- 経理に転職しようと思ってるんだけど……
- 簿記3級が転職に役立つのか分からない
- 簿記3級を転職に役立てる方法を教えて!
簿記3級を取得しても転職できないというケースは非常に多いです。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。簿記3級を転職に役立てる方法も知っています。
この記事では簿記3級を転職に役立てる方法について解説します。
この記事を読めば簿記3級を持っているあなたが経理に転職するために意識すべきことが分かります。
結論を言うと、簿記3級を転職に役立てるためにはただ合格するだけでなく、しっかりと簿記という技能を身につけることが大切です。しっかりと技能を身につけて、誠実かつ素直な人柄であれば、簿記3級を転職に役立てることができます。
簿記3級が転職で評価されない理由

よく「簿記3級は転職には役に立たない」と言われます。一面の事実ではありますが、正確ではありません。
正確に言うと「簿記を身につけることなく、ただ簿記3級の合格証書だけを持っていても転職には役に立たない」です。
日商簿記に独占業務はありませんので、合格するだけでは会社に貢献することはできません。きちんと簿記の技能を身につけ、その技能を発揮することで会社に貢献できるのです。
経理は専門職なので、10分も話せば次のどちらの人なのかは判断できます。
- 簿記という技能を身につけ、会社に役立とうとして資格を取った人
- 技能は身につけず、合格証書だけを手に入れて自分の技能を高く見せようとしただけの人
当然、採用されるのは前者です。
経理は専門職です。技能を身につけることなく合格証書だけ手に入れても意味がありません。
簿記3級を勉強している段階から「経理は専門職である」という意識を持つことが大切です。そうすれば「しっかりと技能を身につけよう」という意識で勉強することになります。当然、合格しやすいですし採用されやすい人材になります。
簿記3級に合格して経理への転職を有利にするためには「誠実さ」と「素直さ」が必要

経理に限らず全ての職種でいえるのですが、面接官は「この人と一緒に働きたいか」という基準で面接を行っています。採用後には自分の同僚か部下になる可能性が高いことを考えると当然です。
一緒に働きたい人の特徴は「誠実であること」「素直であること」です。
誠実であること
面接で採用されるためには誠実な人間だと分かってもらう必要があります。特に経理はお金を取り扱うので「誠実であること」は絶対に必要です。誠実さがなければ採用されることはありません。
面接において誠実であるということは「自分を採用することで相手に損をさせない」ということです。
相手に損をさせないためには次の5つを特に意識することが大切です。
嘘をつかないこと
嘘をつく人に誠実な人はいません。
面接で嘘をつくというのは、相手が明らかに損する行為です。自分に損をさせようとしている人間と一緒に働きたい人はいません。
面接で嘘がバレると確実に不採用です。
相手が誤解するような伝え方をしないこと
嘘はつかずに、相手がわざと勘違いするような伝え方をする人がいますが、もちろんだめです。
誤解させる行為は嘘をつくこと以上に性質が悪い行為で、だます意図がありながら、だまされた方が悪いと言っているようなものです。
意図的に誤解させる人を経理に採用しようと思う人はいません
履歴書(職務経歴書)を盛らないこと
履歴書や職務経歴書で「常識の範囲内でよく見せる」というのはセーフですが、度を超すとアウトです。
履歴書や職務経歴書をどのように書くかは、会社に損をさせないという意識を持てば分かります。
- あなたより優秀な人がいるのにあなたを採用したら会社にとっては損になる
- あなたの方が優秀なのにあなたを採用しなかったら会社にとっては損になる
こうやって考えていけば、自然とどのように書くべきか分かります。
相手のデメリットになることもきちんと伝えること
自分の未熟な部分を伝えることができれば誠実さは十分に伝わります。
もちろん、未熟さゆえに不採用になる可能性もあります。しかし、その未熟さが許容されるものであれば採用される可能性が高いです。
簿記2級の勉強中であることを伝えること
簿記2級は抜群にコスパがよく、全ての簿記資格の中で最高です。簿記3級までしか持っていないと「なぜ経理で働きたいのに簿記2級まで取らないの?」と思われてしまい、仕事に対して誠実ではないと受け取られる可能性があります。
現在は簿記3級までしか合格していない人も、簿記2級までは合格する意思があると伝えることが大切です。
全ては「自分を採用することで相手に損をさせたくない」という気持ちを持っていれば自然とできることです。誠実さとはそういうことです。
素直であること
素直とは「無駄に反発したり抵抗したりしないこと」です。
素直な人は的確なアドバイスには感謝して従うことができます。素直じゃない人は色々な理屈をつけて反発し、有益なアドバイスにも耳を貸しません。
素直さを相手に伝えるためには次の3つを特に意識することが大切です。
面接官と議論しないこと
面接官と議論しても仕方がありません。もし本当に人として間違っているような考えに同意することを求められたら、何を言わずに退席すればいいだけです。議論する必要はありません。
面接官と議論して仮に論破したとしても不採用でしょう。
自分の未熟な部分はしっかりと認めること
自分の未熟な部分はしっかりと認めることが大切です。
履歴書や職務経歴書に気になることがある場合、面接官は当然質問してきます。
- 全て3年以内の離職されているようですが、なぜですか。
- 無職の期間が1年ほどあるのですが、どのような事情があったのですか。
などです。もちろん嘘をつかないことが大前提ですが、全て環境や他人のせいにするのはいけません。
自分に未熟な点があったのであれば、しっかりと受け入れて指導を仰ぐ姿勢は大切です。
マウンティングをしないこと
マウンティングは素直さとは正反対の行為です。マウンティングする人と働きたい人はいないでしょう。
面接で意図的にマウンティングする人はいないと思いますが、気をつけなければいけないのが「資格や経験をアピールするとき」です。
資格や経験をアピールする行為は自分の能力を相手に伝えるために必要ですが、一歩間違えばマウンティングと思われかねません。
「自分を高く売るため」という意識ではなく「相手の役に立てるということを伝えるため」という意識であれば、マウンティングと受け取られる心配はありません。
結局のところ、素直さは日頃の態度が出るものです。普段から素直な人は面接でも素直さが伝わりますし、普段は素直ではないのに面接のときだけ素直であるように見せかけてもごまかせません。
【まとめ】簿記3級を転職に役立てる方法

資格はお客様の役に立つために取るものです。お客様の役に立つことで会社が利益を獲得し、その結果給料がもらえます。
簿記は直接お客様に役立つのは難しい職種ですので、会社の役に立つことを意識した方が実践的です。
- 会社の役に立つために簿記3級を身につける
- 自分の得よりも会社に得させようと考える誠実さがある
- 有益なアドバイスはありがたくいただく
このような人であれば簿記3級を転職に役立てることができます。会社に得をさせればあなたも得をすることができます。こういった考え方が大切です。
- 簿記3級で転職を有利にする方法について解説しましたが、簿記2級まで取った方が確実に有利になります。簿記2級まで取得した人は「簿記1級で転職に成功する考え方【経営15年目の社長が解説】」が参考になるはずです。
- 経理未経験の人が経理に転職するための最善のロードマップについて「【語られない真実】20代・30代の実務未経験者が経理に転職する最善の方法」で詳しく解説しています。
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