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簿記検定では答案練習や模擬試験、予想問題は必要ない4つの理由

簿記学校では、模擬試験(答案練習、いわゆる答練も含みます)があります。また、本屋にも予想問題集が売られています。人によっては模擬試験や答案練習などを何の疑問も持たずに受けている人もいらっしゃるかもしれません。

ちなみに、この記事を書いている私は日商簿記に合格するための通信講座を2012年から運営し、これまでに数百人の合格者を送り出させていただいています。もちろん私自身も簿記1級に合格しています。

こういった私が、簿記1級に合格するために模擬試験や答案練習は受けない方がいい、予想問題も解く必要はない理由について解説していきます。

予想問題や模擬試験を受ける必要はない4つの理由

予想問題や模擬試験を受ける必要がない理由は次の4つです。

  • 練習量は過去問題だけで足りる
  • 過去問題と模擬試験では難しさの質が違うため、模擬試験ができるようになってもそれで過去問題が解けるとは限らない
  • 試験委員は過去問題を絶対に見るが、模擬試験はあまり見ない
  • 他人と比較することはデメリットの方が多い

練習量は過去問題だけで足りる

日商簿記検定の過去問題は過去10回分以上手に入ります。1回に2時間(1級は3時間)です。これらを全て3回ずつ解くと、解く時間だけで60時間(1級の場合は90時間)かかります(最低3回は解くべきです)。

これは実際の問題に慣れるのには十分な時間です。これ以上他にやる必要はないと思います。

ちなみに、「過去問題は一度出題された問題だからもう出題されない。だったら予想問題を優先的に解くべきだ」と考えていらっしゃる方も多いですが、これは間違いです。

予想問題は過去問題をもとに作られているので、予想問題は過去問題のいわば「劣化コピー」なのです。優先的に解くべきは過去問題です。

出題範囲や出題傾向が変わった場合は過去問が使えなくなる場合があると考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、解答そのものが変わってしまうような場合は、過去問であっても改題されますし、出題範囲の変更は過去問ではなくテキストや問題集で対応すべきところなので、過去問を解く価値が落ちるものではありません。

過去問題が最高の予想問題であるという点を押さえておいてください。

過去問題と模擬試験では難しさの質が違う

過去問題も模擬試験も、問題集の問題に比べると難しく感じますが、難しく感じる理由が違います。

過去問題を難しく感じる理由は「言い回しが難しく、国語の読解力が必要だと感じる」「問題文の指示が曖昧で、迷いが生まれる」などです。過去問題は試験問題作成委員が作るのですが、彼らのほとんどが学者や実務家です。

学者や実務家は簿記に関しては詳しいのですが、問題を作るプロではないのでどうしても問題文の意味が分かりにくくなります。なので「問題文の意味が分かりづらく、どう読み取ればいいのか分からない」ということになりやすいです。

それに対して模擬試験の難しさは、「計算そのものが複雑」「細かいところが問われる」といったところにあります。模擬試験や予想問題は簿記学校の講師が作るのですが、彼らは問題作成のプロです。問題文そのものの意味が分かりにくいといったことはほとんどありません。

問題作成のプロなので、問題を難し くする方法も洗練されています。なので「問題文の意味は分かるが解法そのものが難しい」となるのです。

このようにどちらも難しいのですが、難しい理由が違うので、模擬試験での難しさを克服できてもそれで実際の問題が解けるとは限りません

試験委員は過去問題を絶対に見る

試験委員は過去問題を絶対に見ます。試験委員に知り合いがいるわけではないので直接聞いたわけではありませんが、それでも絶対だと断言できます。

試験問題というのは、「何をできる人に合格証書を渡したいのか」という検定試験の主催者側の意図が出るものです。日商簿記検定も同じで、過去問題は「この問題を70点以上得点できる者に合格証書を渡す」という商工会議所からのメッセージなのです。

このメッセージが数ヶ月ごとに変わるのであれば、どの回に合格したのかで合格者の資質が違うということになってしまいます。そうならないように、試験問題というのは回が変わっても簡単には変わりません(会計基準が変更になった場合はもちろん変わります。)。

なので、試験問題を作る側の人間は、前に出された問題がどのような問題で、商工会議所がどのような能力がある人に合格証書を渡すつもりなのかを読み取った上で問題を作成します。

このように考えると、過去問題を解くことの重要性が模擬試験を解くことに比べて圧倒的に高いということが分かると思います。

逆に簿記学校の予想問題や模擬試験は見ない人も多いでしょう。あまりにも一つの簿記学校の模擬試験に似すぎていないかチェックするくらいでしょうか。その程度しか見ないと考えて差し支えありません。

これらのことを踏まえると、本番を意識した練習は過去問題に集中すればよく、予想問題や模擬試験は直前にやることがなくなった人がやるくらいしか出番がありません。直前にやることがなくなった人は合格はほぼ間違いないので、何もしなくても合格できるでしょう。

そう考えると予想問題や模擬試験は本当に出番がないと言えます。

他人と比較することはデメリットの方が多い

簿記検定は人との競争ではありません。あくまでも合格レベルに到達した人が合格する試験です。これは合格率が決まっていると言われる簿記1級であっても本質的には変わりません。

なので、他の受験生との相対的な位置を気にするよりも自分の実力自体を意識した方が何倍も意味があります

ですが模擬試験を受けるとどうしても他の受験生との関係、つまりは順位を意識してしまうものです。その結果、次のような間違いを犯しやすくなります。

  • いい点を取りたいために模擬試験の試験範囲になっているところを必要以上に勉強する
  • 成長のスピードは人それぞれなのに、順位が悪くて早々にあきらめる
  • 成長のスピードは人それぞれなのに、順位がよくて油断し、実力が合格レベルに届かない

あくまでも「試験日に合格レベルの実力をつけること」が大切なのに、そこがぶれてしまうのです。お互いに刺激し合えるといういい面もありますが、こういった悪い面の方が多いと感じます。

ちなみに、「本試験に緊張しないために模擬試験を受ける」という意味がありそうですが、実はあまりありません。

簿記2級と簿記3級では満点を狙っているので、試験に緊張したとしても合格点には届くはずですし、簿記1級の受験生であればたいてい簿記2級は受験しているので、すでに本試験の経験があるといえます。

本試験経験者にとって模擬試験で緊張しなくなる効果はほとんどないと思われます。

こういった理由から、模擬試験や答案練習などをやるのは効率が悪いと言えます。

まとめ

答案練習や模擬試験、予想問題は受ける必要はない。受けてはならないとさえ言える。

コメント

  1. みんと より:

    過去問は大事です(^-^)
    おはようございます。
    過去問で十分な点数を取れていないと本試験でも合格点には達しないって思うのです。

    過去問プラス答練、模擬問題などを解くのはいいのですがやはり過去問です!!

    過去問を解いていると同じような問題も出ています。
    数字や言葉は違いますが求めることは一緒であったり、与えられる資料が若干違っていたり(推定になっているとか)は多いですね。

    私ももう少しで標準原価計算の基礎トレーニング問題が終わるので「標準原価計算の過去問」を解きます!
    過去問で理解力が試される。
    時間はまだまだ試験時間オーバーですが、力試し、頑張ります。

    • admin より:

      コメントありがとうございます。

      おっしゃるとおりです。過去問で合格点が取れない状態で本試験で合格点が取れることはほとんどありません。よほどその回が簡単だった場合だけだと思います。

      時間は練習を重ねれば短縮できます。がんばって過去問に挑戦してみてください。応援しています。

  2. みんと より:

    本試験の問題分の意味が分かりにくいことは1級の過去問でも実感中です。

    聞いていること自体は計算過程で基本的なことが多いように思えるのですが、まず問題分の意味や指示、資料での「分析」に時間がかかってしまっています。

    3級、2級を経て簿記試験って「読解力」が重要な鍵の一つだって感じています。

    本試験の問題分で問題の中身を早く理解するためには過去問で慣れる!
    過去問は大事ですね!!

    いつも参考になる記事を本当にありがとうございます。

    • admin より:

      コメントありがとうございます。

      過去問は本当に意味が分かりにくいです。場合によっては資料不足で解けないような問題さえありました。こういった場合でも何とか答えを出さなければならないので、簿記の力とは別の力が必要になってきます。この力は過去問で養うしかないですね。

      過去問演習がんばってください。応援しています。

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