- 工業簿記を勉強していると間接労務費が出てきたんだけど……
- 間接労務費と直接労務費を区別する方法が分からない
- 間接労務費について教えて!
間接労務費はイメージがしづらいので直接労務費と区別できずに間違えてしまう方が非常に多いです。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん間接労務費についても熟知しています。
この記事では間接労務費と、間接労務費の具体例について解説します。
この記事を読めば間接労務費についてより深く理解できるので、間接労務費に関する問題が簿記2級で出題されても自信を持って解くことができます。
結論を一言で言うと、間接労務費は製品の製造に直接かかわらない労務費です。関係間接労務費には「直接工の賃金」以外の労務費があたります。
間接労務費:「直接工の賃金」以外の労務費
「直接工の賃金」以外の労務費は全て間接労務費になります。「直接工の賃金」以外の労務費について一つずつ見ていきましょう。
間接工の賃金と給料
直接製品の加工を行わずに、製品を製造する補助的な作業を行う工員のことを間接工といいます。
間接工の場合には、直接工のように「直接作業時間」と「直接作業時間以外」に分けて考える必要はありません。直接作業時間がないからです。
というわけで間接工の賃金消費額の計算は、原価計算期間と給与計算期間のズレを調整するだけで求めることができます。
具体的には次の計算式だけで間接工の賃金消費額は計算できます。
賃金消費高=実際支払高+当月未払高-前月未払高
従業員賞与手当
工場の従業員に支払われる賞与(ボーナス)は、期首にその年の支払額を予定し、その予定額を12で割った月割額を毎月末に製造間接費として計上します。
支払予定額と実際支払額との間に差額が生じた場合は、決算日に売上原価勘定に振り替えます。
通勤手当や住宅手当などの諸手当は、毎月の賃金・給料と一緒に支払われます。諸手当は直接作業に関係がないため、支払われた月の製造間接費として計上します。
法定福利費
工場の従業員の健康保険料や雇用保険料などのうち企業が負担する分を法定福利費といいます。法定福利費もは直接作業に関係がないため製造間接費として計上します。
退職給付引当金繰入
工場の従業員に支払われる退職給付引当金繰入は、期首に繰入額を予定し、その予定額を12で割った月割額を毎月末に製造間接費として計上します。
このように「直接工の賃金」以外の労務費は全て間接労務費になります。
【まとめ】間接労務費とは【計算と求め方も解説】
「直接工の賃金」以外の労務費は全て間接労務費になります。具体的には次のようなものが間接労務費になります。
- 間接工の賃金と給料
- 従業員賞与手当
- 法定福利費
- 退職給付引当金繰入
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