製造間接費元帳

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では製造間接費元帳について解説します。

製造間接費元帳

製造間接費元帳は製造間接費勘定の内訳を記録するための補助元帳です。製造間接費元帳には、減価償却費や工場消耗品費など製造間接費に関する全ての勘定が作られ、発生額が記録されます。

よって、製造間接費勘定の借方の合計と製造間接費元帳全ての勘定の借方の合計は一致します。

製造間接費元帳を作成する目的

製造間接費元帳を作成する目的は3つあります。

  • 製造間接費の内訳を記録する(本来の目的)
  • 製造間接費の予定額と実際額の比較をしやすくする
  • 将来の製造間接費予算額の参考にする

製造間接費の内訳を記録する

製造間接費元帳に限らず、補助元帳はその勘定科目の内訳を記録するために行われます。簿記3級で学習した売掛金元帳買掛金元帳と同じです。

製造間接費全体の金額を把握するだけでは減価償却費や工場消耗品費などの製造間接費の内訳がどのようになっているのかが分かりません。製造間接費の内訳を記録するために製造間接費元帳を作成します。

製造間接費の予定額と実際額の比較をしやすくする

製造間接費は過去の実績から、ある程度金額が予想できます。「減価償却費はこれくらいだろう」「工場消耗品費はこれくらいだろう」といった感じである程度予想できるのです。

この予想できた金額と実際に発生した金額が大きく違う場合には、何か原因があります。この原因を分析することで原価管理をスムーズに行うことができます。

もし製造間接費元帳を作成していなかったら、製造間接費全体の予定配賦額と実際発生額の違いが差異分析から分かっても、具体的にどのような製造間接費が原因で差異が発生したのかが簡単には分かりません。

また、減価償却費で20,000円の有利差異、工場消耗品費で20,000円の不利差異といったように金額が同じで逆の差異が発生した場合、製造間接費全体の差異分析では埋もれてしまいます。

このような差異もきちんと原価管理するためには製造間接費元帳をきちんと作成しておく必要があります。

将来の製造間接費予算額の参考にする

製造間接費の予定配賦を行うためには予算を作成しなければなりません。予算額と基準操業度が設定できてはじめて予定配賦を行うことができます。

この予算額を設定するために製造間接費元帳を作成します。過去の製造間接費元帳の金額から、それぞれの勘定がいくらになりそうかの参考にするのです。

このような目的から製造間接費元帳を作成します。

製造間接費元帳の具体例

減価償却費を間接費として計上

「工場の減価償却費の月割額200,000円を製造間接費として計上する」場合の仕訳について考えてみましょう。

減価償却費として200,000円を計上するので、減価償却費の仕訳より次のようになります(何も指示がない場合は間接法で記帳します)。

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 200,000 減価償却累計額 200,000

商業簿記ならこの仕訳で終了ですが、工業簿記ではこのままではいけません。このままでは減価償却費という費用が製造原価に算入されないため、正確な製造原価が計算できなくなってしまいます。

減価償却費を製造原価として考えるためには、この減価償却費を製造間接費に振り替えなければなりません。

よって次の仕訳を重ねて切る必要があります。

借方 金額 貸方 金額
製造間接費 200,000 減価償却費 200,000

2つの仕訳をまとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
製造間接費 200,000 減価償却累計額 200,000

工場の賃料を間接費として計上

「工場の賃料の当月分は300,000円であり、請求書が送られてきたので間接費として計上する。なお、現時点では未払いである。」場合の仕訳について考えてみましょう。

賃料として300,000円を計上するので、『(借)支払家賃300,000』となります。また、未払いなので『(貸)未払金300,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
支払家賃 300,000 未払金 300,000

商業簿記ならこの仕訳で終了ですが、工業簿記ではこのままではいけません。このままでは支払家賃という費用が製造原価に算入されないため、正確な製造原価が計算できなくなってしまいます。

支払家賃を製造原価として考えるためには、この支払家賃を製造間接費に振り替えなければなりません。

よって次の仕訳を重ねて切る必要があります。

借方 金額 貸方 金額
製造間接費 300,000 支払家賃 300,000

2つの仕訳をまとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
製造間接費 300,000 未払金 300,000

修繕費を間接費として計上

「当年度の工場の機械の修繕費が1,200,000円と予定されるので、この12分の1である100,000円を当月分の間接費として修繕引当金を計上する」場合の仕訳について考えてみましょう。

修繕引当金として100,000円を計上するので、『(借)修繕引当金繰入100,000』となります。また、修繕引当金を計上するので『(貸)修繕引当金100,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
修繕引当金繰入 100,000 修繕引当金 100,000

商業簿記ならこの仕訳で終了ですが、工業簿記ではこのままではいけません。このままでは修繕引当金繰入という費用が製造原価に算入されないため、正確な製造原価が計算できなくなってしまいます。

修繕引当金繰入を製造原価として考えるためには、この修繕引当金繰入を製造間接費に振り替えなければなりません。

よって次の仕訳を重ねて切る必要があります。

借方 金額 貸方 金額
製造間接費 100,000 修繕引当金繰入 100,000

2つの仕訳をまとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
製造間接費 100,000 修繕引当金 100,000

製造間接費元帳と製造間接費のT字勘定

製造間接費元帳と製造間接費のT字勘定は次のようになります。

製造間接費元帳

製造間接費元帳の借方の合計額が製造間接費のT字勘定の借方の合計額と同じになることを確認しておいてください。

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“製造間接費元帳” への2件のフィードバック

  1. しろっこ より:

    すいません修繕費を間接費として計上の所ですが
    借方      金額 貸方     金額
    修繕引当金繰入 100,000 修繕引当金 100,000
    にならないのはなぜなんでしょうか

    • dokuboki より:

      コメントありがとうございます。しろっこさんのおっしゃるとおりです。借方は修繕引当金繰入となってないといけないですね。ご指摘どおり修正させていただきます。

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