- 外貨換算会計を勉強していると円高とか円安っていう言葉が出てきたんだけど……
- 「1ドル=100円」が「1ドル=110円」になったら円高なのか円安なのか分からない
- 円高と円安について教えて!
簿記を勉強していると外貨換算会計のところで円高や円安が出てきます。円高と円安は直感とは違う答えになるので混乱してしまう方が非常に多いです。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん円高や円安についても熟知しています。
この記事では円高と円安の考え方について解説します。
この記事を読めば、円高と円安についてより深く理解できるので、簿記2級で円高と円安に関する問題が出題されても自信を持って解答できるようになります。
結論を一言で言うと、「1ドル=100円」が「1ドル=110円」になると円安になります。
円高は円の価値が高くなること、円安は円の価値が低くなること
為替相場が変動することで円安になったり円高になったりしますが、どのように動いたら円高なのか円安なのかが非常に混乱しやすいところです。そこで、円高と円安について考えてみましょう。
輸出取引の例
例えば今の為替相場が「1ドル=100円」だとします。「1ドル=100円」というのは1ドルと100円を交換できる状況だと言い換えることができます。
「1ドル=100円」で10,000ドルの車をアメリカに輸出したとしましょう。
この車の輸出によって(ドル建ての車の代金10,000ドル×売上時の為替相場100円=)1,000,000円の代金を受け取ることができます。
円高の場合:受け取る円が減る
「1ドル=100円」から為替相場が変動して円高になったとします。円高とは円の価値が高くなることで、少ない円で同じドルと交換できる状況だと言えます。
例えば「1ドル=90円」へと為替相場が変動した場合、1ドルと90円を交換できる状況だと言えるので「1ドル=100円」と比べると円高になったといえます。
「1ドル=90円」の状況で10,000ドルの車をアメリカに輸出したとしましょう。
この車の輸出によって(ドル建ての車の代金10,000ドル×売上時の為替相場90円=)900,000円の代金を受け取ることができます。
円高によって受け取る円が減っています。よく「円高になると輸出企業の業績が下がる」と言われる理由です。
円安の場合:受け取る円が増える
今度は為替相場が変動して円安になったとします。円安とは円の価値が安くなることで、多くの円がなければ同じドルと交換できない状況だと言えます。
例えば「1ドル=110円」へと為替相場が変動した場合、1ドルと110円を交換できる状況だと言えるので「1ドル=100円」と比べると円安になったといえます。
「1ドル=110円」の状況で10,000ドルの車をアメリカに輸出したとしましょう。
この車の輸出によって(ドル建ての車の代金10,000ドル×売上時の為替相場110円=)1,100,000円の代金を受け取ることができます。
円安によって受け取る円が増えています。よく「円安になると輸出企業の業績が回復する」と言われる理由です。
「1ドル=100円」が「1ドル=90円」になった場合、よく考えないと「100円が90円に下がったから円安」という誤った結論を出しやすいので注意が必要です。
【まとめ】円高・円安とは何か【考え方をわかりやすく】
円高とは円の価値が高くなることで、少ない円で同じドルと交換できる状況です。
「1ドル=100円」が「1ドル=90円」になった場合、1ドル手に入れるのに100円必要だった状況が、同じ1ドルを90円で手に入れられるようになったので円高になったと言えます。
円安とは円の価値が安くなることで、多くの円がなければ同じドルと交換できない状況です。
「1ドル=100円」が「1ドル=110円」になった場合、1ドル手に入れるのに100円必要だった状況が、同じ1ドルを手に入れるのに110円必要になったので円安になったと言えます。
コメント