簿記における「振替」~再振替仕訳など~

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。簿記を学習していると「再振替仕訳」のように「振替」という言葉が色々なところで出てきます。この記事では色々なところで出てくる「振替」について解説します。

簿記でいう「振り替える」とは

ある勘定科目からある勘定科目へ金額を移し替えることを「振り替える」と言います

仮に製造業を行っている場合、作りかけだったものが完成したら帳簿においても「作りかけのもの(仕掛品)」と記録されているものを「完成品(製品)」に変えなければなりません。この処理を、「仕掛品という勘定科目から製品という勘定科目へ振り替える」と言ったりします。

また、消耗品という勘定科目で処理していたものが本当は現金だった場合などには、消耗品という勘定科目から現金という勘定科目へ金額を移し替える必要があります。この処理を「消耗品を現金に振り替える」と言ったりします。

振替仕訳とは

振り替えるために仕訳を振替仕訳ということがあります。振替仕訳の例として次のような仕訳があります。

先ほどの仕掛品から製品への振り替えを仕訳で表すと次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
製品 ××× 仕掛品 ×××

この仕訳は借方にある仕掛品という勘定科目を消しゴムで消して製品に書き直すことと同じ効果があります。

このように振替仕訳というのは消しゴムで消して書き換えることと同じです。不正のもとになるため帳簿では消しゴムは使えないのでこのような処理をします。変化を消しゴムではなく仕訳で行うのが振替仕訳だと言えます。

簿記における「振替」

簿記を学習していると「振替」という言葉が次のように色々なところで出てきます。

  • 再振替仕訳
  • 決算振替仕訳
  • 経過勘定の振替
  • 振替価格
  • 振替損益
  • 振替伝票

再振替仕訳

経過勘定の振替の逆仕訳を再振替仕訳といいます。前期に計上した経過勘定を本来の収益や費用に戻すという意味があります。

再振替仕訳は理論上はいつ行ってもいいのですが、いつしてもよいとしてしまうと処理忘れや二重仕訳が発生してしまうので期首に行うことになっています。

また、満期日に行うのが合理的だという考え方もありますが、実務的には手間になるので採用されていません。

≫再振替仕訳については費用の繰延べの仕訳(簿記2級)収益の繰延べの仕訳(簿記2級)で詳しくお伝えしています。

決算振替仕訳

決算整理仕訳が終わったあとに行うのが決算振替仕訳です。収益と費用を損益勘定に振り替え、損益勘定を繰越利益剰余金(個人事業主では資本金)に振り替えるからこのような名前になっています。

決算振替仕訳(簿記3級)
決算振替仕訳(簿記2級)

経過勘定の振替

次の仕訳のように、未払費用や前受収益などを計上する仕訳が経過勘定の振替です。

借方 金額 貸方 金額
支払利息
受取利息
×××
×××
未払利息
前受収益
×××
×××

経過勘定の振替は適切に期間損益を計算するために行います

振替価格

本店から支店に商品を送付するときに一定の利益を上乗せして送付することがあります。そうやって送付したときの価格を振替価格といいます。

振替価格は内部利益を含んでいるので、その商品が期末に売れ残っている場合は内部利益を除去して財務諸表に表示しなければなりません

振替損益

振替損益という言葉はあまり見ませんが、これは企業会計原則の注解11に出てきます。製造業において、「材料仕掛品製品」と原価が振り替えられていく間に含まれていく損益です。

企業会計原則の注解11にもありますが、振替損益は内部利益ではないので、振替価格のように内部利益は除去しません

振替伝票

現金が関係していない取引を「振替取引」と言います。なので現金が関係していない取引しか書かれない伝票が振替伝票という名前になっています。

現金が関係していない取引を「振替取引」というのには意味があります。「最終的には現金での動きが重要で、現金が関係しない取引は最終的には現金に振り替えられる」という考え方が現金が関係していない取引を「振替取引」ということにつながっているのです。

このように「振替」という言葉は色々なところで出てきていますが、振替自体の意味は変わりません。この記事の内容を理解しておくと簿記の理解も深まると思います。

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