- 試算表を解くのにすごく時間がかかるんだけど……
- 仕訳問題や試算表の問題を早く解く方法が分からない
- 試算表を早く解くコツについて教えて!
簿記1級の合格を目指すには簿記3級の問題は遅くとも1時間以内、簿記2級の問題も遅くとも1時間30分以内で解く必要があります。
このスピードで解答するためには総合問題を試算表加工型で問題を解くのが必須ですが、それ以外にも早く解くために必要なことがあります。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん簿記の問題を早く解くコツについても熟知しています。
この記事では簿記の問題を早く解くコツについて解説します。
この記事を読んできちんと練習すれば仕訳問題も総合問題も早く解答することができるようになります。
結論を一言で言うと、仕訳問題を早く解くためには仕訳を考えるスピードを上げる必要があります。試算表の問題を早く解くためには仕訳を考えるスピードを上げることに加えて試算表加工型で解答することが必須です。
簿記の問題を早く解くためのたった一つの方法
簿記の問題を早く解くための方法を考えるために、問題を解くのに時間がかかっているところを分析します。
問題というのはおおむね次の手順で解きます。
仕訳問題の場合、かかる時間に差が出るのは2の「仕訳を考えながら答案用紙に書く」です。1と3では早く解ける人もそうではない人もかかる時間はほとんど同じです。
総合問題の場合でも、かかる時間に差が出るのは2の「仕訳を考えながら『仕訳型』『T字勘定型』『試算表加工型』の解法に従って処理をする」です。
3でも電卓の技術によって多少の差が出ますが、2での差に比べれば小さいです。
つまり、仕訳問題であっても総合問題であっても、早く解けるようにするためには仕訳を考える時間を減らす必要があるということです。
そのためには反射的に仕訳が浮かぶようにしておくことが重要です。また、仕訳を切る金額に計算が必要な場合、計算も反射的にできる必要があります。
仕訳を早く考えるためにはゆっくり考えることを繰り返す
では、仕訳を考えるスピードを上げるためには何をすればいいのでしょうか。仕訳を考えるスピードを上げるために重要なことは「仕訳を覚えてスピードをあげる」という対策をとらないことです。
仕訳を覚えてスピードを上げようとすると、知らない仕訳が出た場合に手が出なくなります。
仕訳を考えるスピードを上げるためにすべきことは「ゆっくり考えることを繰り返す」ことです。逆説的ではありますが、ゆっくり考えることを繰り返すことで自然と早くなります。
具体例を使って考えてみましょう。「備品300,000円を現金で購入した」という取引をゆっくりと考えてみます。この取引をゆっくりと考えると次のようになります。
- 「現金で購入した」
- 現金という資産が減った
- 資産の減少は貸方に記入する
- 貸方に現金という資産を意味する「現金」という勘定科目を使う
- 金額は300,000
- 「備品を購入した」
- 備品という資産が増えた
- 資産の増加は借方に記入する
- 借方に備品という資産を意味する「備品」という勘定科目を使う
- 金額は300,000
最初はこのようにゆっくりと考えていきます。この練習を繰り返していくと、いくつかの段階が考えるまでもなくなっていきます。
考えるまでもなくなっていくと最終的には次のようになるのではないでしょうか。
- 「現金300,000円で購入した」
- 貸方に現金300,000
- 「備品300,000円を購入した」
- 借方に備品300,000
これだけのプロセスで仕訳を切れるようになればスピードは相当に早くなっているはずです。覚えるのではなく、あくまでも練習を繰り返すことで思考のプロセスをショートカットするのです。
この練習を出てくる仕訳の全てで行っていくことで、解答スピードが早くなります。また、見たことがない取引であっても何とか仕訳を切れるようになっていきます。
【簿記】試算表を早く解くコツ:まとめ
問題を早く解くためには仕訳を考えるスピードを上げる必要があります。仕訳問題は仕訳を考えるスピードを上げるだけで早く解けるようになります。
試算表の問題を早く解くためには仕訳を考えるスピードを上げることに加えて試算表加工型で解答することが必須です。
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