損益計算書(報告式)

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では報告式の損益計算書について解説します。

簿記3級で学習した損益計算書

簿記3級で学習した損益計算書は次のようなものでした(金額は例です)。

損益計算書

このような損益計算書の書式を勘定式といいます。

損益計算書(報告式)

実際の財務諸表では報告式の方が一般的です。簿記2級では報告式を学習します。

報告式の損益計算書は次の図のようになります(金額は例です)。

損益計算書(報告式)

以下、それぞれの項目についてお伝えします。

Ⅰ売上高

当期の商品の売上の金額を表示します。この売上高に記載される金額は値引き・返品・割戻を除いた純売上高となります。

「売上高」に表示される項目は『売上高』になります。

Ⅱ売上原価

販売した商品の原価を表示します。この売上原価に記載される金額はⅠの売上高と対応した金額となります。

「売上原価」に表示される項目は『期首商品棚卸高』『当期商品仕入高』『期末商品棚卸高』になります。

Ⅲ販売費および一般管理費

売上原価とはならないもので、商品を売り上げるのに必要だった費用を表示します

「販売費および一般管理費」に表示される項目は『給料』『旅費交通費』『減価償却費』『のれん償却』『貸倒引当金繰入』『研究開発費』『退職給付費用』などがあります。

ここに挙げたのはあくまでも一例です。徐々に身につけていくようにしましょう。

Ⅳ営業外収益

営業活動以外で得た収益を表示します。「営業外収益」に表示される項目は『受取利息』『有価証券利息』『受取配当金』『雑益』などがあります。

ここに挙げたのはあくまでも一例です。徐々に身につけていくようにしましょう。

Ⅴ営業外費用

営業活動以外で必要だった費用を表示します。「営業外費用」に表示される項目は『支払利息』『社債利息』『開業費償却』『新株発行費償却』『社債発行費償却』『手形売却損』『雑損』などがあります。

ここに挙げたのはあくまでも一例です。徐々に身につけていくようにしましょう。

Ⅵ特別利益

毎期発生するわけではない収益を表示します。「特別利益」に表示される項目は『固定資産売却益』などがあります。

ここに挙げたのはあくまでも一例です。徐々に身につけていくようにしましょう。

Ⅶ特別損失

毎期発生するわけではない費用を表示します。「特別損失」に表示される項目は『固定資産売却損』『火災損失』などがあります。

ここに挙げたのはあくまでも一例です。徐々に身につけていくようにしましょう。

このように費用や収益はその勘定の性質に応じてⅠ~Ⅶのどこかに表示されます。勘定の性質を確認しながら覚えていくと理解が深まると思います。

棚卸減耗費の損益計算書(報告式)の表示

先ほど、費用は勘定の性質により『売上原価』『販売費および一般管理費』『営業外費用』『特別損失』のどこかに表示されると解説しました。

ほとんどの勘定科目ごとにどこに表示されるかは決まっているのですが、棚卸減耗費は簡単にいかない場合はあります。状況によって『売上原価』『販売費および一般管理費』『営業外費用』『特別損失』のどこに表示されるのかが変わるのです。

どこに記載されるのかのキーワードは『原価性があるのか、ないのか』『いつも起こるのか、今年だけなのか』『金額は大きいのか、小さいのか』です。

原価性でまず分かれる

結論からお伝えすると次のようになります。

  • 原価性がある場合…『売上原価』『販売費および一般管理費』のどちらか
  • 原価性がない場合…『営業外費用』『特別損失』のどちらか

では、原価性とは何でしょうか。一言で言えば、『その費用が営業を行う上でまず間違いなく発生する場合には原価性がある』『その費用が営業を行う上で必ず発生するわけではない場合には原価性がない』ということになります。

例えば、『商品を運んでいるときに3リットルは必ず蒸発してしまう。この蒸発を防ぐためにはとてつもなく手間がかかるため蒸発は仕方がない。』といった場合、これはどうしても発生してしまう棚卸減耗なので原価性があるということになります。

逆に『カギをかけ忘れて商品を盗まれた』といった場合、これはどうしても発生してしまう棚卸減耗とはいえません。これは原価性がないということになります。

『売上原価』と『販売費および一般管理費』の違い

原価性のある棚卸減耗費は通常は売上原価に算入します。上の例である『商品を運んでいるときに3リットルは必ず蒸発してしまう。この蒸発を防ぐためにはとてつもなく手間がかかるため蒸発は仕方がない。』といった場合も売上原価に算入することになります。

原価性のある棚卸減耗費が販売費および一般管理費に表示される場合は『見本品として商品を展示していた結果蒸発した』などでしょうか。販売促進目的で発生した棚卸減耗費に原価性がある場合には販売費および一般管理費に表示します。

『営業外費用』と『特別損失』の違い

原価性のない棚卸減耗費で次の両方を満たす場合は特別損失になります。

  • 臨時で発生したもので、毎年発生するわけではない
  • 金額が大きい

逆に、どちらかもしくはどちらも満たさない場合には営業外費用になります。表で表すと次のようになります。

金額\臨時性 今年だけ いつも
多額 特別損失 営業外費用
少額 営業外費用 営業外費用

簿記2級的には…

棚卸減耗費がどこに表示されるのかは極めて微妙な場合も多く、簿記2級で表示科目を自分で考えなければならない問題はまず出題されません

問題文に必ず指示があると思って構いません。「棚卸減耗費は○○とする」という指示があるので、見落とさないようにしてください

商品評価損の損益計算書(報告式)の表示

先ほど、費用は勘定の性質により『売上原価』『販売費および一般管理費』『営業外費用』『特別損失』のどこかに表示されるとお伝えしました。

ほとんどの勘定科目ごとにどこに表示されるかは決まっているのですが、棚卸減耗費の場合と同様に商品評価損の場合も簡単にいかない場合はあります。状況によって『売上原価』『特別損失』のどちらに表示されるのかが変わるのです。

どこに記載されるのかのキーワードは『いつも起こるのか、今年だけなのか』『金額は大きいのか、小さいのか』です。

『売上原価』と『特別損失』の違い

商品評価損は次の両方を満たす場合は特別損失になります。

  • 臨時で発生したもので、毎年発生するわけではない
  • 金額が大きい

逆に、どちらかもしくはどちらも満たさない場合には売上原価になります。表で表すと次のようになります。

金額\臨時性 今年だけ いつも
多額 特別損失 売上原価
少額 売上原価 売上原価

簿記2級的には…

商品評価損がどこに表示されるのかは極めて微妙な場合も多く、簿記2級で表示科目を自分で考えなければならない問題はまず出題されません

問題文に必ず指示があると思って構いません。「商品評価損は○○とする」という指示があるので、見落とさないようにしてください

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“損益計算書(報告式)” への6件のフィードバック

  1. りき より:

    とても参考になりました

  2. モモンガ より:

    ■営業外費用?

    商品評価損は売上原価か特別損失になるということですが、表で表されたところをみると、特別損失以外が営業外費用になっています。これは売上原価の間違いですか?

    • dokuboki より:

      ご指摘ありがとうございます。おっしゃるとおり売上原価の間違いです。すぐに訂正させていただきます。

  3. ゴンドラマスター より:

    現況報告

    簿記1級のなかで【社債の買入償還】のところで急ブレーキがかかりました

    とにかく【利息法】がややこしいです

    この仕訳の難しさは最初に「クーポン利息」と「表面利息」の【差額】が「社債」の「償却額」になってそれから【社債償還損益】を計算してそのときに「償却原価」を出してそれから最後に「未払社債利息」がきます

    またその際に【償却額】も出して「クーポン利息」も計算します

    もしこの仕訳が仕訳問題で出たらかなり苦戦するでしょう

    しかし実際仕訳問題では出題されないから助かりますがw

    というわけで苦戦中ですがなんとかがんばります

    来週は【月例試験】があります

    • dokuboki より:

      社債の買入償還は難易度高いですよね。私も苦労した記憶があります。特に利息法が大変ですね。

      月例試験もがんばってください。応援しています。

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