経理への転職に有利な資格3選+1【失敗しない】

経理転職への道
経理に転職したい人
経理に転職したい人

経理の実務経験はないけれど、経理の仕事したいな。経理の仕事に転職するにはどんな資格を持っていたらいいんだろう。その資格を取るために必要なお金や時間はどれくらいだろう。具体的にはどういうステップで行動したらいいのかな。

こういった疑問に答えます。

ちなみに、この記事を書いている私は日商簿記に合格するための通信講座を2012年から運営し、これまでに数百人の合格者を送り出しています。その結果、得られた転職への成功例もたくさんお聞きしています。

また、私は経営者でもありますので、採用する側の考え方もよく分かっています。こういった私が解説していくので、信頼性の高い情報だと思います。

経理への転職に有利な資格3選+1

経理へ転職するのに有利な資格について説明します。なお、「税理士」「公認会計士」のような明らかにオーバースペックなものについては含んでいません。

結論:日商簿記検定1択です

簿記・会計系の資格の中でダントツの知名度を誇るのが日商簿記検定です。5つの級に分かれていますが、取得する価値があるのは次の3つです。

  • 日商簿記3級:経理へ転職するにはほぼ必須
  • 日商簿記2級:経理へ転職する場合に非常に有利
  • 日商簿記1級:経理へ転職するにはややオーバースペック(経理から経理の転職の場合は除く。詳細は以下)

日商簿記3級

経理に転職するのであれば、日商簿記3級はほぼ必須です。

日商簿記3級を持っていないと「簿記の能力が全くない」または「簿記に対するやる気や興味がない」という印象をもたれてしまうからです。それくらい日商簿記3級の取得は経理の仕事をするなら最低限必要です。

実際、私の周りで日商簿記3級を持たずに経理に転職した人は一人もいません。

抜群の実務経験があれば、日商簿記3級を持たずとも経理に転職できるかもしれませんが、そういう実務経験がある人はまず間違いなく日商簿記3級(たいていは日商簿記2級)を持っています。

というわけで、日商簿記3級は必須です。

日商簿記2級

日商簿記2級があるとさらに有利です。日商簿記2級は経理系の資格としては圧倒的に知名度が高いからです。

日商簿記1級の方がさらに有利なんじゃないの?と思う人もいるかもしれませんが、一般的な中小企業の経理では日商簿記1級を必要とすることはほとんどありません。

日商簿記1級を持っていて損ということはありませんが、日商簿記1級は日商簿記2級よりも取得する難易度が圧倒的に高いのでコスパが悪いです。

日商簿記2級があれば資格としては十分で、実務経験がなくても経理に転職できる可能性が高まります。

実際、私の友人で日商簿記2級を保有している30代の男性が未経験から経理に転職しました。

圧倒的な実務経験があってわざわざ日商簿記2級を取得する必要がないというのでない限り日商簿記2級は持っておくべきです。

日商簿記1級

先ほどもお伝えしましたが、日商簿記1級になると、たいていの場合はオーバースペックになります。ときどき日商簿記1級合格を応募要件に掲げる企業はありますが、数は少ないです。

中小企業では日商簿記1級の内容を実務で使うことはあまりないからです。

大企業は日商簿記1級の内容を実務で使うことが多いですが、未経験から大企業の経理に転職するのは日商簿記1級に合格していたとしても非常に難しいです。なので日商簿記1級が経理への転職に役立つとは言いがたいです。

逆に言うと、新卒就職で大企業の経理課に配属されたい場合や、経理の実務経験がある人が大企業の経理課に転職したい場合は日商簿記1級は非常に有効です。

おまけ:FASS検定(経理・財務スキル検定)

近年存在感を増してきた経理系の資格に「FASS検定」があります。日商簿記検定はどちらかというと理論よりの試験であるのに対し、FASS検定は実務よりの試験です。

そのため、実務経験が少ない人が転職するときには評価されると期待されています。しかし、実際は転職に有利なのは圧倒的に日商簿記検定です。

にも関わらずFASS検定を有利な資格として選んだのは、2016年から「FASS人材バンク」が始まったからです。FASS人材バンクはFASS検定を主催している「日本CFO協会」と転職エージェントが組んで転職支援をするというもので、転職のサポートが期待されています。

このFASS人材バンクの転職支援に期待したいところですが、実際はそれほど効果は期待できません。実際に採用するのは企業であって転職エージェントではないからです。

実際、「日商簿記を持っていないけれどFASS検定でレベルA(FASSの中では最高)で実務経験なし」の方が転職できた事例を聞いたことがありません。

そういった意味からもFASS検定は日商簿記2級に合格した上で、さらに取得しておくとやや有利になるくらいの資格だと言えます。

選外となった資格とその理由

ちなみに、次の資格はほとんど評価されないため選外としました。

  • 全経簿記能力検定(通称:全経簿記):完全に日商簿記検定の下位互換なため。
  • 全国商業高等学校協会主催簿記実務検定(通称:全商簿記):完全に日商簿記検定の下位互換なため。
  • 日商簿記初級:日商簿記3級の下位互換なため
  • 日商原価計算初級:日商簿記3級の下位互換なため
  • 簿記能力検定試験(通称:日ビ簿記):完全に日商簿記検定の下位互換なため
  • ビジネス会計検定:経理課の仕事内容と異なるため
  • 米国公認会計士(USCPA):転職目的ではなく転職後のスキルアップ目的(外資系や海外勤務限定)ならあり
  • 国際会計検定(BATIC):転職目的ではなく転職後のスキルアップ目的(外資系や海外勤務限定)ならあり
  • 電子会計実務検定:資格で評価することがないため
  • 給与計算実務能力検定:知名度が低いため
  • 経理事務パスポート検定(PASS):知名度が低いため
  • IFRS検定:知名度が低いため
  • 法人税法能力検定:知名度が低いため

私が経理として人を採用する場合、これらの資格が履歴書に書いてあっても特に判断に影響はありません。おそらくほとんどの会社がそうだと思います。

それぞれの資格の受験料・勉強時間・取得にかかる費用

日商簿記3級

日商簿記3級の受験料

2,850円(税込)

日商簿記3級の合格に必要な勉強時間

日商簿記3級に合格するための勉強時間であれば100時間あれば大丈夫です。しかし、日商簿記3級にギリギリ合格できる実力では日商簿記2級にスムーズに合格することは難しいです。

日商簿記2級にスムーズに合格できる実力をつけるのであれば、150時間程度の勉強時間(学習期間:2~3ヶ月)が必要になります。

※この勉強時間は弊社が運営している簿記検定講座「簿記革命3級」での話です。勉強時間の詳しい内訳については日商簿記3級の合格に必要な勉強時間とその勉強時間で合格する方法をご覧ください。

日商簿記3級の取得にかかる費用

取得にかかる費用は学習スタイルによって異なります。概ね次のようになります。

  • 独学:市販のテキスト+問題集+過去問代(5,000円程度)
  • 通信:各社の通信講座受講料+過去問代(20,000円~40,000円)
  • 通学:各社の通学講座受講料+過去問代+交通費(20,000円~40,000円+交通費)

日商簿記2級

日商簿記2級の受験料

4,720円(税込)

日商簿記2級の合格に必要な勉強時間

日商簿記3級の内容をどれだけしっかりと身につけているかによっても勉強時間は変わってきますが、仮にしっかりと身につけていた場合、160時間程度で合格できます。

しかし、日商簿記2級にギリギリ合格できる実力では面接のときに実力不足がばれてしまいます。しっかりと面接で簿記の実力をアピールするためにはしっかりと日商簿記2級の実力をつけて合格する必要があります。

日商簿記2級の実力をしっかりとつけるのであれば、220時間~230時間の勉強時間(学習期間:3~4ヶ月)が必要になります。

※この勉強時間は弊社が運営している簿記検定講座「簿記革命2級」での話です。勉強時間の詳しい内訳については日商簿記2級の合格に必要な勉強時間とその勉強時間で合格する方法をご覧ください。

日商簿記2級の取得にかかる費用

取得にかかる費用は学習スタイルによって異なります。概ね次のようになります。

  • 独学:市販のテキスト+問題集+過去問代(9,000円程度)
  • 通信:各社の通信講座受講料+過去問代(70,000円~80,000円)
  • 通学:各社の通学講座受講料+過去問代+交通費(90,000円~100,000円+交通費)

日商簿記1級

日商簿記1級の受験料

7,850円(税込)

日商簿記1級の合格に必要な勉強時間

日商簿記2級の内容をどれだけしっかりと身につけているかによっても勉強時間は変わってきますが、仮に日商簿記2級の内容をしっかりと身につけていた場合、540時間程度で合格できます(学習期間:9~10ヶ月)。

※この勉強時間は弊社が運営している簿記検定講座「簿記革命1級」での話です。勉強時間の詳しい内訳については日商簿記1級の合格に必要な勉強時間とその勉強時間で合格する方法をご覧ください。

日商簿記1級の取得にかかる費用

取得にかかる費用は学習スタイルによって異なります。概ね次のようになります。

  • 独学:市販のテキスト+問題集+過去問代(25,000円程度)
  • 通信:各社の通信講座受講料+過去問代(150,000円~250,000円)
  • 通学:各社の通学講座受講料+過去問代+交通費(150,000円~250,000円+交通費)

FASS検定

FASS検定の受験料

7,700円(税込)。ただし、3名以上で受験する必要があります。

FASS検定でレベルAを取得するのに必要な勉強時間

日商簿記2級に合格できる実力があれば、基礎的な知識は十分です。問題集を1冊程度勉強しておけば最高ランクであるレベルAを取ることができます。

勉強時間としては10時間程度で十分です。

FASS検定でレベルAを取得するのにかかる費用

取得にかかる費用は問題集代、2,000円程度です。日商簿記3級の力がない場合はもっとかかりますが、日商簿記に合格せずにFASS検定だけ合格しても意味がないので、このケースは省略します。

経理へ転職する際の具体的な資格取得のステップ

これまでの内容をもとに最も効率的に資格を取得していく方法についてお伝えします。

  1. 日商簿記3級を完璧に身につけて合格する
  2. 日商簿記2級を完璧に近い形で身につけて合格する
  3. 資金と時間に余裕があればFASS検定(レベルA)も合格しておく
  4. (転職後)実務経験を積み、大企業の経理職に転職したくなったら日商簿記1級を取得する

日商簿記3級を完璧に身につけて合格する

まずは日商簿記3級に合格することがスタートラインです。目指すのは日商簿記2級の合格なので、日商簿記3級にギリギリ合格するのではなく、完璧に使い形で日商簿記3級を身につけます。

完璧に身についたかどうかの目安は「制限時間の半分以内に95%正解できたか」です。過去数回分の平均がこの基準を満たしていればとりあえず完璧に身についていると考えて大丈夫です。

日商簿記2級を完璧に近い形で身につけて合格する

次に日商簿記2級を完璧に近い形で身につけます。日商簿記1級の合格はこの時点では考えないので、そこまで高得点で合格する必要はありません。

ただし、丸暗記などの勉強法で何とか合格点を取っただけの場合、たとえ合格していても面接ですぐに理解不足がばれてしまいます。日商簿記2級の合格をしっかりと意味のある合格にするためにもきちんと簿記の実力を身につける形で合格する必要があります。

資金と時間に余裕があればFASS検定(レベルA)も合格しておく

FASS検定はそれほど効果は高くありません。ですが経理に転職希望の人はかなりの割合が日商簿記2級に合格しているので、日商簿記2級だけだとあまり目立ちません。多少目立つためにもFASS検定のレベルAを取得しておくといいと思います。

(転職後)実務経験を積み、大企業の経理職に転職したくなったら日商簿記1級を取得する

これは転職した後の話です。未経験から経理に転職できるのは99%が中小企業です。大企業は未経験者は新卒でしか採用しない場合が非常に多く、中途採用では実務経験が豊富な場合に限られるからです。

経理という仕事は成果があまり目立たないので、中小企業ではなかなかキャリアアップが図れません。キャリアアップをしていくのであれば大企業への転職が必須になります。

このときに必要になってくるのが日商簿記1級です(ある程度の英語力も必要です)。大企業への転職がしたくなったら、実務経験を積みながら「日商簿記2級の復習→日商簿記1級の勉強」と進めていくことになります。

まとめ

経理に転職する場合に最も効果的な資格についてお伝えしてきました。やはり経理の資格は「日商簿記」1択です。まずは日商簿記2級を目指してください。そうすれば未経験でも経理への転職が見えてきます。

無事に経理への転職ができて、さらにキャリアアップがしたくなったときには日商簿記1級の勉強にも挑戦していくことで充実した経理マンとして過ごしていくことができます。

※弊社では簿記を完璧に身につけて日商簿記検定に合格できる通信講座を運営しています。興味がある方は下記よりご覧下さい。

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