簿記を勉強していると、だんだんとモチベーションが低下していくことがあります。なのでモチベーションの維持についてもきちんと対策をしておかなければなりません。合格までモチベーションを高く保たないと合格が遠のいてしまうからです。
特に、簿記1級を目指す場合は勉強期間が長くなるためモチベーションを保つ重要性も高まります。
ちなみに、この記事を書いている私は日商簿記に合格するための通信講座を2012年から運営し、これまでに数百人の合格者を送り出させていただいています。もちろん私自身も簿記1級に合格しています。
こういった私が、簿記の勉強を続けるためのモチベーションを保つコツについて解説していきます。
簿記の勉強を続けるためのモチベーションを保つ9つの方法
簿記の勉強を続けるためのモチベーションを保つにはいくつかのコツや方法があります。私が実践して効果的だったものや、私の周囲の人が実践してみてうまくいったものなどをお伝えします。
- 勉強を始めるときに身近な人に合格すると宣言する
- 分からないところを解決する
- 合格後にやりたいことを意識する
- 合格前に合格体験記を書く
- 「合格後にやりたいこと」に関する勉強をやってみる
- やる気が出ないときもとりあえず「やってみる」
- 今までがんばってきた勉強の道のりを見て自分をほめる
- がんばった自分へのごほうびを用意する
- どうしようもなければ休む
勉強を始めるときに身近な人に合格すると宣言する
途中で勉強を投げ出さないために効果的な方法は「身近な人に合格すると宣言する」ことです。できれば自分が尊敬する人、認められたい人にすると効果的です。
人間は一度言ったことを最後までやりきることができないのは嫌なものです。特に尊敬する人にそう思われるのは嫌でしょう。そのような状態に自分を追い込むことで最後までやりきるのです。
分からないところを解決する
分からないところが出てきて、そこが理解できずに不正解を繰り返すことでモチベーションが下がってしまったときは、その分からないところを解決することでしかモチベーションを維持できません。
そういった場合は友人に聞いたり、講師に聞いた、調べたりして分からないところを解決しましょう。
簿記は同じような考え方が繰り返し出てきます。分からないまま先に進むと必ずまた分からなくなってしまいます。分からないところを自分で解決できない場合はモチベーションの維持は困難です。何とかして解決することが大切です。
合格後にやりたいことを意識する
試験の合格そのものを目標にできるならそれで構いませんが、試験に合格することそのものには価値が見出せない人もいます。そういった方は合格後にやりたいことを意識してみましょう。
「経理でバリバリ働いている姿」「財務諸表をかっこよく読みこなしている姿」「合格することで誰かを見返している姿」など、自分が合格したあとのことを意識するとモチベーションが戻ってくることがあります。
その夢や目標に近づいているということに喜びを感じてください。
合格前に合格体験記を書く
「合格後にやりたいことを意識する」をより具体的な行動に移した方法がこの「合格前に合格体験記を書く」という方法です。
簿記検定に合格しようと勉強している方は多いと思いますが、誰一人として、簿記検定に合格することが「最終的な」目標ではないはずです。
もっと将来に大きな目標があって、その目標を達成するための手段が簿記検定の合格のはずです。なので、簿記検定の合格は人生においてはあくまでも通過点です。
その最終的な目標を意識して勉強することが大切です。もちろん、短期的な目標は簿記検定の合格だとは思いますが、その先を意識できていることでモチベーションを高く保つことができます。
その最終的な目標を意識する一番の方法が「合格体験記」を合格前に書くことです。そのときのポイントはできるだけ具体的に、リアルに書くことです。自分が合格したイメージを持って、合格者になりきって書いてください。
そうすることで合格したというイメージがえられますし、合格して何がやりたいのかも見えてきます。そして、そのイメージから逆回しで今をイメージするのです。そのイメージをもとに、短期的な簿記検定の合格を目指して、努力をしていきます。
「合格後にやりたいこと」に関する勉強をやってみる
勉強を効率よく行っていくためには、無駄な勉強を省く必要があります。しかし、全ての無駄を省くと言うのも問題があります。やはり効率だけ追い求めても息が詰まりますし、逆に非効率になってしまうこともあるからです。
なので、簿記検定の合格には直接役に立たなくても、簿記検定に合格した後の「大きな目標」に役立つ無駄は省かないことです。そもそもこれは人生全体で考えると無駄ではありませんし、これを省いてしまうとモチベーションの低下につながってしまいます。
なので省く必要はありません。ただ、やりすぎると合否に影響してしまうので、試験合格の邪魔にならない程度にやる必要はあります。
逆に最終目標にも役立たない無駄はできるだけ省いた方がいいと思います。もちろん息抜きは必要ですから、全て省くのはそれはそれで問題なのですが、体力・気力・時間を使いすぎないような範囲におさえて楽しむのがいいです。
やる気が出ないときもとりあえず「やってみる」
やる気と勉強の関係についてはこれまでは次の流れで考えられてきました。
- やる気がある
- 勉強する
または
- やる気がない
- 勉強しない
しかし、どうやらこのような因果関係ではないということが分かってきています。
- やる気がなくてもとりあえず勉強を始める
- 勉強することでやる気が出る
- 勉強を続ける
やる気を出すスイッチというのは脳の中にあって、そのスイッチを押すためにはあるていど体を動かす必要があるのです。つまり「やる気→行動」ではなく「行動→やる気」だということで、「やる気」はやることで出るということです。
なので、やる気を出すためにはとりあえず勉強を始めることが大事だということになります。
とりあえずやってみるためには「短い時間だけやる」「好きな科目をやる」「得意な科目をやる」といった形で最初にやり始めるのが効果的です。そして、勉強をやり始めてやる気が出てきたら難しいところや苦手なところに移っていけばいいのです。
今までがんばってきた勉強の道のりを見て自分をほめる
モチベーションが下がってきたときは、これまで勉強してきた道のりを見てみるのも効果的です。これまで読んできたテキストや解いてきた問題集を見てみると、かなりの量になっているはずです。
計画表などを確認してみてもこれまでの勉強の過程が確認できます。これらを見ながら自分をほめてあげてください。
そもそもこれまでの勉強量が多い人と少ない人はどちらが合格に近いのでしょうか。明らかに「多い人」のはずです。そういう意識で見てみてください。たとえ点数は伸び悩んでいても、自分は合格に近いことが感じられるのではないでしょうか。
がんばった自分へのごほうびを用意する
がんばり続けるためには、自分へ報酬を与えることも必要です。脳の性質から考えても、脳が喜ぶことは自然と繰り返したくなるようになっています。
どうしようもなければ休む
体調不良の場合や、重大な事情を抱えている場合など、どうしてもモチベーションが出なければ休むのもいいと思います(体調不良の場合は「休むのもいい」ではなく「休まなければなりません」。)。ただし、次の3つを意識することが絶対条件です。
- 休むのは新しい範囲についてだけで、復習は必ずやる
- 休んだ分は後でやらなければならないことを心得ておく
- 簿記の勉強を長期的に休む場合でも1日1回は仕訳を切る
休むのは新しい範囲についてだけで、復習は必ずやる
最初に勉強した日の翌日とそのさらに1週間後に復習します。この復習だけは必ずやるようにします。
きちんと理解した上での復習であれば楽に解けるのでそれほどつらくもないですし、時間もかかりません。この復習だけでもきちんとやることで簿記の実力の低下を防げます(簿記は全く勉強しない期間が続くと実力が低下していきます。)。
また、この復習だけでも確実にやることで、新しい範囲に入ることをやめても1週間はやることがあります。この期間にモチベーションが戻ってくれば万事解決です。
休んだ分は後でやらなければならないことを心得ておく
休んだ分は後できちんとやらなければなりません。休めば休むほどあとのスケジュールが厳しくなります。
試験合格そのものを先送りにする場合を除き、確実に先のスケジュールがきつくなるので、その点は自覚した上で休むことが必要です。
簿記の勉強を長期的に休む場合でも1日1回は仕訳を切る
モチベーションがなくなり、長期的に簿記から距離を置くこともあるかもしれません。その場合も、永遠に簿記から離れるのであれば別ですが、そうでないのであれば、1日1回は仕訳を切ることが大切です。
勉強しているところまでの内容のどこか一つで構いません。テキストや問題集を適当に開いたところにある問題でも構いません。
簿記はやらない期間が長くなればなるほど確実に実力が低下します。この実力の低下を最小限に抑えるためには、仕訳を切るしかありません。難しい問題でなくても構いません。1つの仕訳は数秒で切ることができると思います。
1日1回は仕訳を切りましょう。復帰が楽になります。
勉強のモチベーションを維持するために、こういったことを試してみてはいかがでしょうか。
簿記のモチベーションを保つ方法:まとめ
モチベーションを保つためには次の方法が有効です。
- 勉強を始めるときに身近な人に合格すると宣言する
- 分からないところを解決する
- 合格後にやりたいことを意識する
- 合格前に合格体験記を書く
- 「合格後にやりたいこと」に関する勉強をやってみる
- やる気が出ないときもとりあえず「やってみる」
- 今までがんばってきた勉強の道のりを見て自分をほめる
- がんばった自分へのごほうびを用意する
コメント