簿記1級で転職に成功する考え方【経営15年目の社長が解説】

日商簿記1級
  • 経理へ転職しようと思ってるんだけど……
  • 簿記1級を取得したら経理への転職が有利になるのかが分からない
  • 簿記1級を取得するべきか教えて!

「経理への転職のために簿記1級をとっても意味ない」「簿記1級を持っている人は少ないから評価が高い」など、色々な情報が流れています。こういった状況もあり、経理への転職のために簿記1級を取るべきかどうかが分からないというケースは非常に多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。経営者としても15年目ですので、採用する側が何を考えるのかも当然理解しています。

この記事では転職を有利にするために簿記1級をどのように活用したらよいのかについて解説します。

この記事を読めばあなたが簿記1級を目指すべきか、目指すのであればどのように活用したらいいのかが分かります。

  1. 経理への転職を成功させる考え方
    1. 自分を雇うと企業にどんな利益があるのかをアピールする
    2. 転職エージェントの言うことを鵜呑みにしない
    3. 資格や知識は売りにはならないと考える
    4. 簿記1級を重視するのは大企業
  2. 経理への転職では「実務経験」が最重要
    1. 中途採用では即戦力が求められるから
    2. 知識と実務はかけ離れているから
    3. 実務を知らない人はすぐにやめてしまいやすいから
  3. 【年齢別】日商簿記1級の役立て方
    1. 第二新卒で実務経験なし:簿記1級を取得して大企業の第二新卒枠を狙う
    2. 第二新卒で実務経験あり:簿記1級を取得して大企業の第二新卒枠を狙う(簿記2級までで中小企業を狙うのもあり)
    3. 20代後半で実務経験なし:簿記2級を取得して中小企業を狙う
    4. 20代後半で実務経験あり:簿記1級を取得して大企業を狙う(簿記2級を取得して中小企業を狙うのもあり)
    5. 30代前半で実務経験なし:簿記2級を取得して、正社員にこだわらずに実務経験を積む
    6. 30代前半で実務経験あり:簿記1級を取得して大企業を狙う(簿記2級を取得して中小企業を狙うのもあり)
    7. 30代後半から40代で実務経験なし:簿記2級を取得して、正社員にこだわらずに実務経験を積む
    8. 30代後半から40代で実務経験あり:簿記1級を取得して大企業を狙う(簿記2級を取得して中小企業を狙うのもあり)
  4. 【まとめ】簿記1級で転職に成功する考え方

経理への転職を成功させる考え方

自分を雇うと企業にどんな利益があるのかをアピールする

会社が人を雇うのは「その人を雇うことでかかる費用以上の収益を得ることができると考えたから」です。費用以上の収益が得られないのであれば人を雇うことはありません。

ということは「相手に利益をどう与えられるのか」「相手が必要としているものに自分はどう応えられるのか」をきちんと相手に伝えて理解してもらうことが最重要だということです。

「採用する企業に利益を与えること」を第一に転職活動を行っていくことが大切です。

転職エージェントの言うことを鵜呑みにしない

転職エージェントの言うことを鵜呑みにしてはいけません。

転職活動で大切なのは「相手の立場を考えること」です。

先ほどお伝えした「企業は利益を出すためにあなたを雇う」というのも「相手の立場を考えること」です。

当然、転職エージェントの立場も考える必要があります。転職エージェントは「あなたの採用が決まったら、あなたの年収の3割前後を採用した企業からもらう」という契約で仕事をしています。

あなたの転職が決まらなければ転職エージェントには1円の報酬も入りません。こういった事情があるので、転職エージェントはあなたの希望どおりの転職であるかどうかに関わらず何とか転職させたいというインセンティブが働きます

「あなたの希望する仕事ではなくても何とかして転職させようとするインセンティブが働く」ということは絶対に知っておいてください。

転職エージェントのアドバイスが「あなたの利益」なのか「転職エージェントの利益」なのかをきちんと判断する目を持つことが大切です。

資格や知識は売りにはならないと考える

企業は利益を出すためにあなたを雇います。利益は資格や知識から直接生まれるわけではありません。利益は資格や知識を活用して仕事をすることから生まれます。

資格や知識がいくらあっても仕事ができなければ利益を出すことはできません。だからこそ転職では資格よりも実務経験が重要視されるのです。

転職活動のときにも資格や知識はあくまでも「おまけ」程度に考えることが大切です。日商簿記1級を取得していても同じです。

資格が直接利益を生み出すわけではありません。その資格をあなたが持っていることで企業にどういった利益を与えることができるのかを意識して転職活動をしていくことが大切です。

簿記1級を重視するのは大企業

簿記1級を重視するのは大企業です。簿記1級で勉強する内容が実務で必要になってくるのは大企業だからです。

「日商簿記2級以上」の求人が圧倒的に多いのは、企業の中で「中小企業」が圧倒的に多いからです(中小企業は全企業の99.7%を占めています)。中小企業で経理を行うのであれば日商簿記2級で十分です。

簿記1級を転職で活用するのであれば、大企業への転職が有効です。

実務経験なしで大企業へ転職するのは「第二新卒以外」では絶望的に難しいです。実務経験がない人はまずは実務経験を積む必要があります。

経理への転職では「実務経験」が最重要

経理への転職で最も重視されるのは「実務経験」です。求人情報に「未経験歓迎」としている会社であっても、実務経験がある人から応募があれば経験者を採用することがほとんどです。

実務経験が重視されるのは経理への転職に限った話ではなく、中途採用での転職はどの業種であっても実務経験が最重要視されます。

実務経験が重視される理由は次の3つです。

中途採用では即戦力が求められるから

中小企業では経理は一人、多くても二、三人です。新人を教育する余裕がないので、実務がこなせる人を採用しないと経理ができません。結果、経理未経験者は敬遠されることになります。

中小企業では日商簿記2級で十分なこともあり、「日商簿記2級を持っている実務経験者>日商簿記1級を持っている未経験者」となることがほとんどです。

大企業では経理職員は多いので、実務が未熟な人を雇っても、徐々に教育しながら一人前にしていくこともできます。若い人の方が教育しやすいので、若いと未経験でも採用されやすいです。この形の採用は新卒採用や第二新卒採用によく見られます。

大企業は日商簿記1級の知識を求めていることも多いので、第二新卒の転職であれば「日商簿記2級を持っている実務経験者<日商簿記1級を持っている未経験者」といったこともあります。

知識と実務はかけ離れているから

勉強で身につける簿記の知識は実務のほんの一部です。実務では勉強では使わなかった様々なことを使います。逆に勉強で身につけた内容であっても実務では全く使わないこともよくあります。

簿記の勉強で身につけた内容と経理の実務はかけ離れています。なので知識よりも実務経験が重視されます。

実務を知らない人はすぐにやめてしまいやすいから

実務と知識がかけ離れていることにより、経理未経験の人が経理という仕事に持つイメージが実際の仕事とかけ離れていることがあります。

そのため、「自分が思っていた仕事と違う」「自分には向いていない」といった理由でやめてしまうということがあります。

雇ってすぐにやめられると企業にはかなりの損害が発生します。教えていた時間も無駄になりますし、採用活動も再開しなければなりません。

その点、実務経験者は経理の仕事がどのようなものかよく知っているので、すぐにやめてしまう心配はいりません。こういった理由から経験者が採用されやすいです。

【年齢別】日商簿記1級の役立て方

これまでお伝えしたことを踏まえて、転職と日商簿記1級との関わり方について年齢別にお伝えします。

今回は「転職」がテーマなので、新卒については特に触れません。新卒で経理に就職する場合については「【新卒者向け】簿記1級は就職活動に有利?意味ない?」で詳しく解説しています。

年齢については便宜上、次のような形で分類します。

  • 第二新卒(20代半ばまで)
  • 中途採用(20代後半)
  • 中途採用(30代前半)
  • 中途採用(30代後半から40代以降)

以下年齢別にお伝えします。

第二新卒で実務経験なし:簿記1級を取得して大企業の第二新卒枠を狙う

第二新卒の場合、実務経験がないのであれば大企業の第二新卒での採用を狙っていくのがお勧めです。大企業の第二新卒枠では日商簿記1級の資格は高く評価されます。しっかりと日商簿記1級を取得してアピールしていくと効果的です(日商簿記2級は必須です)。

第二新卒で実務経験がない場合、次の3つをアピールすると効果的です。

  • 知識の量と実務での実力は比例しないという前提でアピールすること
  • 根気強いこと
  • 会社にどういった利益を与えられるのかを伝えること
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経理未経験の人が経理に転職するための最善のロードマップについて「【語られない真実】20代・30代の実務未経験者が経理に転職する最善の方法-第二新卒」で詳しく解説しています。

第二新卒で実務経験あり:簿記1級を取得して大企業の第二新卒枠を狙う(簿記2級までで中小企業を狙うのもあり)

実務経験があれば、大企業の第二新卒枠に加えて中小企業への転職も狙えます。中小企業は日商簿記2級でも十分なところが多いので、日商簿記1級よりも実務経験をアピールする方が効果的です。

第二新卒で実務経験がある場合、「会社にどういった利益を与えられるのかを、実務経験を根拠に具体的に分かりやすく伝えること」が大切です。

20代後半で実務経験なし:簿記2級を取得して中小企業を狙う

20代であれば、実務経験がなくてもまだ経理に転職できる可能性があります。その場合、最低でも日商簿記2級を取得し、「未経験歓迎」の求人を根気よく受けていくことが大切です。

また、大企業に採用される可能性もゼロではありません。日商簿記1級があれば大企業への転職は有利ですが、それでもかなり厳しいのが現実です。まずは中小企業で実務経験を積んでから大企業に転職する方が現実的です。

20代後半で実務経験がない場合、次の3つをアピールすると効果的です。

  • 知識の量と実務での実力は比例しないという前提でアピールすること
  • 根気強いこと
  • 会社にどういった利益を与えられるのかを伝えること
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経理未経験の人が経理に転職するための最善のロードマップについて「【語られない真実】20代・30代の実務未経験者が経理に転職する最善の方法-20代後半」で詳しく解説しています。

20代後半で実務経験あり:簿記1級を取得して大企業を狙う(簿記2級を取得して中小企業を狙うのもあり)

実務経験があれば中小企業に採用される可能性が高いです。中小企業の場合、日商簿記1級よりも実務経験をアピールすることが大切です。

また、日商簿記1級の範囲での実務経験があれば、大企業への中途採用も狙えます。この場合は日商簿記1級まで取得し、資格と実務の両面でのアピールが効果的です。

20代後半で実務経験がある場合、「会社にどういった利益を与えられるのかを、実務経験を根拠に具体的に分かりやすく伝えること」をアピールすることが大切です。

30代前半で実務経験なし:簿記2級を取得して、正社員にこだわらずに実務経験を積む

30代になってくると実務経験なしでの経理への転職は厳しいです。資格は日商簿記2級までで構わないので、まずは実務経験を積むことを考えてください。

30代前半で実務経験がない場合、次の3つをアピールすると効果的です。

  • 知識の量と実務での実力は比例しないという前提でアピールすること
  • 根気強いこと
  • 会社にどういった利益を与えられるのかを伝えること
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経理未経験の人が経理に転職するための最善のロードマップについて「【語られない真実】20代・30代の実務未経験者が経理に転職する最善の方法-30代前半」で詳しく解説しています。

30代前半で実務経験あり:簿記1級を取得して大企業を狙う(簿記2級を取得して中小企業を狙うのもあり)

実務経験があれば中小企業に採用される可能性が高いです。中小企業の場合、日商簿記1級よりも実務経験をアピールすることが大切です。

30代になってくると、大企業へ転職するにはかなりの実務経験が必要になってきます。大企業は業務が細分化されているので、「広く浅い実務経験」よりも「狭く深い実務経験」の方が、企業のニーズと一致したときに採用されやすいです。

30代前半で実務経験がある場合、「会社にどういった利益を与えられるのかを、実務経験を根拠に具体的に分かりやすく伝えること」が大切です。

30代後半から40代で実務経験なし:簿記2級を取得して、正社員にこだわらずに実務経験を積む

30代後半以上で実務経験がないと非常に厳しいです。資格は日商簿記2級までで構わないので、まずは実務経験を積むことを考えてください。

30代後半以上で実務経験がない場合、次の3つをアピールすると効果的です。

  • 知識の量と実務での実力は比例しないという前提でアピールすること
  • 根気強いこと
  • 会社にどういった利益を与えられるのかを伝えること

しっかりと実務経験が積めればステップアップしていくことも可能になります。

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経理未経験の人が経理に転職するための最善のロードマップについて「【語られない真実】20代・30代の実務未経験者が経理に転職する最善の方法-30代後半から40代」で詳しく解説しています。

30代後半から40代で実務経験あり:簿記1級を取得して大企業を狙う(簿記2級を取得して中小企業を狙うのもあり)

30代後半以上では圧倒的なレベルの実務経験が要求されます。

中小企業であれば「自分が責任者の立場で決算を行ったことがある」「自分が責任者の立場で税務申告を行ったことがある」「資金繰りを任されていた」といった経験が必要です。

大企業であれば「(できるだけ深く)連結会計を行ったことがある」といった経験があれば心強いです。このレベルの実務経験があるなら、日商簿記1級を取得して、資格と実務の両面からアピールしていくと効果的です。

30代後半以上で実務経験がある場合、「会社にどういった利益を与えられるのかを、実務経験を根拠に具体的に分かりやすく伝えること」が大切です。

【まとめ】簿記1級で転職に成功する考え方

日商簿記1級の資格が最も活きるのが次の2つのケースです。

  • 第二新卒で大企業への転職を考える場合
  • 実務経験をしっかりと積んでいるベテランが実務経験につり合うだけの資格として日商簿記1級を取得し、大企業への転職を考える場合

こういったケースでは日商簿記1級の資格が非常に活きてきます。

「中小企業なら日商簿記2級」「大企業なら日商簿記1級」を持っておくと効果的です。しかし、30歳以上で未経験だと厳しいので、30歳以上の人は日商簿記2級まで取得して実務経験を何とかして積むことを考えるべきです。

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