフトは次の基準で選ぶとあなたにあった会計ソフトを選べます。
- 簿記3級の知識がある人:【セルフプラン初年度無料】「弥生」に申し込む
- 事業規模が小さく(課税売上1,000万円以下)忙しい人:「freee」に申し込む
- 事業規模が大きく人を雇用している人:「マネーフォワード」に申し込む
この中でも「簿記3級の知識を身につけて『弥生セルフプラン』を使う」のが無駄な費用がかからず、経営にもいい影響を与えるのでおすすめです。
- 個人事業主の方には簿記3級までしっかりと身につけることをおすすめします。内容は「暗記不要の簿記独学講座-簿記3級」に加えて「引出金」「当期純利益の資本金勘定への振替の仕訳」「決算振替仕訳(個人事業主)」です。
- 簿記3級の勉強もできるだけ合理的にした方が効果的です。簿記3級の勉強法については「簿記3級勉強法」をごらんください。
- 弊社が運営している簿記通信講座に興味がある人は【簿記革命3級】をごらんください。
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