ファイナンス・リース取引の会計処理

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。前回はリース取引(概論)でリース取引そのものについてお伝えしました。この記事ではファイナンス・リース取引の会計処理について解説します。

ファイナンス・リース取引の会計処理

ファイナンス・リース取引だと判定されたリース物件については、通常の固定資産の売買取引と同じように考えて会計処理を行います(実質的には売買取引だからです。賃貸借と同じように考えた会計処理は使えません。)。この会計処理の流れは次のようになります。

  1. リース資産とリース債務を計上する(リース取引の開始時)
  2. 支払リース料の処理を行う(リース料の支払時)
  3. リース資産を償却する(決算時)

この流れはファイナンス・リース取引の会計処理に共通なのですが、具体的な処理方法にはいくつかの種類があります。

その中で、簿記2級では「利子込み法」と「利子抜き法(定額法)」が出題されます(原則は「利子抜き法(利息法)」です。「利子抜き法(利息法)」は簿記1級で学習します。)。

利子込み法

支払リース料には「リース債務(元本)の返済」と「支払利息」が含まれています。この「支払利息」を「リース債務」に含めて会計処理を行う方法が「利子込み法」です

利子込み法の場合、次のように考えて会計処理を行っていきます。

1.リース資産とリース債務を計上する

通常の固定資産の売買取引と同じ考え方で会計処理を行うので、まずは借方にリース資産を取得する仕訳を切ることになります。

リース資産の取得原価には「そのリース資産の取得原価」が合理的なのですが、利子込み法の場合、計上するリース資産の金額に利息相当額を含めるので、リース資産の取得原価は「支払リース料の総額」になります。

支払リース料の総額は、リース資産の貸手側がリース資産の取得原価に利息相当額(貸手側にとっては利益)を加算して決めた金額なので、このような理屈になります。

次は貸方です。貸方にはリース債務を計上します。リース開始時にはリース物件の価値を表す「リース資産」と負った債務である「リース債務」は同額のはずです。なので同じ金額を貸方に「リース債務」として計上します。

2.支払リース料の処理を行う

賃貸借取引であれば、支払ったリース料は「支払リース料」で処理します。ですが、ファイナンス・リース取引の場合は賃貸借取引で処理することはできません。

ファイナンス・リース取引の場合、支払リース料は「支払利息分」と「リース債務の返済分」でできています。ですが、利子込み法では支払利息を含めた金額でリース債務を計上しているので、支払リース料の全額がリース債務の返済となります。

3.リース資産を償却する

ファイナンス・リース取引では、固定資産を取得した場合と同じ考え方でリース取引の会計処理を行います。なので、減価償却を行う必要があります。この減価償却は「耐用年数はリース期間」「残存価額は0」として行うことになります。

簿記2級で学習するリース取引は「リース期間終了後、リース物件をリース会社に返却するリース取引」を想定しています(いわゆる「買取リース」ではないということです)。

リース物件を返済すると考えれば「減価償却期間がリース期間であること」「残存価額が0であること」が理解できると思います。

利子抜き法(定額法)

支払リース料には「リース債務(元本)の返済」と「支払利息」が含まれています。この「支払利息」を「リース債務」から区別して会計処理を行うのが「利子抜き法」です

区別された利息を毎期一定額になるように計上していく会計処理が「利子抜き法(定額法)」となります。

「利子抜き法(定額法)」の場合、次のように考えて会計処理を行っていきます。

1.リース資産とリース債務を計上する

通常の固定資産の売買取引と同じ考え方で会計処理を行うので、まずは借方にリース資産を取得する仕訳を切ることになります。

リース資産の取得原価には「そのリース資産の取得原価」が合理的です。この「そのリース資産の取得原価」に最も近いのは「貸手の購入価額」です。

ですが、「貸手の購入価額」は通常は借手側は知ることができません(もし分かるのであれば「貸手の購入価額」で計上します。)。そこで「貸手の購入価額」の代わりになりそうな金額である「見積購入価額」で計上します。

次は貸方です。貸方にはリース債務を計上します。リース開始時にはリース物件の価値を表す「リース資産」と負った債務である「リース債務」は同額のはずです。なので同じ金額を貸方に「リース債務」として計上します。

2.支払リース料の処理を行う

賃貸借取引であれば、支払ったリース料は「支払リース料」で処理します。ですが、ファイナンス・リース取引の場合は賃貸借取引で処理することはできません。

ファイナンス・リース取引の場合、支払リース料は「支払利息分」と「リース債務の返済分」でできています。支払リース料のうちリース債務の返済分はリース債務として計上し、支払リース料とリース債務の差額を支払利息として計上することになります。

3.リース資産を償却する

ファイナンス・リース取引では、固定資産を取得した場合と同じ考え方でリース取引の会計処理を行います。なので、減価償却を行わなければなりません。この減価償却は「耐用年数はリース期間」「残存価額は0」として行うことになります。

簿記2級で学習するリース取引は「リース期間終了後、リース物件をリース会社に返却するリース取引」を想定しています(いわゆる「買取リース」ではないということです。)。

リース物件を返済すると考えれば「減価償却期間がリース期間であること」「残存価額が0であること」が理解できると思います。)。

次回以降、利子込み法と利子抜き法の具体例についてお伝えしていきます。

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