作業くずの仕訳

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では作業くずについて解説します。

作業くず

製品を製造しているときに材料のくずが発生することがあります。鉄を削るときに発生する削りくず、布を切るときに発生する布の切れはしなどです。くずが価値がないごみならば無視すればいいのですが、場合によっては価値がある場合があります。

このように製品を作る途中に発生するくずのうち価値があるくずを作業くずといいます

作業くずの処理の方法

作業くずは評価額(売却価値または利用価値)を見積もって原価から控除します。この処理の方法は次の2つがあります。

  • 作業くずが発生した部門の部門費から控除する方法
  • 作業くずが発生した製造指図書の製造原価から控除する方法

作業くずがどの部門で発生したのかが分かる場合は「作業くずが発生した部門の部門費から控除する方法」を使います。逆に、作業くずがどの部門で発生したのかが分からない場合は「作業くずが発生した製造指図書の製造原価から控除する方法」を使います。

「作業くずが発生した部門の部門費から控除する方法」の場合は、作業くずが発生した部門の部門費が作業くずの評価額の分だけ少なくなることで作業くずが発生した部門の部門費から製造指図書に配賦される金額も少なくなります。

よって、その部門費から配賦される全ての製造指図書の製造原価に影響を与えます。

それに対して「作業くずが発生した製造指図書の製造原価から控除する方法」の場合は、作業くずが発生した製造指図書の製造原価が作業くずの評価額の分だけ少なくなります。よって、作業くずが発生した製造指図書以外の製造指図書の製造原価には影響ありません。

ちなみに、単純個別原価計算を採用している場合には部門がないので「作業くずが発生した製造指図書の製造原価から控除する方法」を使うことになります。

作業くずの勘定科目

作業くずを売却できる場合には作業くずという勘定科目を使います。逆に、作業くずに価値はあるけれど、売らずに材料として利用する場合は材料という勘定科目を使います。

作業くずの仕訳の具体例

作業くずが発生した部門の部門費から控除する方法(作業くずは売却する場合)

「切削部門で作業くずが発生した。この作業くずの見積売却額は50,000円である。」場合の仕訳について考えてみましょう。

切削部門で作業くずが発生したと分かっているので、切削部門費から作業くずの発生額を控除します。よって『(貸)切削部門費50,000』となります。

次は借方です。この作業くずは作業くずのまま50,000円で売却できるので『(借)作業くず50,000』となります。

まとめるとつぎのようになります。

借方 金額 貸方 金額
作業くず 50,000 切削部門費 50,000

作業くずが発生した製造指図書の製造原価から控除する方法(作業くずを売却する場合)

「作業くずが発生した。この作業くずの見積売却額は50,000円である。」場合の仕訳について考えてみましょう。

作業くずが50,000円発生したと書いてありますが、どの部門から発生したのかは書いてありません。この場合、作業くずが発生した部門は分からないので製造指図書の製造原価から作業くずの発生額を控除します。よって『(貸)仕掛品50,000』となります。

次は借方です。この作業くずは作業くずのまま50,000円で売却できるので『(借)作業くず50,000』となります。

まとめるとつぎのようになります。

借方 金額 貸方 金額
作業くず 50,000 仕掛品 50,000

作業くずが発生した部門の部門費から控除する方法(作業くずは再利用する場合)

「切削部門で作業くずが発生した。この作業くずの材料としての価値は50,000円である。」場合の仕訳について考えてみましょう。

切削部門で作業くずが発生したと分かっているので、切削部門費から作業くずの発生額を控除します。よって『(貸)切削部門費50,000』となります。

次は借方です。この作業くずは50,000円分の材料として再利用できるので『(借)材料50,000』となります。

まとめるとつぎのようになります。

借方 金額 貸方 金額
材料 50,000 切削部門費 50,000

作業くずが発生した製造指図書の製造原価から控除する方法(作業くずは再利用する場合)

「作業くずが発生した。この作業くずの材料としての価値は50,000円である。」場合の仕訳について考えてみましょう。

作業くずが50,000円発生したと書いてありますが、どの部門から発生したのかは書いてありません。この場合、作業くずが発生した部門は分からないので製造指図書の製造原価から作業くずの発生額を控除します。よって『(貸)仕掛品50,000』となります。

次は借方です。この作業くずは50,000円分の材料として再利用できるので『(借)材料50,000』となります。

まとめるとつぎのようになります。

借方 金額 貸方 金額
材料 50,000 仕掛品 50,000

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“作業くずの仕訳” への4件のフィードバック

  1. 匿名 より:

    作業くずは財務省表表示の勘定は、貯蔵品でしょうか?

    • dokuboki より:

      コメントありがとうございます。

      作業屑は原則として「製品」に含めます。ただし、製品に含めることが難しい場合は「原材料」「貯蔵品」に含めることができることになっています(「財務諸表等規則17条」と「財務諸表等規則ガイドライン17-1-7(1)」に詳しいです)。

  2. さゆり より:

    こんにちは。
    いつもこちらで勉強させていただいております。

    質問があるのですが、

    作業くずを部門から控除した場合、後々製造指図書に影響があるのはなんとなく理解できたのですが、
    製造指図書から控除した場合がなかなかイメージできません。
    指図書自体どのようなものなのか、調べても分からず・・・。

    例えば指図書が、No.1 No.2 No.3 No.4 とあり、

    No.1の指図書に製造原価を配賦するとして、
    それと同時に作業くずも控除するのでしょうか??

     製品  ××× / 仕掛品 ×××
    作業くず ×××

    このような仕訳になるのは間違いですか???

    ご回答、宜しくお願い致します。

    • dokuboki より:

      質問ありがとうございます。製造指図書はその製品の製造原価を集計したものなので、「製造指図書から控除する」ということは「製品の製造原価から控除する」ということと同じことになります。

      「作業くず」という「価値があるもの」が製品の製造過程で発生した場合、その価値のぶんだけ製造原価が下がると考えます。その仕訳が「(借)作業くず×××/(貸)仕掛品×××」となります。この仕訳は「製造原価を配賦する」というよりは「作業くずが発生する」タイミングで切ります。

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