【完全網羅】税理士の受験資格【受験資格がない人の対策もあり】

  • 税理士試験を受験しようと思ってるんだけど……
  • 税理士試験の受験資格に関する国税庁のホームページが難しくて分からない
  • 税理士の受験資格について分かりやすく教えて!

税理士試験には受験資格が必要です。税理士の受験資格については国税庁のウェブサイトに記載されているのですが、書き方が難しく、自分に受験資格があるのか分からないというケースは非常に多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん税理士試験の受験資格についても熟知しています。

この記事では税理士試験の受験資格について分かりやすく解説します。

この記事を読めばあなたに税理士試験の受験資格があるのか、受験資格がない場合には何をすべきかが分かります。

結論を言うと、税理士試験の受験資格がないのであれば日商簿記1級の合格を目指しながら全経簿記上級もあわせて受験していくのがベストです

【完全網羅】税理士試験の受験資格

税理士試験の受験資格については「税理士試験の受験資格の概要」「受験資格について」で書かれています。国税庁が公表している情報なので最も信頼できるものです。

しかし、少し分かりにくいのでこの記事で分かりやすく解説します。税理士試験を受験する際は必ず国税庁のウェブサイトで確認してください。

学識による受験資格

身につけた学問上の知識や見識で受験資格を得るものが学識による受験資格です。次のうちどれか1つでも満たせば税理士試験の受験資格が得られます。

大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者

「大学」「短大」「高専」の卒業生で「法律学または経済学」を1科目以上履修していれば税理士試験の受験資格を得られます。

法律学は「法学」「法律概論」「憲法」「民法」「刑法」「商法」「行政法」「労働法」「国際法」などです。一般に「○○法」という科目を1科目履修すれば大丈夫で、専門科目である必要もありません。

経済学は「マクロ経済学」「ミクロ経済学」「経営学」「経済原論」「経済政策」「経済学史」「財政学」「国際経済論」「金融論」「貿易論」「会計学」「商品学」「農業経済」「工業経済」などです。

経済学となっていますが、経営学や会計学も含まれています。1科目以上履修すれば大丈夫で、専門科目である必要もありません。

法学部、経済学部以外でも「経営学部」や「商学部」はほぼ確実に大丈夫です。場合によっては農学部や工学部などの理系の大学でも満たせるかもしれません。

かなりの大卒、短大卒、高専卒の人は条件を満たせる可能性があります。学部や学科に関係なく確認することをおすすめします。

条件を満たしているのであれば「成績証明書(卒業年月の記載がない場合は卒業証明書も必要)」を提出すれば税理士試験を受験することができます。

大学3年次以上で、法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者

大学3年次以上で「法律学または経済学」を1科目以上履修していれば税理士試験の受験資格を得られます。

先ほどお伝えしたとおり、法律学と経済学の範囲はかなり広いので、法学部、経済学部以外でも「経営学部」や「商学部」はほぼ確実に大丈夫です。農学部や工学部などの理系の大学でも満たせる可能性もあります。

多くの大学3年次以上の人は条件を満たせる可能性があります。学部や学科に関係なく一度は確認することをおすすめします。

留年してしまった場合、年次は増えないので注意が必要です。

条件を満たしているのであれば「成績証明書(大学3年次以上であることが確認できない場合は大学3年次以上であることが確認できる在籍証明書も必要)」を提出すれば税理士試験を受験することができます。

専修学校の専門課程を修了した者で、法律学又は経済学に属する科目を1科目以上履修した者

専門課程がある専修学校のことを「専門学校」というので「専修学校の専門課程を修了した者」というのは「専門学校を卒業した者」と同じ意味です。

しかし、どんな専門学校でもいいわけではなく、次の2つの条件を満たしている専門学校である必要があります。

  • 修業年限が2年以上
  • 課程の修了に必要な総授業時数が1,700時間(62単位)以上

この2つを満たしている専門学校を卒業すれば専門士の称号が得られます。つまり「専門士の称号が得られる専門学校」を卒業していれば大丈夫です。

専門士の称号が得られる専門学校を卒業していて、法律学または経済学に属する科目を1科目以上履修していれば税理士試験の受験資格を得ることができます。

先ほどお伝えしたとおり、法律学と経済学の範囲はかなり広いので、法律系や経済系の専門学校ではなくても条件を満たせる可能性があります。

多くの専門卒の人は条件を満たせる可能性があるので専門に関係なく確認してみることをおすすめします。

条件を満たしているのであれば「成績証明書(卒業年月の記載がない場合は卒業証明書も必要)」と「課程証明書(「修業年限が2年以上」「課程の修了に必要な総授業時数が1,700時間以上」を満たしていることを証明したもの)」を提出すれば税理士試験を受験することができます。

司法試験合格者

司法試験合格者は税理士試験の受験資格を満たします。しかし、弁護士資格を取れば税理士試験に合格をしなくても税理士登録ができます。

司法試験合格者が税理士登録するまでには次の2つがあります。

1.税理士試験5科目合格→実務経験(2年)→税理士登録
2.司法修習(1年)→研修所終了試験合格→税理士登録

どう考えても2の方が楽です。税理士試験を受験する必要はありません。もし受験するのであれば「所管官庁の合格証明書」を提出すれば税理士試験を受験することができます。

旧司法試験法の規定による司法試験の第二次試験又は旧司法試験の第二次試験に合格した者

旧司法試験は2011年まで行われていた司法試験です。旧司法試験の第二次試験(口述試験まで)に合格していれば税理士試験の受験資格を満たします。

旧司法試験の第二次試験合格者は弁護士になっているはずで、弁護士は税理士登録ができます。

旧司法試験の第二次試験合格者が税理士試験を受験することはまずありません。もし受験するのであれば「所管官庁の合格証明書」を提出すれば税理士試験を受験することができます。

平成18年度(2006年度)以降の公認会計士試験短答式試験合格者

平成18年度(2006年度)以降に公認会計士試験の短答式試験に合格していれば税理士試験の受験資格が得られます。

以前、公認会計士を目指して短答式試験に合格したけれど、その後に税理士へ目標を変更した人は当てはまる可能性があります。

「公認会計士試験短答式試験合格通知書」または「短答式試験合格証明書」のコピーを提出すれば税理士試験を受験することができます。

公認会計士試験短答式試験全科目免除者

「司法試験合格者」と「公認会計士短答式試験合格者(2年間)」は公認会計士試験の短答式試験が全科目免除になります。

しかし「司法試験合格者」と「公認会計士短答式試験合格者」は税理士試験の受験資格が得られます。

もし公認会計士試験短答式試験全科目免除者として税理士試験の受験資格を得たいなら「公認会計士試験免除通知書」又は「免除証明書」のコピーを提出する必要があります。

資格による受験資格

保有している資格で受験資格を得るものが資格による受験資格です。次のうちどれか1つでも満たせば税理士試験の受験資格が得られます。

日商簿記検定1級合格者

日商簿記1級合格者は税理士試験の受験資格が得られます。税理士試験の受験資格がない人が税理士試験の受験資格を新たに手に入れようとした場合の第一候補です。

「合格証明書(合格証書は不可)」を提出すれば税理士試験を受験することができます。

昭和58年度(1983年度)以降の全経簿記検定上級合格者

昭和58年度(1983年度)以降の全経簿記検定上級合格者は税理士試験の受験資格が得られます。税理士試験の受験資格がない人が税理士試験の受験資格を新たに手に入れようとした場合の第一候補です。

「合格証明書(合格証書は不可)」を提出すれば税理士試験を受験することができます。

会計士補

2005年度以前に公認会計士の第2次試験に合格した人は会計士補の登録を行うと会計士補となりました。現在は廃止されていて、新たに会計士補になることはできません。

会計士補は公認会計士になっているはずです。公認会計士は税理士登録ができるので、会計士補の資格で税理士試験を受験しようとする人はいないはずです。

もし受験するのであれば「日本公認会計士協会発行の登録証明書」を提出すれば税理士試験を受験することができます。

会計士補となる資格を有する者

公認会計士の第2次試験に合格して会計士補の登録を行っていない者が「会計士補となる資格を有する者」です。

現在は会計士補そのものが廃止されているので、今の公認会計士の第2次試験に合格しても「会計士補となる資格を有する者」にはあたりません。

「会計士補となる資格を有する者」は現在は公認会計士になっているはずです。公認会計士は税理士登録ができるので、「会計士補となる資格を有する者」の資格で税理士試験を受験しようとする人はいないはずです。

もし受験するのであれば「旧公認会計士試験第二次試験合格証明書」または「旧公認会計士試験の免除科目が全科目に及ぶことを証する書面」を提出すれば税理士試験を受験することができます。

職歴による受験資格

次のいずれかにあてはまる人は「職歴証明書」を提出すれば税理士試験の受験資格が得られます。

  • 弁理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士・不動産鑑定士等の業務に通算2年以上従事した者
  • 法人又は事業を営む個人の会計に関する事務に通算2年以上従事した者
  • 税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助の事務に通算2年以上従事した者
  • 税務官公署における事務又はその他の官公署における国税若しくは地方税に関する事務に通算2年以上従事した者
  • 行政機関における会計検査等に関する事務に通算2年以上従事した者
  • 銀行、信託会社、保険会社等において、資金の貸付け・運用に関する事務に通算2年以上従事した者

職歴による受験資格が得られるかは職務内容によって千差万別です。いずれかに当てはまりそうな人は必ず勤め先に確認してください。

条件を満たしているのであれば「職歴証明書」を提出すれば税理士試験を受験することができます。

関連記事

職歴証明書の様式については国税庁のウェブサイトで確認してください。

認定による受験資格

「国税審議会より受験資格に関して個別認定を受けた者」は税理士試験の受験資格が得られます。

次のどちらかにあてはまることを理由に税理士試験を受験しようとした場合、個別認定を受けることができます。

  • 法律学又は経済学に関して「学識による受験資格がある者」と同等以上の学識がある認められること
  • 「職歴による受験資格がある者」と同等の職歴があること

無事に認められれば「国税審議会会長発行の受験資格認定通知書のコピー」を提出することで税理士試験を受験することができます。

税理士試験の受験資格を得る最も簡単な方法は「日商簿記1級合格」と「全経簿記上級合格」

すでに税理士試験の受験資格がある場合は何の問題もありません。必要書類を提出すれば税理士試験を受験することができます。

しかし、税理士試験の受験資格がない場合はまず税理士試験の受験資格を得なければなりません

先ほどお伝えした受験資格の中で、最短時間と難易度をまとめると次のようになります。

受験資格難易度費用最短時間
大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者2年
大学3年次以上で、法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者2年
専修学校の専門課程を修了した者で、法律学又は経済学に属する科目を1科目以上履修した者2年
司法試験合格者最高2年
旧司法試験法の規定による司法試験の第二次試験又は旧司法試験の第二次試験に合格した者不可
公認会計士試験短答式試験合格者1年6ヶ月
公認会計士試験短答式試験全科目免除者1年6ヶ月
日商簿記検定1級合格者6ヶ月
全経簿記検定上級合格者6ヶ月
会計士補不可
会計士補となる資格を有する者不可
職歴による受験資格(現職が条件を満たしている)2年-就労日数
職歴による受験資格(現職が条件を満たしていない)2年

「最短時間」は日商簿記2級に合格できる実力がある人を想定しています。また、運や能力も含めてギリギリ可能なラインで推定しています。

税理士試験の受験資格を得る方法として現実的なのは次の3つです。

  • 日商簿記検定1級合格者
  • 全経簿記検定上級合格者
  • 職歴による受験資格

現在の仕事が「職歴による受験資格」を満たしているなら「職歴による受験資格」がおすすめ

現在の仕事が「職歴による受験資格」を満たしているのであれば職歴で受験資格を得る方法がおすすめです。税理士試験の勉強は絶対に2年はかかるので、税理士試験の勉強をしながら2年の職務経験を積み、受験資格を得られたら税理士試験を受験します。

税理士登録のためには実務経験も必要ですが、「職歴による受験資格」は実務経験も満たす場合が多いです。そういった意味からもおすすめです。

現在の仕事が「職歴による受験資格」を満たしていないなら「日商簿記検定1級合格者」と「全経簿記検定上級合格者」の両方を狙うのがおすすめ

現在の仕事が「職歴による受験資格」を満たしていない人が「職歴による受験資格」を得るのであれば転職しなければなりません。転職は難易度が高くリスクもあります。税理士試験の受験資格を得るための転職はおすすめできません。

現在の仕事が「職歴による受験資格」を満たしていない人におすすめなのは「日商簿記1級」と「全経簿記上級」を両方狙う方法です。

日商簿記1級が6月と11月の年2回、全経簿記上級が7月と2月の年2回行われているので、合わせて年4回のチャンスがあります。きちんと勉強していれば、1年以内に合格できます。

大切なことは日商簿記1級の合格を目指すことです。

日商簿記1級の方が難しいので、全経簿記上級を目指して勉強しても日商簿記1級の合格は期待できません。実質的なチャンスは全経簿記上級の年2回だけになってしまいます。

逆に、日商簿記1級の合格を目指して勉強すれば、全経簿記上級は過去問対策だけで合格を狙えます。

職歴による受験資格を満たさないのであれば、日商簿記1級の合格を目指すことで「日商簿記1級」と「全経簿記上級」を両方狙う方法がおすすめです。

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  • 税理士試験の受験資格のより詳しい内容については国税庁のウェブサイト「受験資格について」で確認してください。分かりにくい部分はこの記事で解説したので大丈夫です。
  • 職歴による受験資格を満たさないのであれば日商簿記1級の合格で税理士試験の受験資格を狙うのがおすすめです。日商簿記1級の合格を目指すなら合理的に勉強することが大切です。簿記1級の効果的な勉強法については「簿記1級にラクラク受かる勉強法-簿記1級」で詳しく解説しています。
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