特殊商品売買(概論)

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では特殊商品売買について解説します。

特殊商品売買の何が特殊なのか

これまで学習してきた商品販売を一般商品売買といいます。それに対してこれから学習する商品売買を特殊商品売買といいます。では、一体何が「特殊」なのでしょうか。

売上を計上するタイミングが特殊

一般商品売買では商品を引き渡したときに売上を計上します。そのため、商品を引き渡す前に手付金を受取ったときは、売上勘定は使わずに前受金勘定で処理します。

しかし、特殊商品売買は売上勘定を使うタイミングが特殊のです。売上勘定を使用するタイミングが特殊だから特殊商品売買と言われています。

特殊商品売買の具体例

特殊商品売買は具体的には次のようなものがあります。

たくさんありますが、これから一つ一つ身につけていきましょう。

また、簿記2級の段階では仕訳さえきちんと理解すれば問題ありません。仕訳を理解することを目標に学習していきましょう。

売上勘定を使用するための条件

売上勘定はどのような状況になった状態で使用するのかについて少々深く考えてみましょう。一般商品売買では商品を引き渡した時点で売上勘定を使いますが、それは次の2つが商品の引渡し時点で明確になるからです。

  • 客観性
  • 確実性

客観性

客観性とは検証可能性とも言います。本当に売上が上がったのか明確な状態になることです。

通常の売買の場合、商品を引き渡していない状態で売上を計上することができるのであれば、いくらでも架空の売上を計上することができます。

コンビニなどの店舗販売で、店主がその店舗に並んでいる商品を「売却済みだ」と言えるのであれば、全ての商品を売上として計上できるということです。

こうなってしまうと、うその財務諸表(売上の水増し)が簡単にできてしまいます。それではまずいので、きちんと客観的に売上を証明できる形になった時点で売上勘定を使わなければならないのです。

確実性

確実性とは代価を確実に受取れることをいいます。通常の売買の場合、商品を引き渡していない段階で代金を確実に受け取ることはできません。

商品を受け取るまでは代金を支払わないと言われることもあるでしょうし、たとえ代金を先に受け取ったとしても商品を引き渡さなければ代金を返せと言われてしまいます。そのため、商品を引き渡さなければ代金を確実には受け取ることができません

売上勘定の計上のタイミング

客観性と確実性が満たされた時点で売上勘定を使用するのが会計のルールです。そして、この客観性と確実性の2つが一般商品売買では商品を引き渡したときに満たされるので、商品の引渡し時に売上勘定を使用します

これは、言い方を変えれば客観性と確実性が満たされれば商品の引渡しの時ではなくても売上勘定を使用するということです。そして、客観性と確実性が商品引渡しの時以外のタイミングで満たされるのが特殊商品売買だということができます。

学習上の注意

特殊商品売買は売上計上のタイミングが商品の引渡しのときではないものが多いです(全てではありません)。売上計上のタイミングの違いを意識すると何が特殊なのか分かりやすいと思います。

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“特殊商品売買(概論)” への12件のフィードバック

  1. みかん より:

    ■こんばんは

    いつもお世話になっております。
    特殊商品販売の記事を書かれる日が来るのを楽しみにしておりました。
    126回の試験の第2問をみると、売上原価を求めるものがでております。これが今後の傾向かどうかはわかりませんが、おそらく多くの受験生の方が気にはしていると思います。
    出来ましたら、決算時にどのような処理になるのか、次期になったときどのような処理になるのかも記事として取り上げてもらえないでしょうか?

    わがままなリクエストですみませんが、可能な範囲でよろしくお願いします。

    • dokuboki より:

      私のブログを楽しみにしていただいてありがとうございます。更新がんばります。

      特殊商品売買は簿記受験生が苦手としている論点ですね。

      126回の試験の第2問は少々2級の範囲を逸脱しているのでかなりの難問になっています。本来2級は仕訳が切れれば十分です。売上原価の計算は1級レベルですね。

      ちなみに次期の仕訳は当期の繰り返しなので特に気にすることはないと思います。

      できるだけ詳しく記事にしていく予定です。参考にしてみてください。

  2. 映画大好き簿記勉強中 より:

    ■とても勉強になりました

    簿記の知識がコツコツ蓄積されていきありがたいブログです^^今後は問題を解けるだけでなく理論をわかった上でほかの人へきちんと説明できるレベルまでもっていきたいです。

    • dokuboki より:

      コメントありがとうございます。

      ほかの人へきちんと説明できるレベルを目指すのは素晴らしいことですね。この姿勢で勉強すれば検定試験も自然と合格できたりするんですよね。

      これからも更新がんばっていきます。コメントありがとうございました。

  3. yoko より:

    ■はじめまして!

    読者登録ありがとうございます♪
    まだまだ理解出来てない所が
    いっぱいなので
    また参考にさせて頂きます!

    • dokuboki より:

      コメントありがとうございます。

      分かりやすい記事を更新していきます。参考にしていただければ嬉しいです。これからよろしくお願いします。

  4. ドラゴンフルーツ より:

    ■なるほど~

    ただの丸暗記でなく、用語の意味が分かるようになると、理解が進みますね~!

    来年2月の試験に向けて頑張っているので、また拝見します(^_^)/

    • dokuboki より:

      コメントありがとうございます。

      丸暗記は効率が悪い上につらいので大変ですよね。理解中心がお勧めです。

      来年2月の試験がんばってください。応援しています。

  5. ぱんだ より:

    「客観性と確実性が商品引渡しの時以外のタイミングで満たされるのが特殊商品売買」がいまいち理解出来ません。特殊商品売買も原則は実現主義に則り売上計上されるはずです。

    • dokuboki より:

      コメントありがとうございます。ご指摘の点についてですが、その通りです(正確には特殊商品売買のうち、割賦販売における回収基準だけが実現基準ではありません)。ここのところについては簿記2級の段階ではあまり深入りしないようにしていますが、いい機会ですので、詳しくお伝えします。

      営業循環はおおまかにいうと、「原材料の仕入」「製品などの生産」「製品などの販売」「代金の回収」の繰り返しです。そして、「製品などの生産」で売上を認識する基準を生産基準、「製品などの販売」で売上を認識する基準を実現基準(販売基準)「代金の回収」で売上を認識する基準を回収基準といいます。まとめると、次のような感じです。

      1.原材料の仕入
      2.製品などの生産(例外:生産基準)
      3.製品などの販売(原則:実現基準)
      4.代金の回収(例外:回収基準)

      2にあてはまる売上の認識は簿記2級では出てきません。4にあてはまる売上の認識は割賦販売の回収基準です。

      では、3の「製品などの販売」をさらに詳しく見ていくと、一般的な商品売買では次のようなプロセスがあります。

      3-1.顧客からの注文
      3-2.商品の発送
      3-3.商品が顧客に到着
      3-4.顧客が商品をチェック

      ここから先は代金回収のプロセスである4に入ります。逆にこれより前は生産のプロセスである2です。

      この3-1から3-4の範囲内で売上を認識するのであれば、全て実現基準です。この中で一般商品売買は3-2の商品の発送で売上を認識します。一般商品売買では3-2の時点で客観性と確実性が満たされるからです。

      特殊商品売買のうち委託販売は3-4のあとに顧客(正確には販売業者)が商品を売却して、そのあと代金を請求するというプロセスが入ってきます。このプロセスがまだの段階では客観性と確実性が満たされません。なので売上の認識が3-4と4の間になります。

      試用販売の場合は3-4のあとに買取り意思表示というプロセスが入ってきます。このプロセスがまだの段階では客観性と確実性が満たされません。なので3-4と4の間に売上を認識します。

      ・一般商品売買の場合は3-2で売上を認識する
      ・3-2で客観性と確実性が満たされるから
      ・特殊商品販売は3-2で売上を認識しない
      ・3-2で客観性と確実性が満たされないから
      ・委託販売と試用販売は3-4と4の間で客観性と確実性が満たされるからここで売上を認識する
      ・3-4と4の間は販売のプロセスの範囲内なので実現基準といえる
      ・割賦販売の回収基準の場合は、4の中で売上を認識するので実現基準とはいえない

      箇条書きでポイントを列挙するとこのようになります。全てを体系的に理解するためには生産基準の具体例なども必要で、これらの全てを簿記2級の段階で全て理解するのは難しいです。

      なので「商品の動き(発送)に合わせて売上を認識するのが原則」「特殊商品売買は商品の動き(発送)に合わせて売上を認識しない(例外)」との説明にとどめています。

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