単一仕訳帳制と複数仕訳帳制

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では単一仕訳帳制と複数仕訳帳制について解説します。

単一仕訳帳制

取引を帳簿に記帳する体系(帳簿組織といいます)には、単一仕訳帳制と複数仕訳帳制があります。これは文字通り、仕訳帳が1つの帳簿組織が単一仕訳帳制、仕訳帳が複数ある帳簿組織が複数仕訳帳制です。

ちなみに今まで学習してきた内容は全て単一仕訳帳制です。図で示すと次のようになります。

単一仕訳帳制

単一仕訳帳制は、全ての取引を発生した順番にひとつの仕訳帳に仕訳をし、そのたびに総勘定元帳に転記する方法です。詳細な記録が必要なものについては補助簿を使います。

単一仕訳帳制は帳簿組織の基本です。しかし、取引の回数が増えてくると、「仕訳・転記・補助簿への記入」という作業を取引ごとに行うことになるため手間はかなりのものになります。

例えば、商品を掛と現金で仕入れた場合、次の6つの帳簿に記帳しなければなりません。

  • 主要簿(仕訳帳、総勘定元帳)
  • 補助簿(現金出納帳、仕入帳、買掛金元帳、商品有高帳)

これでは大変なので、通常の仕訳帳のほかに補助簿を仕訳帳として利用することでこの手間を減らす方法が考えられました。それが複数仕訳帳制です(複数仕訳帳制については後半でお伝えします)。

補助記入帳と補助元帳

単一仕訳帳制を図で表すと次のようになります。

単一仕訳帳制

この図で補助記入帳と補助元帳という言葉が出てきています。どちらも補助簿です。これらの違いについてお伝えします。

補助記入帳

補助記入帳は、特定の取引の詳細を取引の発生順に記録する補助簿です。具体例としては、次のようなものがあります。

  • 現金出納帳…現金勘定の取引の詳細を記録
  • 当座預金出納帳…当座預金勘定の取引の詳細を記録
  • 仕入帳…仕入勘定の取引の詳細を記録
  • 売上帳…売上勘定の取引の詳細を記録
  • 受取手形記入帳…受取手形勘定の増加取引の詳細を記録
  • 支払手形記入帳…支払手形勘定の増加取引の詳細を記録

これらの補助記入帳は勘定科目ごとに1冊だけです。現金出納帳を2冊使うことはありません。

また、補助記入帳は仕訳帳から転記するのではありません。仕訳を切るときに同時に記帳するのです。この点は誤解されやすいところなのでしっかりと身につけておきましょう。

補助元帳

補助元帳は、特定の勘定科目の内訳を記録する補助簿です。具体例としては、次のようなものがあります。

  • 売掛金元帳…売掛金勘定を得意先ごとに分類して記録
  • 買掛金元帳…買掛金勘定を仕入先ごとに分類して記録
  • 商品有高帳…繰越商品勘定・仕入勘定を商品ごとに分類して記録

これらの補助元帳は勘定科目ごとに複数になることが一般的です。売掛金元帳は得意先の数だけ作りますし、商品有高帳は商品の種類の数だけ作ります。

また、補助元帳は総勘定元帳から転記するのではありません。総勘定元帳に転記するときに同時に転記します

補助記入帳と補助元帳の違い

補助記入帳と補助元帳の違いをまとめると次の表のようになります。

補助記入帳 補助元帳
記録することがら 特定の取引の詳細 特定の勘定科目の内訳
帳簿の冊数 1冊ずつ 通常は複数
記帳のタイミング 仕訳と同時 転記と同時
特殊仕訳帳に なりえる なりえない

最後の段についてはこれから詳しく説明していきます。

複数仕訳帳制

単一仕訳帳制は手間がかかるというデメリットがあります。そこで、この手間を減らすために考え出されたのが複数仕訳帳制です。複数仕訳帳制では補助記入帳を仕訳帳として利用します。図で示すと次のようになります。

複数仕訳帳制

仕訳帳の役割を持つ補助記入帳を「特殊仕訳帳」といい、これまで仕訳帳と呼んでいたものを「普通仕訳帳」と言いかえることで区別します。

複数仕訳帳制のメリット

複数仕訳帳制には手間を減らすというメリットがありますが、この点を詳しく解説します。

複数仕訳帳制を採用することで次の2つの意味で手間が減ります。

  • 二重記帳の手間がなくなる
  • 転記の回数が減少する

二重記帳の手間がなくなる

単一仕訳帳制を採用している会社は、全ての取引を仕訳帳に記録し、補助記入帳を採用している勘定科目については、補助記入帳にも記録することになります。つまり、単一仕訳帳制では仕訳帳と補助記入帳に同じ取引が記録されることになります

しかし、複数仕訳帳制では補助記入帳に記帳すべき勘定科目については補助記入帳(複数仕訳帳制では特殊仕訳帳)に記帳することで仕訳を切ったと考えるので普通仕訳帳には同じ取引を記帳することはありません。

つまり、複数仕訳帳制では普通仕訳帳と特殊仕訳帳に同じ取引が記録されないということになります(例外もあります)。

転記の回数が減少する

複数仕訳帳制では、転記の回数を減らすために次の方法を用います。

  • (現金出納帳における現金勘定のように)特殊仕訳帳に全てが記録される勘定科目は、年に1度合計額を総勘定元帳に転記する(月に1度の場合もあります)
  • (仕入帳における買掛金勘定のように)特殊仕訳帳によく登場する相手勘定科目は、特別欄を作ってそこに記入し、年に1度合計額を総勘定元帳に転記する(月に1度の場合もあります)

ちなみに「特殊仕訳帳に全てが記録される勘定科目」「特別欄を作った勘定科目」以外の勘定科目は諸口欄というところに記入し、そのたびに総勘定元帳に転記することになります。

簿記における諸口とは

ここのところは説明だけでは非常に分かりにくいと思うので分からなくても特に気にせず次に進みましょう。

後日、具体例を出しながら複数仕訳帳制の記帳方法を見ていくので、徐々に分かってくると思います。

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“単一仕訳帳制と複数仕訳帳制” への6件のフィードバック

  1. みんと より:

    リョウさん
    屋分遅く(笑)
    補助気入帳と補助元帳は苦手な方が多いのですよね。
    実務でもこれを習得しておけばかなり強いです。

    という私は・・・
    最適セールス・ミックスの過去問をやっと1問解きました。
    関数図表を書くとかがとっても苦手です。
    克服するまで時間がかかりそうですが逃げないで負けないでがんばろう!です。
    分からなかったら教えて下さいヽ(;´Д`)ノ
    試験にも出題回数が多いのでしっかり押さえられるようにしないとですね。
    どうしても理解できなかったらメッセしてもいいですか?

    • dokuboki より:

      メッセージしていただいて、もちろん構いません。難しいところ、理解しづらいところがあったらいつでもメッセージください。

      最適セールスミックスはヤマ場です。難しいと思いますががんばってください。応援しています。

  2. ゴンドラマスター より:

    ■もうすぐ本番

    ずいぶんお久しぶりです

    簿記1級を勉強してから半年が経過しました

    現在は「戦略的原価計算」をやっていて前回が「品質原価計算」そして今日は「原価予約」「活動基準原価計算」をやります

    いままでやった量を見てみるとあまりにも大量でまさに天文学的な規模?じゃないかと思いました(笑い)

    なにせ一通りの知識しかないのでほとんど素通りしてますw

    簿記1級を制するには「超人」にならないとダメな気がしてきました

    テキストの知識と模擬試験のレベルにかなりのひらきがあります

    とにかく基礎知識の段階なのであせらずやるしかありませんね(笑い)

    • dokuboki より:

      お久しぶりです。

      簿記1級の範囲は本当に膨大です。まずは基本からしっかりと身につけていくことが大切ですね。

      模擬試験は本番の試験よりも難しいことがあるので、できが悪くてもあまり気にすることないですよ。

      簿記の学習応援しています。

  3. みんと より:

    明日ですね
    131回
    いよいよ明日ですね。
    1年前の6月に2級を合格してから間を置かずに1級の勉強を始めて、当初は明日受験の目標でした。
    が・・・目標先延ばしの連続です。

    明日が試験
    緊張と不安が高なる前日
    思い出します

    1級でも受験できる回の目標設定ができるように過去問レベルまで持って行きたいです。

    受験生の皆様
    明日は今までの勉強の実力を発揮して下さいね!!(リョウさんに便乗です)

    • dokuboki より:

      コメントありがとうございます。

      いよいよ明日ですね。今までがんばってこられた方が実力をきちんと発揮できるよう私も願っています。

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