日商簿記1級167回詳細解説【傾斜配点分析も】

  • 167回の日商簿記1級の試験を会場で受験してきたんだけど……
  • どの問題を解くべきで、どの問題を捨問にすべきかわからない
  • 合格するための過去問の解き方や復習のコツを教えてほしい!

日商簿記1級の本試験の問題で、どうやって合格点を取ったらいいのか分からずに悩んでいる人は多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。日商簿記1級に合格するためにどのように本試験問題に取り組んだらいいのかも分かっています。

この記事では日商簿記1級167回の本試験問題の解き方、どの設問を解くべきか、合格点を取るために普段の勉強にどう取り組むべきかを解説します。

この記事を読めば、簿記1級の本番で合格点を取るために必要な考え方、やるべきことが分かります。

結論を一言で言うと、日商簿記1級で合格点を取るためには、枝葉末節の論点に惑わされずに基本的な考え方をしっかりと身につけ、ミスを減らすことが大切です。

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日商簿記1級に合格するために役立つ内容です。日商簿記1級の合格を目指している方は今すぐ手に入れることをおすすめします。

  1. 日商簿記1級(167回)の各科目の傾斜配点予想
    1. 商業簿記の傾斜配点
    2. 会計学の傾斜配点
    3. 工業簿記の傾斜配点
    4. 原価計算の傾斜配点
  2. 【超具体的】日商簿記1級167回本試験問題の解き方の流れ
    1. 商業簿記・会計学
      1. 1.解答開始と同時に試験問題全体を眺め、分量と出題論点を確認し、大雑把な時間配分を決める(1分)
      2. 2.会計学の第1問を解く(2分)
      3. 3.会計学の第2問を解く(5分)
        1. 会計学第2問の問1を解く(1分)
        2. 会計学第2問の問2を解く(3分)
        3. 会計学第2問の問3を解く(1分)
        4. 会計学第2問の問4は解かない(0分)
      4. 4.会計学の第3問を解く(14分)
        1. 問題全体の把握(3分)
        2. 資料3をもとにA事業分離の仕訳を切る(3分)
        3. 資料4をもとにB事業分離の仕訳を切る(3分)
        4. 問1の解答欄を記入する(1分)
        5. 問2に挑戦する(4分)
      5. 5.商業簿記の問1と問2を解く(39分)
        1. 問題全体の把握(3分)
        2. 問1と問2の各設問の解答(36分)
      6. 6.商業簿記の問3を解く(13分)
      7. 7.飛ばしていた会計学第3問の問2に挑戦(6分)
      8. 8.解答総チェック(10分)
      9. 結果
    2. 工業簿記・原価計算
      1. 1.解答開始と同時に試験問題全体を眺め、分量と出題論点を確認し、大雑把な時間配分を決める(1分)
      2. 2.工業簿記を解く(28分)
        1. 計算条件を熟読し、解答の方針を立てる(1分)
        2. 問1を解く(4分)
        3. 問2を解く(3分)
        4. 問3を解く(8分)
        5. 問4を解く(5分)
        6. 問5を解く(7分)
      3. 3.原価計算の第2問を解く(26分)
        1. 全体確認(1分)
        2. 問1を解く(13分)
        3. 問2を解く(8分)
        4. 問3を解く(4分)
      4. 4.原価計算の第1問を解く(20分)
        1. 全体確認(2分)
        2. 問1を解く(2分)
        3. 問2~問5を解く(10分)
        4. 問6を解く(1分)
        5. 問7・問8を解く(2分)
        6. 問9から問12を解く(4分)
      5. 5.解答総チェック(15分)
      6. 結果
  3. 日商簿記1級に合格するために普段から心がけるべき勉強のスタンス
    1. 大問が作られるような大きな論点を丸ごと捨てないこと
    2. 普段から計算ミスを徹底的に減らしておくこと
    3. 基本的な論点をきちんと理解して身につけておくこと

日商簿記1級(167回)の各科目の傾斜配点予想

傾斜配点は実際の採点結果をもとに配点を操作することで行われます。実際の配点は外部から知ることはできませんし、現時点では受験した人の得点状況も分かっておりません。

現時点では「問題の難易度」と「過去の受験生の実力」から正答率を予測しての結論だと考えてください。

この記事は第167回の日商簿記1級の本試験問題を解いたことがある人に向けて書いています。まだ問題を解いていない人は「第167回簿記1級本試験問題」に挑戦してから読むことをおすすめします。

商業簿記の傾斜配点

商業簿記の配点は次のようなものになると考えられます。

  • 問1:12か所のうち3か所が2点、9か所が1点(どこが2点になるかはわかりません)
  • 問2:1点
  • 問3:9点(各1点)

問1の表示科目の解答欄が12か所、問2の解答欄が1か所、問3の解答欄が9か所で、合計22か所あります。25点満点なので、ほとんどの解答欄が1点、3か所だけ2点になると考えるのが自然です。

この問題の難易度は標準的で、1か所間違えることで大失点するような構造にもなっていません。「解答欄に配点が与えられない(0点の解答欄がある)」といった大きな傾斜配点はないと考えられます。

どの3か所の解答欄が2点になるのかは正直分かりませんが、問1のどこかだと思われます。

会計学の傾斜配点

会計学の配点は次のようなものになると考えられます。

  • 第1問:5点(各1点)
  • 第2問:5点(問1:2点、問2~問4:各1点)
  • 第3問:15点(問1:各2点、問2:各1点)

第1問の解答欄が5か所、第2問の解答欄が4か所、第3問の問1が6か所、問2が3か所で、合計18か所あります。25点満点なので、7か所が2点になり、他が1点になると考えるのが自然です。

この問題の難易度は標準的で、1か所間違えることで大失点するような構造にもなっていません。「解答欄に配点が与えられない(0点の解答欄がある)」といった大きな傾斜配点はないと考えられます。

第1問の語句補充問題はかなり正答率が高いはずで、全体の難易度から考えて、ここに各2点の配点が与えられることはないと考えられます。第1問は各1点でしょう。

第1問が各2点なら、試験開始2~3分で10点確保できることになります。これは考えにくいです。

第2問は分配可能額の問題が2問、1株あたり当期純利益の問題が2問です。どちらもマイナー論点で、全く勉強していない人もかなり多いです。

【簿記革命1級】では分配可能額は学習していますが、1株あたり当期純利益は取り扱っていません。

ただ、問4以外の難易度はかなり低いので、「税理士受験生」や「会計士受験生」の問1から問3までの正答率はかなり高いと推測されます。

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日商簿記1級は「純粋に日商簿記1級の合格を目指している人」だけでなく、「税理士試験の合格を目指している人(受験資格獲得目的)」や「会計士試験の合格を目指している人(試験慣れ目的)」がかなり多く受験しています。

傾斜配点を考えるうえで、「税理士受験生」や「会計士受験生」を無視することはできません。詳しくは「日商簿記1級は相対評価である前提で勉強しよう」で解説しています。

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特に問1は計算もシンプルで、少しでも分配可能額を勉強していれば正解できます。おそらく問1には2点の配点がくると考えられます。問2~問4は各1点でしょう。

第3問は事業分離の問題で、問1は基本的な問題です。しかし、問2はかなり難易度が高い論点で、しかも問1がきちんとできていなければ正解するのが難しい構造になっています。

ただ、問2は確かに難しいのですが、日商簿記1級で過去に繰り返し出題された論点なので、しっかりと過去問対策をしていた人は得点できた可能性はあります。

「税理士受験生」は通常は日商簿記1級の過去問対策はしませんので、正解率は極めて低いでしょう。「会計士受験生」は重視する論点なので、過去問対策なしでもある程度は正解できると考えられます。

こういったことを踏まえると、問1の6か所が2点、問2の3か所が1点の配点になりそうです。

工業簿記の傾斜配点

工業簿記の配点は次のようなものになると考えられます。

  • 問1:4点
  • 問2:4点 
  • 問3:8点(各4点)
  • 問4:4点
  • 問5:5点(「月初有高」「当月受入または当月消費」「月末有高」「当月製造費用」「製品」の5に各1点)

問1が1か所、問2が1か所、問3が2か所、問4が1か所、問5が8か所で、合計13か所あります。問5の解答箇所が多いのですが、細かく分かれていることによるものなので、全ての解答欄に均等に2点ずつといった配点にはなりません。

また、問5が何を問われているのかよく分からない問題になっているので、そういった意味からも問5に大きな配点は与えられないはずです。

問題の難易度は非常に低いです。しかし、資料が多くて計算も大変なので無事に正解にたどりつける確率は難易度ほど高くありません。傾斜配点も大きくはかからないはずです。

おそらく、問1から問4まで各4点ずつ、問5の8か所のうち配点があるのは5か所という形になります。

問5の8か所のうち、「月初仕掛品」は問題文にそのまま書かれている金額であり、「月末仕掛品」は問4の解答そのままなので、ここに配点がくることはないでしょう。

仮に問題の難易度が高すぎて他の解答欄の正答率が著しく低かった場合、大量不合格を避けるため、ただ書き写すだけの解答欄に配点がくるケースもあります。配点がないだろうと思っても、必ず記入してください。

また、「当月受入」と「当月消費」は問題文に不備があるため、どちらかにしか配点がない可能性が高いです。

まとめると、「月初有高」「当月受入または当月消費」「月末有高」「当月製造費用」「製品」の5か所に各1点ずつの可能性が高いと言えます。

原価計算の傾斜配点

原価計算の配点は次のようなものになると考えられます。

  • 第1問:15点(1が3点、6が2点、他各1点)
  • 第2問:10点(各2点)

第1問が12か所、第2問が問1に2か所、問2に2か所、問3に1か所で、合計17か所あります。

問題の難易度は標準的なのですが、この問題には雪崩ポイントが2か所あります。

雪崩ポイントとは、その部分を間違えることで大量失点してしまうところです。試験問題に対して使っているのはおそらく私だけなので、他の方には通じないと思います。

雪崩ポイントは「直接標準原価計算で実際販売量を間違えたケース」と「複数製品のセールス・ミックスを丸ごと捨てたケース」です。

直接標準原価計算で実際販売量を間違えてしまった場合、第1問の3,5,7,8,11,12の6か所は確実に失点します。4,9,10は語句選択問題なので機転がきけば正解できる可能性もありますが、間違えてしまう可能性も高いです。

複数製品のセールス・ミックスを丸ごと捨てていた場合、第2問全て失点します。

複数製品のセールス・ミックスは簿記1級のかなり後半で勉強する内容なので、勉強が間に合わずに捨てた人はかなり多いと推測されます。

また、税理士受験生にとって原価計算は試験範囲外なので、捨てていた人はかなり多いはずです。そう考えると、複数製品のセールス・ミックスは問題自体は容易でしたが、正答率は低いと考えられます。

2つの雪崩ポイントを両方とも間違えてしまった場合は仕方ないとしても、どちらか1つ間違えてしまっただけで即不合格になるような配点にしてしまうと、原価計算での10点未満の人数が増えすぎてしまいます。

そう考えると、第2問の5か所は各2点にしかなりませんし、第1問の3,4,5,7,8,9,10,11,12の9か所は各1点でしょう。

この配点であっても直接標準原価計算で実際販売量を間違えると9点の失点、複数製品のセールス・ミックスを丸ごと捨てると10点の失点なので、決してダメージは小さくありません。

こういった問題の構造を考えると、通常の配点では10点未満の人がかなり出てしまいそうです。

10点未満の人を少しでも減らすため非常に解答しやすい「第1問の1(簿記2級レベル)に3点」「第1問の6(普通に考えて「値上げ」しか入らない)に2点」という形で傾斜配点がきそうです。

まとめると、配点は次のようになります。

  • 第1問:1が3点、6が2点、他1点。合計15点
  • 第2問:全て2点、合計10点

この配点であれば、複数製品のセールス・ミックスを丸ごと捨てた人でも第1問が完璧なら15点取れます。

直接標準原価計算で実際販売量を間違えてしまっても、複数製品のセールス・ミックスで4問取り、第1問の1を正解できれば即不合格は避けられます。

【超具体的】日商簿記1級167回本試験問題の解き方の流れ

ここでは本試験問題を実際にどのように解くべきか、私の答案作成をベースに超具体的に解説します。試験本番で苦戦している人はぜひ参考にしてください。

問題自体の解き方や解説は省略します。私がこれからお伝えする「解き方の流れ」で「得点すべき」と書いているにもかかわらず解けなかった問題はテキストに戻って復習してください。

過去問の解説は読まない方がいいです。過去問の解説は「その問題の解き方」が説明されているものなので、過去問の解説を読んでも簿記の実力はつかないからです。

過去問の解説は「自分に何が足りないのかを知るため」に利用し、その足りない部分を身につけるときにはテキストを使ってください。

商業簿記・会計学

90分の使い方の概要は次のとおりです。

  1. 解答開始と同時に試験問題全体を眺め、分量と出題論点を確認し、大雑把な時間配分を決める(1分)
  2. 会計学の第1問を解く(2分)
  3. 会計学の第2問を解く(5分)
  4. 会計学の第3問を解く(14分)
  5. 商業簿記の問1と問2を解く(39分)
  6. 商業簿記の問3を解く(13分)
  7. 飛ばしていた会計学第3問の問2に挑戦(6分)
  8. 解答総チェック(10分)

では早速、超具体的にお伝えします。

1.解答開始と同時に試験問題全体を眺め、分量と出題論点を確認し、大雑把な時間配分を決める(1分)

まず最初に商業簿記と会計学の全ての問題をざっと眺めます。読む必要はありません。把握すべきは「問題のおおまかな分量と予想解答時間」です。

過去問練習を十分にしておけば、分量と解答時間は想像がつくのですが、それでも今回だけ特別に異なる可能性はあります。

試験の性質上、商業簿記と会計学のどちらも最低10点取らなければいけませんので、時間配分のミスは致命傷になってしまいます。

最初に「問題のおおまかな分量と予想解答時間」を把握しておくことが大切です。

今回(167回)は商業簿記で「個別損益計算書」「連結貸借対照表(一部)」が出題されています。分量は普通からやや多めといったところです。

会計学では「語句補充」「分配可能額の計算」「1株あたり当期純利益」「事業分離」が出題されています。分量は通常通り、語句補充は短時間での解答が可能なので、時間も少なめで済みそうです。

ざっくりと「商業簿記:60分」「会計学30分」といった計画を立てます。問題文の熟読はまだしません。

ここまでを1分で行いました。

2.会計学の第1問を解く(2分)

会計学の第1問が語句補充問題なので、短時間での解答が可能です。最初に解いて勢いをつけようと考えました。よって会計学から解答していきます。

難易度は低めで、読みながら解答欄を埋めていける問題です。特に(5)は簿記2級レベルです。失点できません。

(1)から(4)は【簿記革命1級】で、(5)は【簿記革命2級】で学習しています。【簿記革命】できちんと勉強していれば、全ての問題を解答できます。

ここまでで3分です。

3.会計学の第2問を解く(5分)

そのまま会計学の第2問を解いていきます。

会計学第2問の問1を解く(1分)

問1で「のれん等調整額」が問われています。きちんと学習していれば数秒で解ける問題です。問題文から必要な金額である「のれん」と「繰延資産」を拾い読みして解答します。

会計学第2問の問2を解く(3分)

問2で分配可能額が問われています。分配可能額をきちんと学習していれば、手順に従って計算していくことで解くことができます。計算ミスに気をつけながら解答します。

分配可能額はマイナー論点ですが、勉強していないとどんなに簡単な問題であっても解答できません。

また、「純粋な簿記1級受験生」は捨てる人が多いですが、「税理士受験生」「会計士受験生」ともにしっかりと学習してくるため、傾斜配点で配点が小さくなる確率は低いです。こういった事情から、【簿記革命1級】では詳しく学習します。

【簿記革命1級】できちんと勉強していれば、問1と問2は問題なく解答できます。

会計学第2問の問3を解く(1分)

問3では「1株あたり当期純利益」が問われています。この問題は学習していなくても何とか解答可能です。

正解するためには次の3つに気づく必要があります。

  • 当期純利益を株式数で割るということ:「1株あたり当期純利益」という言葉から容易に想像がつきます。
  • 株式数は期首と期末の平均を使うということ:利益は年間を通して発生するので、株式数も年間の平均を使いたい。365日を平均するのは現実的ではないので、期首と期末の平均を使っている。このように考えることができれば大丈夫です。
  • 自己株式は株式数から除外するということ:自己株式は資本の払い戻しなので、除外すると考えるのが自然です。

この3つに気づくことができれば解答できます。

私は解きましたが、解けなくても十分に合格できます。この3つに気づけなくても全く心配いりません。ただ、今後もう一度出題されたら、そのときには解きたい問題です。

会計学第2問の問4は解かない(0分)

設問文を読んで、すぐに捨てます。「1株あたり当期純利益」を勉強していなければ「潜在株式調整後」という言葉の意味も分かりませんし、たとえ学習していたとしても解答は容易ではありません。

私も解こうと思えば解けたかもしれませんが、解く必要はないと判断し、設問を読み終えてすぐに捨てました。

【簿記革命1級】では「1株あたり当期純利益」は取り扱っていません。「1株あたり当期純利益」は仮に出題されても配点は少なく、合否に影響はないと考えてのことです。問3が解ければベストですが、間違えてしまっても全く心配いりません。

4.会計学の第3問を解く(14分)

ここまでで8分です。いいペースです。引き続き会計学の第3問を解いていきます。

問題全体の把握(3分)

第3問は事業分離の問題です。まず問1と問2の設問文を読み、何が問われているのか確認します。問1で個別財務諸表の各金額、問2で連結財務諸表の各金額を求めなければならないと確認できます。

個別財務諸表ができなければ連結財務諸表はできないので、問2は捨てることも想定しました。その上で、問題文全体を重要な用語や金額にしるしをつけながらあわてずに読んでいきます

問題文を読むときにはあせってはいけません。あせって読んでもじっくり読んでも、かかる時間は1分程度しか違いません。時間よりも見落としや読み間違いを気にすべきです。

資料1を読み、資料2を眺めるのに3分かかりました。

資料3をもとにA事業分離の仕訳を切る(3分)

じっくりと問題文を読みながら解答していきます。問題自体は基本的なので、ミスに気をつけてあわてずに解答します。

事業分離の個別会計での処理は【簿記革命1級】でも詳しく勉強します。【簿記革命1級】で学習していれば容易に解答できる問題です。

資料4をもとにB事業分離の仕訳を切る(3分)

A事業分離と同様にじっくりと問題文を読みながら解答していきます。問題自体は基本的なので、ミスに気をつけてあわてずに解答します。

A事業分離と同じく、【簿記革命1級】で学習していれば容易に解答できる問題です。

問1の解答欄を記入する(1分)

ここまでの仕訳から求まった金額を解答欄に記入します。

試算表加工型で解いていれば、集計は容易です。仕訳型だった場合は集計漏れがないように気をつけて解答欄に記入してください。

「試算表加工型」「仕訳型」については「残高試算表(合計残高試算表)の3つの解き方とコツ」で詳しく解説しています。

問2に挑戦する(4分)

ここまでで18分が経過しています。会計学はあとこの問題だけなので、時間的には余裕があります。問2は難易度が高めの問題ですが、少しだけ挑戦しました。

4分考えたのですが、難しそうだったので、いったん飛ばしました。

事業分離の連結会計での処理は【簿記革命1級】では取り扱っていません。もちろん合否に影響はないと考えてのことです(実際にも影響ありません)。すぐに捨てて構いません。

ここまでで22分が経過しています。予定より早いですが、商業簿記に移ります。おそらく20点くらいは取れているだろうという手ごたえは感じています。

5.商業簿記の問1と問2を解く(39分)

問題全体の把握(3分)

次は商業簿記です。まずは設問分を読み、何を問われているのかを確認します。

資料2と資料3はまだ読みません。

問1で個別損益計算書、問2で(おそらく減損会計での)使用価値、問3で連結会計での金額の一部が問われていることが確認できます。

問2は問1を解いている途中で自然に求まりそうだということ、問3は問1が解けていなければ解けない問題が多そうだから、捨てる問題も多めにありそうだと想定して解き始めます。

問1と問2の各設問の解答(36分)

資料2を見ながら解きやすそうなものから解いていきます。私の場合、1から順番に読みながら「10秒以内に仕訳の道筋が頭に浮かぶ問題」かつ「計算がシンプルそうな問題」と思ったら解き、そうでなければ後回しにします。

結果、解答順は「2→4→6→9→10→5→7→8→1→3」となりました。

貸倒引当金は売掛金などの金額が変わると変わるので後回しにしないと二度手間になります(簿記2級までで経験済みのはずです)。それ以外は解く順番は自由で構いません。

個別の設問で何分かかったかはメモできていないので分かりません。解答に集中しすぎてしまいました。

仕訳終了後、集計しながら問1の解答欄を埋めていきます。

問2は設問4の解答途中で記入しています。

【簿記革命1級】できちんと勉強していれば完全解答が狙えます。ただ、2問程度ミスしても合格ラインを下回ることはないでしょう。

この時点で試験開始から57分が経過していました。

6.商業簿記の問3を解く(13分)

次に問3を解いていきます。問3は基本的な問題で、簿記2級レベルと言ってもいいかもしれません。

取得関連費用の処理だけがやや細かい部分です。推測は十分に可能ですが、仮に「取得関連費用の処理」を間違えてしまっても影響するのは「のれん」だけなので合否に影響はありません

ただ、問題は基本的なのですが、問3の解答欄は問1の解答の影響を受けるので、簡単に得点できるわけではありません。ていねいに解いていく必要があります。

問1の影響を受けている解答欄に関しては、該当する問1の処理が間違えていないか確認してから記入します。

確実に捨てるのは「利益剰余金」です。この解答欄は問1の処理が完璧でなければ正解できません。解く時間がもったいないです。

「その他の包括利益」は言葉の意味さえ知っておけば、計算は容易です。とはいえ、計算問題の対策をしていなかった場合、間違えてしまうかもしれませんが、間違えてしまっても合否に影響はありません。

【簿記革命1級】で勉強していれば、「利益剰余金」と「その他の包括利益」以外は解答できます。「非支配株主」は少し難しいので失点しても構いません。

問題自体は難しくないのですが、問1のミスが影響してきますので、全てミスなく解答するのは容易ではありません。計算ミスを普段から徹底して減らしておくことが大切です。

この時点で74分が経過しています。あと16分を残して解答を全て終えました。

7.飛ばしていた会計学第3問の問2に挑戦(6分)

時間に余裕があるので、いったん飛ばしていた会計学第3問の問2に挑戦しました。6分間考えたのですが解答できず、残り10分になった時点で完全に捨てることを決めました。

前もって対策していた人以外はすぐに捨てるべき問題です。私は挑戦しましたが、この6分も解答用紙の総チェックにあてる方が賢いです。

8.解答総チェック(10分)

残りの10分で解答の総チェックをします。途中で確認を入れながら解いていますし、ミスはまずないだろうとは思うのですが、念には念を入れて確認しました。

特に、1つのミスが複数の解答欄に影響するようなところは念入りに確認することが大切です。

具体的には、商業簿記の「1.カスタマー・ロイヤルティ・プログラム」「2.売価還元法」「4.減損会計」などです。もちろん時間が許す限り他の部分も確認します。

これで時間終了です。

結果

私が推測した配点での結果は次のとおりです。

  • 会計学:21点/25点
  • 第1問:5点/5点
  • 第2問:4点/5点(問4が捨問)
  • 第3問:12点/15点(問2の3か所が捨問)
  • 商業簿記:24点/25点
  • 問1:15点/15点
  • 問2:1点/1点
  • 問3:8点/9点(問3の「利益剰余金」が捨問)

商業簿記と会計学の合計で45点となりました。9割得点できたので、おおむね満足のいく結果です。

自宅でゆったりとした気持ちで解いているので、試験本番よりも点数は高くなっているはずです。試験本番の緊張感の中では商業簿記と会計学の合計で40点くらいになると思います。

【簿記革命1級】の受講生の方が準備万端で解いた場合、ミスがなければ次のようになります。

  • 会計学:20点/25点
  • 第1問:5点/5点
  • 第2問:3点/5点(問3と問4が捨問)
  • 第3問:12点/15点(問2の3か所が捨問)
  • 商業簿記:21点/25点
  • 問1:15点/15点
  • 問2:1点/1点
  • 問3:5点/9点(問3の「利益剰余金」「その他の包括利益」が捨問、「のれん」「非支配株主持分」で失点)

【簿記革命1級】の受講生の方が準備万端で解いた場合、商業簿記と会計学の合計で41点取ることができています。8割以上得点できているので、工業簿記と原価計算で大きなミスをしない限り合格できる得点です。

実際には、ノーミスというわけには行きませんが、商業簿記と会計学あわせて6点までの失点なら合格圏内です。1か所のミスが複数の解答欄に影響するものもありますが、3か所程度のミスなら合格圏内に入ります

工業簿記・原価計算

90分の使い方の概要は次のとおりです。

  1. 解答開始と同時に試験問題全体を眺め、分量と出題論点を確認し、大雑把な時間配分を決める(1分)
  2. 工業簿記を解く(28分)
  3. 原価計算の第2問を解く(26分)
  4. 原価計算の第1問を解く(20分)
  5. 解答総チェック(15分)

では早速、超具体的にお伝えします。

1.解答開始と同時に試験問題全体を眺め、分量と出題論点を確認し、大雑把な時間配分を決める(1分)

まず最初に工業簿記と原価計算の全ての問題をざっと眺めます。読まなくて構いません。把握すべきは「問題のおおまかな分量と予想解答時間」です。

過去問練習を十分にしておけば分量と解答時間は想像がつくのですが、それでも今回だけ特別に異なる可能性はあります。

試験の性質上、工業簿記と原価計算のどちらも最低10点取らなければいけませんので、時間配分のミスは致命傷になりかねません。

最初に「問題のおおまかな分量と解答時間」を把握しておくことが大切です。

今回(167回)は工業簿記で「工程別組別総合原価計算」が出題されています。資料が多くて複雑で、難易度はともかく作業量は非常に多くなりそうだと感じました。

原価計算では「直接標準原価計算」「複数製品のセールス・ミックス」が出題されています。「複数製品のセールス・ミックス」は問題文の分量の割に時間がかかるので、原価計算にもそれなりに時間がかかりそうだと考えました。

ざっくりと「工業簿記:45分」「原価計算:45分」といった計画を立てます。工業簿記を45分で完答できるとは思えませんが、45分たったら残りは解かずに原価計算に移ることを意識しました。

問題文の熟読はまだしません。

ここまでで1分です。

2.工業簿記を解く(28分)

計算条件を熟読し、解答の方針を立てる(1分)

工業簿記の方が解きやすそうだと判断したので工業簿記から解いていきます。重要な指示や数値にしるしをつけながら問題文を読んでいきます。

工程別総合原価計算の勘定連絡図を意識しながら読んでいきます。

問1を解く(4分)

問1の当月材料出庫高を計算します。材料の情報は「材料元帳」に月初有高と当月受入が、「出庫表一覧」に当月払出が集計されているので、問題文の指示を守りながら計算します。

私は材料のボックス図を4つ描いて解答しました。

内容的には簿記2級レベルです。【簿記革命2級】できちんと勉強していれば解答できます。

問2を解く(3分)

間接作業賃金と手待賃金は「作業日報要約表」に集計されています。また、「計算条件」に実際平均消費賃率が書かれています。これらを使って計算します。

ここでは図は何も使っていません。電卓だけで求めました。

内容的には簿記2級レベルです。【簿記革命2級】できちんと勉強していれば解答できます。

問3を解く(8分)

問3を解いていきます。補助材料費を逆算により求めると問題文にあるので、「製造間接費実際発生額(5月)」の表を使って解いていきます。

問2で求めた解答を使うので、ここで問2で求めた数値を一度計算しなおして正しいかどうか確認します。

仮に問2が間違っていたら、絶対に問3は正解できません。自分で求めた数字を使う場合は、一度立ち止まってもう一度計算して確認することが大切です。

内容的には簿記2級レベルです。【簿記革命2級】できちんと勉強していれば解答できます。

問4を解く(5分)

月末仕掛品原価を計算します。問1で作った材料のボックス図から直接材料費を、作業日報要約表から直接労務費を、製造実績から製造間接費を集計して解答します。

問1で求めた解答を使うので、ここで問1で求めた数値を一度計算しなおして正しいかどうか確認します。

仮に問1が間違っていたら、絶対に問4は正解できません。自分で求めた数字を使う場合は、一度立ち止まってもう一度計算して確認することが大切です。

内容的には簿記2級レベルです。【簿記革命2級】できちんと勉強していれば解答できます。

問5を解く(7分)

問4まで解いて、ここまで21分しかかかっていません。資料の複雑さの割にスムーズに解ける問題でした。

このままの勢いで問5を解こうと思ったのですが、問5の「統制勘定としての」の部分がよく分かりません。直接材料費だけではなく間接材料費も含んでいるということはなんとなく分かるのですが、具体的に何を統制しているのかが分かりません。

何を統制しているのか分からなかったのは私だけではないようで、各簿記学校の解答が分かれています。私の勉強不足ではなかったので、正直ほっとしています。

しばらく考えたのですが結論が出ず、計算も大変そうだったので、直接材料費しか存在しない「月初有高」「月末有高」と、すぐに分かる「月初仕掛品(「計算条件」の5にそのまま書かれている)」「月末仕掛品(問4と同じ)」だけ記入して原価計算に移りました。

「月初有高」「月末有高」「月初仕掛品」「月末仕掛品」の4つだけなら3分ほどで解答できています。これ以外の解答欄に4分ほど挑戦したのですが、この挑戦は不要でした。すぐに原価計算に移るべきところです。

3.原価計算の第2問を解く(26分)

ここまでで28分経過しています。工業簿記では20点くらいは得点できていると感じていたので、かなり精神的に余裕がありました。

第1問が「直接標準原価計算」、第2問が「複数製品のセールス・ミックス」でしたが、私は「複数製品のセールス・ミックス」の方が得意なので、第2問から解くことにしました。

問1から解いても全く問題ありません。完全に好みの問題です。

全体確認(1分)

まずは全体確認をします。重要な指示や数値にしるしをつけながら問題文を熟読します。

問1を解く(13分)

最適セールス・ミックスを求めます。オーソドックスな問題で、丁寧にグラフを描いて求めました。時間に余裕があるので、特にていねいに計算して解答しました。

グラフは大きく描くのがコツです。私はおおむね10cm×10cmくらいの大きさで描いています。

問2を解く(8分)

問1から少しだけ条件が変わった問題です。問1のグラフを再利用するか迷いましたが、時間に余裕があるので、もう一つグラフを描いて解きました。

最適セールス・ミックスは複数製品の場合も含めて【簿記革命1級】で詳しく学習しています。【簿記革命1級】できちんと勉強していれば問題なく解答できます。

問3を解く(4分)

やや数学的なセンスが要求される問題です。直接的には【簿記革命1級】では取り扱っていませんが、数学が得意な方は解答可能な問題です。数学が苦手な人は捨問にしても全く問題ありません。

4.原価計算の第1問を解く(20分)

この時点で54分経過しています。時間的にはかなり余裕があります。

全体確認(2分)

まず全体を確認します。重要な指示や数値にしるしをつけながら問題文を熟読します。

問1を解く(2分)

問1は簿記2級レベルの問題です。絶対に失点できません。ていねいに解答します。

問2~問5を解く(10分)

この問題は実際販売量を自分で求めなければならない問題です。実際販売量を求めるのにやや時間がかかりましたが、何とか10分で解答できました。

実際販売量を自分で計算するところが厄介です。問題文にある数字を何となく組み合わせるような勉強をしてきた人にとっては厳しい問題でした。きちんと理解していなければ得点できない良問です。

【簿記革命1級】できちんと勉強していれば、全く問題なく解答できます。

問6を解く(1分)

問2に「販売価格差異」が入ることが分かっていれば、問6には値上げ以外入りません。数秒で解答できます。

問7・問8を解く(2分)

変動費変動予算差異を売上原価部分と販売費部分に分ける問題です。特に難しいところはなく解答できます。

問9から問12を解く(4分)

市場総需要量差異と市場占有率差異に分析する問題です。特に難しいところはなく解答できます。

オーソドックスな直接標準原価計算の問題です。【簿記革命1級】できちんと勉強していれば、完答できます。

5.解答総チェック(15分)

ここまでで75分経過しています。残り15分で最終確認をしていきます。セールスミックスの配点が大きいと予想して、特に重点的に確認します。

実際販売量の計算については、自分で求めた販売価格差異が問題文に書かれている91,000という数値と一致していたので、ミスはしていないと判断して軽めに確認しました。

工業簿記の問5を解くことはせず、捨てています。

これで時間終了です。

結果

私が推測した配点での結果は次のとおりです。

  • 工業簿記:22点/25点
  • 問1:4点/4点
  • 問2:4点/4点
  • 問3:8点/8点
  • 問4:4点/4点
  • 問5:2点/5点(「当月受入or当月消費」「当月製造費用」「製品」が捨問)
  • 原価計算:25点/25点
  • 第1問:15点/15点
  • 第2問:10点/10点

工業簿記と原価計算の合計で47点となりました。問題に不備があったことを考えると、ほぼ完ぺきな結果でした(運がよかったです)。

自宅でゆったりとした気持ちで解いているので、試験本番よりも点数は高くなっているはずです。試験本番の緊張感の中では40点台前半くらいになると思います。

【簿記革命1級】の受講生の方が準備万端で解いた場合、ミスがなければ次のようになります。

工業簿記:22点/25点
問1:4点/4点
問2:4点/4点
問3:8点/8点
問4:4点/4点
問5:2点/5点(「当月受入or当月消費」「当月製造費用」「製品」が捨問)

原価計算:23点/25点
第1問:15点/15点
第2問:8点/10点(問3で失点)

【簿記革命1級】の受講生の方が準備万端で解いた場合、工業簿記と原価計算の合計で45点取ることができています。9割得点できているので、商業簿記と会計学で大きなミスをしない限り合格できる得点です。

実際には、ノーミスというわけには行きませんが、工業簿記と原価計算あわせて10点までの失点なら許されます。原価計算の第2問が全滅したり、第1問で実際販売量の計算を間違えていたりしなければ、合格圏内に十分入ります。

試験中に完璧に立ち回ろうとしないでください。完璧に立ち回ろうとすると、必要以上に緊張してしまいます。

私の「解答の流れ」を読めばわかるとおり、私も試験中の立ち回りには失敗しています。会計学では第3問の問2で10分も無駄に使ったにもかかわらず解答できていませんし、工業簿記でも問5で7分失っています。

それでも、問題文は熟読し、自分で求めた数値を使うときには確認しながら解き進めています。

これだけ時間をぜいたくに使ったにもかかわらず、商業簿記・会計学で10分、工業簿記・原価計算で15分残っているのです。得点も92点です(自宅で解いているので好条件ですが)。

実は時間を最も使うのは「迷い」です。自覚がないので気づきにくいですが、迷っているときに大量の時間を使っています。

基本的な部分をしっかりと理解して迷わないようにしておき、捨問をすぐに捨てれば、試験中の立ち回りを失敗しても時間に追われる心配はありません。

日商簿記1級に合格するために普段から心がけるべき勉強のスタンス

日商簿記1級で合格点を取るためには、次の3つを意識して勉強することが大切です。

  • 大問が作られるような大きな論点を丸ごと捨てないこと
  • 普段から計算ミスを徹底的に減らしておくこと
  • 基本的な論点をきちんと理解して身につけておくこと

大問が作られるような大きな論点を丸ごと捨てないこと

167回の試験では、「複数製品のセールス・ミックス」を丸ごと捨てていた人にとっては厳しい試験になりました。逆に「1株当たり当期純利益」や「分配可能額」を丸ごと捨てて合格は十分に可能でした。

違いは「どれだけ大きな問題が作られるのか」にあります。

「複数製品のセールス・ミックス」はそれだけで大問を作ることができる論点です。10点以上の配点がある問題になることも普通にあります。

逆に「1株当たり当期純利益」や「分配可能額」で大問を1つ作るのはほぼ不可能です。出題するにしても小問を2~3題出題するくらいです。配点も大きくても5点、通常は2~3点です。

枝葉末節の論点を捨てるのはありですし、【簿記革命1級】でも「1株当たり当期純利益」は取り扱っていません。

しかし、大問が作られる可能性がある論点を丸ごと捨てるのはまずいです。捨てた論点が4科目のうち1科目でも出題されると、それだけで不合格になってしまいます。

大問が作られるような大きな論点を丸ごと捨てないことが大切です。

普段から計算ミスを徹底的に減らしておくこと

これまで見てきた通り、日商簿記1級であっても重要な論点をきちんと理解して身につけていれば合格はもちろん、80点以上の得点も十分可能です。

【簿記革命1級】で学習した場合、仮にミスがなければ86点獲得できます。毎回このレベルでの高得点が狙えるわけではありませんが、80点くらいであれば毎回狙えます。

しかし、計算ミスをしてしまうと、特に他の解答欄に影響するところで計算ミスをしてしまうと、一気に点数を落とします

仮に工業簿記の問1を間違えてしまった場合、問4も問5の月初有高、月末有高も失点します。一気に10点の失点です。

同様に工業簿記の問2を間違えてしまった場合、問3も間違えます。一気に8点の失点です。

原価計算も実際販売量の計算を間違えてしまうと、第1問の3,4,5,7,8,9,10,11,12の9か所を間違えてしまい、一気に9点失点します。

他にも商業簿記の問1(カスタマー・ロイヤルティ・プログラム)の仕訳を間違えると、「支払手数料」「売上」「貸倒引当金繰入額」「問3の売上高」を間違えてしまい、一気に4点失点します(全て1点だった場合)。

実力があるにも関わらず不合格になってしまう原因の多くは、こういった「連鎖的な失点」にあるのです。連鎖的な失点さえしなければ、基本事項を完璧に身につけておくだけで70点は余裕で届きます。

連鎖的な失点をしないため、「普段の勉強からミスを徹底的に減らしておくこと」「試験中もあわてて解くのではなく、じっくりと基本問題を解き、難問はすぐに捨てること」が大切です。

関連記事

試験本番でミスを減らすためには普段からミスノートを作っておくことが効果的です。ミスノートの作り方や使い方については「【簿記の勉強法】ノートの作り方【ルーズリーフがおすすめ】」で詳しく解説しています。

基本的な論点をきちんと理解して身につけておくこと

これまで何度もお伝えしてきましたが、本当に重要なのでもう一度お伝えします。

「基本的な論点をきちんと理解して身につけておくこと」「考え方を理解しておくこと」が大切です。

暗記の勉強では少し変えられただけで解けなくなってしまいます。167回の試験であれば、「原価計算の実際販売量の計算」「工業簿記の複雑な資料」などで対応できなくなってしまいます。

これらに対応できなければ不合格になってしまい可能性が高い。暗記の勉強では合格は難しいのです。

基本的な論点をきちんと理解し、ミスを減らしておけば日商簿記1級であっても合格できます。

こういった意識で勉強されてください。

日商簿記1級の合格を目指している方に【簿記革命1級】の受講をおすすめします。【簿記革命1級】を受講すれば簿記1級の内容を楽しみながら理解することができ、もちろん試験にも合格できます。

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コメント

  1. こーた より:

    こんにちは。167回簿記1級を受けましたが会計学で記入ミスがなければ語句問題4つ、事業分離個別は完答です。商15から16工業23か25原23でした。会計学で一株、分配、連結ができなかったのでケアレスミス、配点次第で足切りがあり得るのでめちゃくちゃ不安です。また、私の地域は8月2日に合格発表です。

  2. こーた より:

    167回簿記1級を受験してきた者です。
    会計学は記入ミスがなければ語句4問、事業分離個別完答、他は❌でした。一株、分配、事業分離連結に2点配点がいってしまいかつ記入ミスがあると足切りがあり得てしまうという状況です。
    他の3科目は
    商15から16
    工23or25
    原23という出来でした。
    私の地域は8月2日が合格発表です。ものすごく不安です。

    • 平野 より:

      コメントありがとうございます。試験お疲れさまでした。返信遅くなってしまい申し訳ありません。

      会計学以外は安心ですね。特に工業簿記と原価計算は素晴らしいです。しっかりと正しい努力をされていると感じました。

      こーたさんは合格に十分な実力があります。そのこーたさんが解けなかった問題は、他の受験生も難しいです。語句問題4つと事業分離個別がしっかりとできていれば10点には確実に届きます。記入ミスがあれば足切りの可能性は確かにありますが、工業簿記と原価計算で23点取れる人が会計学でたくさん記入ミスをしてしまうことはまずありません。

      気持ちを楽に持って合格発表を待たれてください。ゆっくりと心と体を休めてください。

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