【無料PDF】簿記1級合格のための5つの秘訣

無料PDF「簿記1級合格のための5つの秘訣」を手に入れて、
楽しみながら簿記1級に合格しよう。

ここをクリックして今すぐ無料PDFを手に入れる

資本的支出と修繕費の会計処理の違いとは【仕訳と勘定科目を具体例でわかりやすく】

スポンサーリンク
  • 簿記を勉強していると資本的支出っていう内容が出てきたんだけど……
  • 資本的支出と修繕費の違いが分からない
  • 資本的支出について教えて!

資本的支出と修繕費の違いは分かりにくいので、資本的支出とすべきところを修繕費として仕訳してしまう方が非常に多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん資本的支出についても修繕費ついても熟知しています。

この記事では資本的支出と修繕費についてわかりやすく解説します。

この記事を読めば資本的支出と修繕費について理解できるので、簿記2級の試験で資本的支出と修繕費に関する問題が出題されても自信を持って解くことができます。

結論を一言で言うと、資産としての価値が増加する修繕は資本的支出として会計処理を行います。資産としての価値が増加しない、ただの修繕の場合は修繕費として会計処理を行います。

スポンサーリンク

資本的支出と修繕費(収益的支出)の会計処理の違い

建物の改築や修理などを行った場合、支出額を修繕費(費用)とする場合と建物(資産)とする場合があります。

「建物(資産)とする」ということは「建物の取得原価に加算する」ということと同じです。

なぜこのように会計処理が分かれるのかについて理解するために、改築や修理をする場合について次の2つの場合について考えてみましょう。

  1. 故障した場所を元の状態に戻す場合(パンク修理や割れた窓ガラスの修理など)
  2. 元の状態よりも価値が増加するような場合(窓ガラスが割れて強化ガラスに変えた場合など)

簿記ではこの2つの取引は明確に分けなければなりません。

1の場合はただの修理で、資産の価値が増加しているわけではありません。よって、支出額は修繕費という費用の勘定科目で会計処理を行うことが適当です。

対して2の場合はただの修理ではなく資産の価値が増加しています。資産の増加に対しての支出額を費用として会計処理を行うのはまずいです。資産として会計処理を行う方が明らかに筋が通ります。

そこで、建物や備品などの固定資産の勘定科目で表すことになります。

固定資産の勘定科目になるような支出のことを「資本的支出」といいます。

資本的支出の場合は固定資産として計上し、減価償却することで、耐用年数にわたって費用化していくことになります。

対して費用となる支出のことを「収益的支出」といいます。収益的支出の場合は支払った会計期間に全額が費用になります。

スポンサーリンク

資本的支出と修繕費(収益的支出)の見分け方

日商簿記では資本的支出と修繕費は次の形で見分ければ十分です。

資本的支出の事例:「資産価値の増加」または「耐用年数の延長」

日商簿記で資本的支出と考える場合は次の4つの場合です。

  • 資本的支出と書かれている場合
  • 修繕費と書かれていない場合
  • 資産の価値が増加していることが読み取れる場合
  • 耐用年数の延長に影響している場合

これらのことが問題文から読み取れる場合には資本的支出と考えて建物や備品などの固定資産の勘定科目で会計処理を行います。

修繕費(収益的支出)の事例:「資産価値の増加」も「耐用年数の延長」もない

日商簿記で修繕費と考える場合は次の4つの場合です。

  • 資本的支出と書かれていない場合
  • 修繕費と書かれている場合
  • 資産の価値が増加しているとは読み取れない場合
  • 耐用年数の延長に影響していない場合

これらのことが問題文から読み取れる場合には修繕費という勘定科目で会計処理を行います。

キーワードは「資産価値の増加」と「耐用年数の延長」です。耐用年数が長くなるということは資産価値が増加しているということなので、結局のところは「資産価値の増加」ということになります。

簿記2級では資本的支出の金額や修繕費の金額を計算する問題は出題されないので、「資産価値の増加」と「耐用年数の延長」を意識しておけば間違えてしまうことはありません。

資本的支出と修繕費の判定はケースバイケースで行うことになります。

例えば、一言で「外壁塗装」と言っても、「ひび割れやはがれの補修」であれば修繕費になりますが、「より美しい塗り替え」であれば資本的支出になります。

同様に、一言で「リフォーム」と言っても、「オーバーホール(分解調整)」であれば修繕費ですが、「より耐久力のある材料へと交換」であれば資本的支出です。

言葉で決めつけずに取引の内容から考えることが大切です。

スポンサーリンク

資本的支出(建物の改修)の仕訳

例題

建物の外壁が傷んできたので、1,000,000円を現金で支払って改修した。改修により建物の耐用年数が延長した。

この例題の仕訳について考えてみましょう。

現金で1,000,000円支払っているので『(貸)現金1,000,000』となります。

問題は借方です。改修をしているのですが、改修により耐用年数が延長したと書いてあります

よって、修繕費という費用の勘定科目ではなく建物という資産の勘定科目で会計処理を行います。『(借)建物1,000,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方金額貸方金額
建物1,000,000現金1,000,000

修繕費という費用の勘定科目で会計処理を行う場合と資本的支出として固定資産の勘定科目で会計処理を行う場合の違いをきちんと理解しておくことが重要です。

スポンサーリンク

修繕費(建物の修理)の仕訳

例題

災害で屋根が壊れたので1,000,000円を現金で支払って修理した。修理は元に戻しただけで資産の価値は増加していない。

この例題の仕訳について考えてみましょう。

現金で1,000,000円支払っているので『(貸)現金1,000,000』となります。

問題は借方です。修理をしているのですが、修理により資産の価値は増加していないと書いてあります

よって、修繕費という費用の勘定科目で会計処理を行います。『(借)修繕費1,000,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方金額貸方金額
修繕費1,000,000現金1,000,000

修繕費という費用の勘定科目で会計処理を行う場合と資本的支出として固定資産の勘定科目で会計処理を行う場合の違いをきちんと理解しておくことが重要です。

スポンサーリンク

【まとめ】資本的支出と修繕費とは【仕訳と勘定科目を具体例でわかりやすく】

資産としての価値が増加する修繕は資本的支出として会計処理を行います。資産としての価値が増加しない、ただの修繕の場合は修繕費として会計処理を行います。

「資産価値の増加」と「耐用年数の延長」のどちらかがあれば資本的支出と考えることになります。

関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました