簿記1級の過去問を解くのに時間が足りない原因と対策

「簿記1級の過去問と解くといつも時間が足りない」
「どこをどう改善したら時間内に解き終わるのか分からない」
「がんばるから時間内に解き終わるためにすべきことを教えてほしい」

この記事はこんな悩みを抱えている人に向けて書いています。

はじめまして。
【簿記革命】という簿記の通信講座を2012年から運営している平野と申します。

私は【簿記革命】を通じて、これまでに数百名の合格者を送り出させていただきました。

「過去問に挑戦したらいつも時間が足りなくなってしまう」という悩みを抱えてしまう原因も、この悩みから抜け出す方法も分かっています。

この記事では簿記1級の過去問を時間内に解き終わらない人が確認すべきことを順番にお伝えします。

この記事を読めば、簿記1級の過去問が時間内に解き終わらない原因を順番に解決できるので、一つ一つ改善していけば徐々に時間内に解けるようになっていきます。

この記事の内容を一言で言うと、簿記1級の過去問を時間内に解き終わるようになるためには「基本的な内容を完璧に身につけること」「試験開始直後におおまかな時間配分を想定すること」「下書きはていねいに書くこと」などが大切です

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簿記1級の過去問の時間が足りない原因と対策

簿記1級の過去問を時間内に解き終えることができない場合、必ず対策を行って時間内に解き終わるようになってから本番に臨む必要があります。

時間内に解き終わらない原因はいくつかあります。
対策すべき順番にあげます。

  1. 試験中に迷ってしまう
  2. 試験中に考えすぎてしまう
  3. 自分で下書きした文字や数字の確認に手間取ってしまう
  4. 最初の問題を間違えてしまうことで最初からやり直すことになってしまう
  5. 電卓の操作が不正確で何度も電卓をやりなおさなければならなくなってしまう

この順番で対策を行っていくことで効果的に解答時間を短くしていくことができます。

では、一つずつ詳しくお伝えしていきます。

1.試験中に迷ってしまう

試験中に最も時間を浪費しているのは「迷っている時間」です。
問題文を読んだり、実際に電卓を使っている時間はそれほど長くありません。
問題文を急いで読んだり電卓を急いで使ったりしてもミスが増えるわりにそれほど時間を短縮することはできません。

時間が足りないのであれば、まずは「迷う時間」を限りなくゼロに近づける必要があります。

「迷う」と「考える」の違い

ここでは「迷う」という言葉を「時間をかけても正解にたどり着けない思考(考えが前進しない思考)」という意味で使っています。

また、「考える」という言葉を「時間をかければ正解にたどり着ける思考(考えが前進する思考)」という意味で使っています。

辞書的な意味は違うかもしれませんが、ここではこの意味で使っています。

問題を解いている最中に迷ってしまう原因は「中途半端な理解」「うろ覚え」にあります。
原因が普段の勉強にあるので、試験中に対策することで迷う時間を減らすことは不可能です。

普段の勉強から「中途半端な理解」「うろ覚え」をしない意識で勉強していく必要があります。

「中途半端な理解」「うろ覚え」は本番では役に立たない

この意識を持って勉強することが大切です。

「中途半端な理解」「うろ覚え」は基本的な内容以外にもあてはまります。

試験直前の時期にやってはいけないことの一つに「これまで勉強していない内容に手を出してしまうこと」があります。
自分が勉強していないところが出題されることへの不安から、つい直前に新しい内容を勉強してしまうのです。

これをやってしまうと、本来なら「捨て問」にすべき問題も何となくできそうな気がしてしまい、試験本番で時間を使ってしまいます。

しかし、捨て問にするような難しい問題を「中途半端な理解」で解くことはできないので、結局、時間だけを使う結果になります。

いいことはないので、直前期に「中途半端な理解」「うろ覚え」につながるような勉強はしないことが大切です。
その時間で、基本をより完璧にする勉強をすべきです。

2.試験中に考えすぎてしまう

試験中に迷ってしまう時間を減らせれば、時間が足りなくなることはほぼなくなります。
それでも時間が足りない場合、試験中に考えすぎてしまっている可能性があります。

もちろん試験中に考えないわけではないので、考える時間をなくす必要はありません。
ただ、あまりに考えすぎてしまうと時間が足りなくなってしまいます。

考えすぎてしまう原因は「解かなくても合格できる問題(捨て問)を解こうとしてしまうこと」です。

簿記1級の問題の中には、時間をかければ解けるけれど時間がものすごくかかる問題があります。
こういう問題は、たとえ時間をかければ正解できるとしても解かない勇気を持つことが必要です。

この勇気を持つためには「基本的な内容が完璧であるという自信をつけておくこと」、言い換えれば「その問題を解かなくても合格できるという確信を持つこと」が必要です。
そのためには、「基本的な内容を完璧に身につけておくこと」が大切です。

また、試験中に次の2つを意識して行うことが大切です。

  • 試験開始直後に大雑把な時間配分を決めておく
  • 捨て問をきちんと作る

試験開始直後に大雑把な時間配分を決めておく

試験が始まったら、最初の1分から2分ほど使って試験問題全体をざっと見て大雑把な時間配分を想定します。

「商業簿記・会計学」の通常の時間配分は「商業簿記:60分」「会計学:30分」です。
「工業簿記・原価計算」の通常の時間配分は「工業簿記:45分」「原価計算:45分」です。

普段の過去問練習で、かかる時間がある程度つかめているはずなので、過去問と比較してかかりそうな時間がどの程度違うか判断し、微調整しておきます。
そして、タイムリミットが来たら、途中でももう一つの科目に移ることが大切です。

こうすることで「片方の科目を解く時間がなくなって10点取ることができずに不合格になってしまう」という事態を避けることができます。

捨て問をきちんと作る

簿記1級の合格ラインは70点(かつ各科目10点以上)です。
満点を取る必要はありません。
にも関わらず満点を狙えば、解かなくてもいい問題を解くことになってしまい、時間が足りなくなってしまいます。

「解かなくていい問題」をきちんと捨てることで時間に余裕を作ることができます。

捨て問を作るためには「この問題を解かなくても合格できる」という絶対的な自信が必要です。

「この問題を解かなかったら不合格かもしれない」という状態でその問題を捨てるという決断は心情的に不可能です。

この絶対的な自信は普段の勉強で作られるものです。

基本的な内容を完璧に身につけ、その実力をもってすれば確実に合格ラインに届く。

この自信があるからこそ、安心して捨てることができるのです。

普段から基本的な内容を完璧に身につけることが大切です。

3.自分で下書きした文字や数字の確認に手間取ってしまう

試験中に迷う時間をなくし、考えすぎる時間も減らせているのであれば、時間に余裕はあるはずです。

しかし、それでも時間が足りない場合、自分で下書きした文字や数字の確認に手間取ってしまっていないかを確認してください。

下書きした文字や数字は書いているときには判別できても、時間がたったあと見直しをするときに見ると「これ0かな?6かな?」となったりすることがあります。

こういった曖昧な部分を確認するのに時間がかかってしまいます。

急いで書いてしまった結果、後で余計に時間がかかってしまえば本末転倒なので、試験で書く全ての文字や数字はていねいに書くことを意識することが大切です。

4.最初の問題を間違えてしまうことで最初からやり直すことになってしまう

時間が足りなくなってしまう原因の一つに、最初の答えを間違えてしまったため、大部分をやり直さなければならなくなってしまうことがあります。

これは運がよければ起こらないのですが、試験本番で運悪く起こってしまうと時間的に苦しくなってしまいます。

特に工業簿記や原価計算では自分で求めた数値を使って次の問題を解くという構造になっているものが多いので、最初の部分でミスをしてしまうと後まで全て間違えてしまいます。

全て解き終わった後に最初のミスに気づいた場合、もう一度最初からやり直すことになり、時間を大幅に使ってしまいます。

これを避けるためには、自分で求めた数値を使って問題を解く場合は、その都度計算し直してミスがないか確認することが大切です。

確認に多少時間はかかりますが、最初からやり直すリスクを考えれば、大したことではありません。

捨て問をきちんと作れていれば、途中で確認する時間は十分にあるので必ず確認するようにしてください。

5.電卓の操作が不正確で何度も電卓を使わなければならなくなってしまう

試験中に迷うことがなくなり、考えすぎることもなくなり、下書きの確認もスムーズで最初から問題を解き直すこともなくなれば、時間が足りないということはほとんどないはずです。

もしあるとすれば、電卓の操作が不正確なのが原因かもしれません。

電卓を使って答えを求めたあと、念のためもう一度電卓を使って同じ答えになるか確認します。
そのときに、もし1回目と2回目で求まった数値が異なる場合、何度かやりなおして正確な数値を求める必要があります。

「1回目と2回目で数値が異なる」というミスは時々なら時間が足りなくなることはありませんが、あまりにも頻繁だと時間が足りなくなってしまう可能性があります。

「1回目と2回目で数値が異なる」というミスが頻繁に起こる場合、電卓操作の練習が足りていないので、電卓の練習を普段からやっておくことが大切です。

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【まとめ】簿記1級の過去問の時間が足りない原因と対策

簿記1級の試験で時間が足りなくなる原因とその対策についてお伝えしました。

最も重要なことは「基本的な内容を完璧に身につけておくこと」です。
基本的な部分で概ね80点くらい得点できるようにしておけば、試験中に迷ってしまうことも考えすぎてしまうこともありません。

80点得点できるあなたが解けない、時間がかかりすぎると感じる問題は捨て問です。極力時間を使わず飛ばしてください。

試験開始直後に大まかな時間配分を想定しておけば、「片方の科目を解く時間がなくなって10点取ることができずに不合格になってしまう」という事態は避けられます。

試験中に書く文字や数字は必ず後で見ても分かるようにていねいに整理して書いてください。
後で見たときに分からなくて確認に時間を使うのはもったいないです。

また、自分で求めた数値を使って問題を解く場合は、必ずそこでミスがないか確認することも大切です。
最初の部分のミスに後で気づいた場合、時間がかなりかかります。
気づかなければ大量失点です。
どちらも避けなければなりません。

もし電卓の計算を頻繁に間違えてしまうなら、普段から電卓の操作を練習しておくことが大切です。

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