試験問題の本質

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試験問題の本質を考えるためには受験する方の立場から見るのではなく、試験を行う側の立場から見る必要があります。この記事では試験問題の本質についてお伝えします。

試験問題は合格者にふさわしい能力がある人が合格するように作る

試験問題は適当に作っているわけではありません。きちんとした意図があります。それは「合格者にふさわしい能力がある人が合格する」問題を作るということです。

簿記検定で言えば、「簿記3級の合格者は○○ができる人」「簿記2級の合格者は○○ができる人」「簿記1級の合格者は○○ができる人」といったように、合格者に求める実力があります。その実力を備えている人だけが合格し、その実力を備えていない人は不合格になる試験問題を作るのが理想的です。

このような試験問題を理想とする理由は次の2つです。

  • 実力がない人が多数合格してしまうと簿記検定の合格者に対する信用がなくなり、持っていても意味がない資格になってしまう
  • 実力があるのに合格できない人が多数出てしまうと、簿記検定の合格者でなくても信用できるので、資格を持っている必要がなくなってしまう

これらはいずれにしても試験を行っている組織にとって好ましくありません。やはりその資格を持っている人は実力がきちんとあり、その資格を持っていない人よりも優れていることが大切なのです。

そのように考えると試験問題の次のような本質が見えてきます。

  • 試験問題の傾向や試験範囲はほとんど変わらない
  • 難問・奇問は特に大切ではない
  • 過去問演習だけで合格を狙うのは効率が悪い

試験問題の傾向や試験範囲はほとんど変わらない

試験問題の傾向や試験範囲がころころと変わることはありえません。なぜなら、これらが変わるということは、回によって試験を行っている組織が合格者に要求する実力が変わるということです。

これでは簿記検定に合格した回によって合格者に備わっている能力が違うということになります。これはその資格の価値を下げることになってしまいます。このようなことを試験を行っている組織が望むわけはないので、試験問題の傾向や試験範囲はほとんど変わらないと言えます(法律や会計基準が変わった場合は除きます。)。

難問・奇問は特に大切ではない

難問・奇問が解けない人を合格させないことを試験を行っている組織が望むわけがありません。「難問・奇問が解けない」=「実力がない」とはならないからです。簿記検定の合格者に要求するのはあくまでも「簿記や会計の知識や理解」であって「難問・奇問を解く能力」ではありません。難問・奇問は特に意識する必要はありません

では、なぜ難問・奇問を出題するのかといえば、それは「簿記の実力は足りていないのに、ただ出題傾向に慣れ、得点を取る力だけをつけている受験生を不合格にするため」です。

難問・奇問が一切なければ、簿記について何も理解していない人でも過去問演習を徹底的に行うだけで合格点に達してしまいます。これでは資格の価値が落ちるので、難問・奇問を出題します。きちんと簿記の実力があれば難問・奇問であっても部分的に得点することはできるので問題なく合格できます

過去問演習だけで合格を狙うのは効率が悪い

合格者に要求する実力が「出題傾向に慣れる能力」であるわけがありません。むしろそうやって低い理解で高い得点を取ろうとする勉強をしてきた受験生は不合格にしたいはずです。

なので過去問演習だけで合格を狙う勉強法は試験を行っている組織と真っ向から対立する勉強法だと言えます。これは長い目で見れば効率が悪いです。やはり試験を行っている組織が合格者に望んでいるだけの実力をつけにいくのが効率的だと言えます(簿記3級までは過去問演習中心が効率的だと言える面もありますが、簿記2級以上では非効率だと言えます。)。

「試験問題はどのような人に合格してほしいのかを表している」という点を忘れないようにしてください。

最上位級は段違いに難しくなる

簿記に限らず、漢字検定や英語検定のようにいくつかの級が設定されている試験全てに言えることですが、「最上位級は段違いに難しくなる」傾向があります

これも試験を行っている側から考えるとよく分かります。「最上位の級の合格者が実力不足だとその資格の信用を大きく落としてしまうから」です。

英検1級に合格している人が全く英語をしゃべれなかったり使えなかったりしたらどうでしょう。漢検1級に合格している人が漢字を間違って書いていたらどうで しょう。その資格を持っていても仕方がないと思われてしまいます。2級や3級であれば、それほど思われないかもしれませんが1級であれば大きく信用を落と します。

簿記でも同じことです。簿記1級に合格している人が簿記や会計について理解が浅かったら、簿記1級に合格していても仕方がないということになってしまいます。

このような事態は試験を行っている組織的には絶対に避けなければなりません。なので段違いに難しくなるのです(逆に2級以下を難しくしすぎると受験者数そのものが減ってしまって運営が苦しくなるという事情もあります)。

最上位の級の合格者は、その試験を行っている組織がどこに出しても恥ずかしくない実力者だと認めた人だということです。当然それ相応の実力を身につける必要があります。それだけの覚悟を持って挑戦することが大切です。

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