工業簿記2級の勉強に入る前に復習しておきたい数学

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。

簿記3級までは足し算、引き算、かけ算、わり算さえしっかりとしておけば特に問題はありません。しかし、簿記2級になると工業簿記が試験範囲に入ってきます。この工業簿記では連立方程式や1次関数が必要になります。これらは中学数学で登場するものです。

この記事では簿記2級の勉強に入る前に復習しておきたい数学について解説します。

連立方程式

次のような式を連立方程式といいます。

63,200=a+100b
79,200=a+180b

式の立て方そのものは簿記2級で詳しく学習するので、そこできちんと身につければ大丈夫です。しかしこの式の解き方そのものは中学数学の範囲である ため、特に詳しくは学習しません。

なので、この式が解けなければ答えが求められないことになってしまいます。ここでできるようにしておきましょう。上の連立方程式を使って説明します。

63,200=a+100b … 1
79,200=a+180b … 2

まずこの式を解く前に次の4つの性質を理解しておくことが大切です。

  1. 同じものに同じものを足したら、その答えは同じになる
  2. 同じものから同じものを引いたら、その答えは同じになる
  3. 同じものに同じものをかけたら、その答えは同じになる
  4. 同じものを同じもので割ったら、その答えは同じになる

「同じもの」というのを「てんびんがつりあっているときの『左』と『右』」と考えると分かりやすいと思います。そのようにニュアンスを変えて、上の4つの性質を書き換えてみます。

  1. てんびんがつりあっている状態で、左右両方に同じものを入れてもつりあったまま
  2. てんびんがつりあっている状態で、左右両方から同じものを取り除いてもつりあったまま
  3. てんびんがつりあっている状態で、左右両方を何倍かしてもつりあったまま
  4. てんびんがつりあっている状態で、左右両方何分の1かしてもつりあったまま

まずはこの感覚を徹底的に頭に入れることが必要です。このつりあった状態を維持したまま式を変形してaとbを求めます。

では、式をもう一度書いて解いていきましょう。

63,200=a+100b … 1
79,200=a+180b … 2

1の式は「63,200」と「a+100b」が同じだという意味です。同様に2の式は「79,200」と「a+180b」が同じだという意味です。

「同じもから同じものを引いたら、その答えは同じになる」という性質から次の式が成り立ちます。

63,200-79,200=a+100b-(a+180b)

かっこを外します。

63,200-79,200=a+100b-a-180b

となります。ちなみに、「-(a+180b)」は「aと180bの合計を引く」という意味なので、「-a-180b」となります。この式を簡単にします。

-16,000=-80b

4の「同じものを同じもので割ったら、その答えは同じになる」という性質を利用して、左右両方を-80で割ります。

-16,000÷(-80)=-80b÷(-80)

計算します。

200=b

bが200と求まります。bが200だと分かったので、1の式である「63,200=a+100b」は「63,200=a+100×200」と同じになります(数学っぽく言うと、bに200を代入しています)。

あとはこの式を解きます。

63,200=a+100×200

63,200=a+20,000

「同じもから同じものを引いたら、その答えは同じになる」という性質を利用して、左右両方から20,000を引きます。

63,200-20,000=a+20,000-20,000

43,200=a

aが43,200と求まります。これでaとbの両方が求まりました。

ちなみに、慣れてくると「63,200=a+20,000」を「63,200-20,000=a」に一発で持っていけます。この式変形は20,000がプラスマイナスが入れ替わって左右を移動しているように見えます。これを移項といいます。

簿記2級でよく使うこの連立方程式を思い出しておくことが大切です。

1次関数

次のような式が1次関数の式です。

y=ax+b

この式がどのように使われるのかは簿記2級で詳しく学習しますが、この式そのものについては特に簿記2級では学習しません。ここで分かるようにしておきましょう。

関数について

1次関数に入る前に、関数とは何かについて知っておく必要があります。「yはxの関数である」という言葉は「xが決まれば自動的にyが決まる」という意味になります。

例えば、1個100円の大根があったとします。xが購入量、yが全体の代金だったとします。この場合、x(購入量)が決まれば、y(全体の代金)も自動的に決まります。これが関数という意味です。

1次とは…

関数については先ほどの通りですが、このxとyの関係には色々なものがありえます。例えばyが面積、xが正方形の1辺の長さだった場合、yはxを2回かけたものになります。このようにyがxを2回かけることで求まるような関数を2次関数といいます。

逆にxを1回しかかけない場合は1次関数です。先ほどの大根の例は1次関数です。

工業簿記における1次関数

工業簿記ではxが操業度(設備装置の使用量)、yが発生する費用の形で出されます。

操業度や費用のイメージが工業簿記を学習する前の段階では難しい ので、ここではxをエアコンの使用時間、yを電気代として考えてみましょう。ちなみに、電気を使うものはエアコン以外にはないものとします。

この場合、エアコンの使用時間が決まれば自動的に電気代も決まります。なので、yはxの関数であるといえます。しかし、この関係は簡単には分かりません。そこで、具体的に調べることになります。過去の経験から次の2つの情報が分かったとしましょう。

  • エアコンを100時間つけたときに、電気代は20,000円だった
  • エアコンを200時間つけたときに、電気代は30,000円だった

この情報が分かることで、x(エアコンの使用時間)とy(電気代)の関係を表す式が計算できます。

xが100のときにyが20,000だということが分かっているので、y=ax+bのxを100に、yを20,000に変えてもいいということです。よって、「20,000=100a+b」となります。

同様にxが200のときにyが30,000だということが分かっているので、y=ax+bのxを200に、yを30,000に変えてもいいということです。よって、「30,000=200a+b」となります。

20,000=100a+b
30,000=200a+b

この連立方程式を解くことで、a=100、b=10,000だと分かります(連立方程式の解き方については先ほど解説したとおりです)。また、xとyの関係を表した式はy=100x+10,000だと分かります。

1次関数の式の意味

このようにして求めた「y=100x+10,000」の意味についても考えておきましょう。

まずは10,000の意味から考えてみましょう。10,000という数字はxが0のときのyです。つまり、エアコンを全く使っていないときの電気代を表します。電気代というのは基本料金というものがあるので、全く使わなくても0にはなりません。

つまり、この10,000という数字は全く使わなくても 支払わなくてはいけない費用、工業簿記の言葉を使うと「固定費」を表します。y=ax+bのbは固定費を表すということです。

次は100の意味を考えてみましょう。この式の意味を考えると、「xが1増えるごとにyが100増える」ということがわかります。つまり、「エアコンを1時間使うごとに増える電気代」を表します。y=ax+bのaはxが1変化したときのyの変化量を表すということです。

このようにそれぞれの数字の意味を1次関数と合わせて理解しておくことで簿記の理解も進みます。

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