重要性の原則

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では重要性の原則についてお伝えします。

重要性の原則

次の原則が重要性の原則です。

企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものであるが、企業会計が目的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも正規の簿記の原則に従った処理として認められる。
重要性の原則は、財務諸表の表示に関しても適用される。

つまりは、重要ではないものについては簡単に処理しても構わないということです。

正規の簿記の原則と重要性の原則の関係

正規の簿記の原則には「すべての取引につき」とあります。文字通りすべての取引を完全に記録すれば企業の資産や負債は全て会計帳簿に記録されるはずです。

ということは会計帳簿に記録されない資産(簿外資産)や会計帳簿に記録されない負債(簿外負債)は発生することはないといえます。

しかし、重要性の原則を適用すると簿外資産や簿外負債は発生することになります。

消耗品を例に考えてみましょう。消耗品は購入時に「消耗品」という資産として計上する方法と購入時に「消耗品費」という費用として計上する方法があります。

消耗品を購入時に資産として計上していた場合、当期に使用した分だけ期末に消耗品費として費用に振り替えます。また、消耗品を購入時に費用として計上していた場合、当期に使用しなかった分だけ期末に消耗品として資産に戻します。

消耗品の仕訳

これが「正規の簿記の原則」に従った会計処理です。

この会計処理が適切なのは言うまでもありませんが、全ての消耗品に関して期末にこの会計処理を行うのはかなり煩雑です。また、企業の経済活動における消耗品の割合は非常に微々たるものです。

なので、正確な処理を行うのは手間に対して割に合わないのです。こういった場合に、重要性の原則が適用できます。重要性の原則を適用すると期末の会計処理を簡単にすることができます。

重要性の原則を適用すると、消耗品を購入時に資産として計上していた場合、期末に全ての消耗品を費用に振り替えるので、期末に残っている消耗品が会計帳簿から消えてしまいます(これが簿外資産になります)。

また、消耗品を購入時に費用として計上していた場合、期末には何も処理を行いません。その結果、期末に残っている消耗品が会計帳簿から消えてしまいます(これが簿外資産になります)。

これと同じように、重要ではない前払費用や未収収益などもわざわざ資産に戻さないこともでき、この場合も簿外資産が発生します。また、重要ではない未払費用や前受収益を負債として計上しないこともでき、この場合は簿外負債が発生します。

重要性の原則の適用例

企業会計原則注解の注1には重要性の原則の適用例が書かれています。

重要性の原則の適用例としては、次のようなものがある。
(1) 消耗品、消耗工具器具備品その他の貯蔵品等のうち、重要性の乏しいものについては、その買入時又は払出時に費用として処理する方法を採用することができる。
(2) 前払費用、未収収益、未払費用及び前受収益のうち、重要性の乏しいものについては、経過勘定項目として処理しないことができる。
(3) 引当金のうち、重要性の乏しいものについては、これを計上しないことができる。
(4) たな卸資産の取得原価に含められる引取費用、関税、買入事務費、移管費、保管費等の付随費用のうち、重要性の乏しいものについては、取得原価に算入しないことができる。
(5) 分割返済の定めのある長期の債権又は債務のうち、期限が一年以内に到来するもので重要性の乏しいものについては、固定資産又は固定負債として表示することができる。

1から4までは正規の簿記の原則についての適用例で、5は明瞭性の原則についての適用例です。

重要性の原則が一般原則に含まれていない理由

重要性の原則は一般原則と同じくらい重要で、事実上「重要性の原則」がなければ「正規の簿記の原則」も「明瞭性の原則」も実行不可能になってしまいます。これほど重要なのになぜ重要性の原則は一般原則に含まれていないのでしょうか。

それは、「重要性の原則は例外的な取り扱いをあくまでも『認めた』もので、適用しなければ『ならない』ものではないから」です。なので、細かいことを言えば「原則」という言い方が適切ではないとも言えます(「原則」は一般に「守らなければならないもの」です)。

こういった理由から、重要性の原則は一般原則には含まれていないのです。

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