簿記革命2級における特殊商品売買の取り扱いについて

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日商簿記検定では第143回から特殊商品売買が2級から1級へと移行しました。ですが、簿記革命では2級にそのまま特殊商品売買を残しています。この記事ではその意図と、簿記革命で学習する場合のポイントについてお伝えします。

簿記革命2級に特殊商品売買を残している理由

正直、簿記革命2級に特殊商品売買を残すかどうかは非常に迷いましたが、最終的に残すことに決めました。理由は次のとおりです。

  • 簿記革命はスムーズに簿記1級の合格を目指すことを目的の講座だから
  • 特殊商品売買の学習には「試算表に計上されている金額の意味を理解する」という簿記の実務の上で非常に重要な役割がある
  • 「収益の認識」など、企業会計原則との関わりから、簿記2級が最終目標であっても特殊商品売買を知らなくてもいいというわけではない
  • 特殊商品売買は税理士試験では出題される
  • 143回の時点では簿記2級に加わった内容よりも簿記2級から除かれた内容の方が多いので、特殊商品売買を簿記2級に残してもそれほど負担は大きくない

簿記革命はスムーズに簿記1級の合格を目指すことを目的の講座だから

簿記革命は簿記1級にスムーズに合格することが目的です。その目的から考えると、特殊商品売買を全て1級に回すのは学習上簿記1級の負担が大きく、目的に反すると考えられます。

簿記2級で学習する特殊商品売買は難しいと言うわけではありませんが、分量としてはかなりのものがあります。また、従来は次のような形で簿記2級と簿記1級は区分されています。

  • 簿記2級…期中の会計処理(取引を具体的にイメージ)
  • 簿記1級…決算の会計処理(収益の認識に関する会計の理解)

私はこの区分は理想的だと考えています。簿記2級で取引を具体的にイメージし、その取引から仕訳を作る能力を身につけ、簿記1級で収益の認識について理解しながら決算処理を身につける。すばらしい按配だと思います。

これら全てを簿記1級で勉強するとなると、取引をイメージするところから決算整理までを一気に大量に勉強することになり、学習上の負担は非常に大きなものになると考えられます。なかなか身につかないと考えられます。

特殊商品売買の学習には「試算表に計上されている金額の意味を理解する」という簿記の実務の上で非常に重要な役割がある

特殊商品売買は実際に取引としては使われなくなっているのは事実ですが、学習上は「試算表に計上されている金額の意味を理解する」という大きな意味があります。

この「試算表に計上されている金額の意味」をきちんと理解することは経理の実務を行っていく上で非常に重要なので、商工会議所も非常に重視しています。

特殊商品売買で最も難易度が高い問題は「一般商品売買や多くの特殊商品売買と同時に出題される問題」で、こういった問題を解くためには「試算表に計上されている金額の意味」を理解する能力が絶対に必要になります(逆に言うと仕訳だけでの出題ではこの能力は特に必要ありません。)。

なので、商工会議所が「試算表に計上されている金額の意味」をきちんと理解している人に合格証書を渡そうとするならば、このタイプの高難度の問題が出題されることになります。

このタイプの問題を解けるようになるためには従来のような「簿記2級で取引を具体的にイメージし、その取引から仕訳を作る能力を身につけ、簿記1級で収益の認識について理解しながら決算処理を身につける」という形での勉強がどうしても必要です。

簿記1級に入って1から特殊商品売買を身につけるという勉強でこのレベルまで実力をつけるのは不可能とまでは言わないまでも非常に難しいと感じています。

「収益の認識」など、企業会計原則との関わりから、簿記2級が最終目標であっても特殊商品売買を知らなくてもいいというわけではない

特殊商品売買について重要なのは、実現主義など、「収益の認識」に対する考え方です。この考え方は会計にとって最も重要な「企業会計原則」でも出てくるように非常に重要なものです。

簿記1級の出題区分表で割賦販売以外は特に重視されていないように書かれていますが、収益の認識をしっかりと理解するためにも企業会計原則を勉強するためにも、特殊商品売買を勉強しないという選択肢はありません。

特殊商品売買は税理士試験では出題される

これは日商簿記検定では特に関係ないことなのかもしれません。しかし、簿記1級の学習をしている方のうちかなりの割合で税理士試験を意識されていることを考えると無視できないともいえます。

143回の時点では簿記2級に加わった内容よりも簿記2級から除かれた内容の方が多いので、特殊商品売買を簿記2級に残してもそれほど負担は大きくない

143回の時点で簿記2級に加わった主な内容は「売上原価対立法」「ソフトウェア(自社利用のみ)」「子会社株式・関連会社株式・その他有価証券」です。それに対して143回の時点で簿記2級から除かれた主な内容は「特殊仕訳帳制」「保証債務」です(特殊商品売買は除いています)。

細かいものは他にもありますが、大きなものを見ると、特殊商品売買を勉強しても全体として分量が増えるということはありません。

こういったことを踏まえ、【簿記革命】では従来どおり簿記2級から特殊商品売買を取り扱っています。こうすることで簿記2級での学習上の負担がやや大きくなってしまいますが、簿記1級にスムーズに合格することを最終目標とした場合、従来の方式を維持すべきだと判断しています。

簿記革命で学習するときのポイント

このように、簿記革命では特殊商品売買を簿記2級で学習するのですが、簿記革命で学習される方はその状況に応じて次のような姿勢で学習されるといいと思います。

  • 簿記1級が最終目標の方…特殊商品売買をしっかりと身につけて簿記1級の学習に入る
  • 簿記2級が最終目標で、学習計画に余裕がある方…収益の認識など、重要な簿記の考え方を身につけるために特殊商品売買も手を抜かずに学習する
  • 簿記2級が最終目標で、学習計画に余裕がない方…できるだけ特殊商品売買も勉強するが、優先度は落とし、状況によっては飛ばす

基本的には、特殊商品売買も他の論点と同様に勉強すべきです。

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