日商簿記1級が価値を持つ7種類の状況

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「日商簿記1級は難しいわりに取得する価値やメリットがない」とよく言われます。こういった話を聞くと日商簿記1級を目指して勉強することが不安になってしまうかもしれません。

しかし、日商簿記1級が価値を持つ状況にある人は確実に存在します。本日は日商簿記1級をとるメリットがある人、日商簿記1級が就職に役立つのかについてお伝えします

≫日商簿記1級と経理への就職との関係について知りたい方は経理に就職するときに身につけておきたい4つのスキルをご覧ください。

日商簿記1級を取得する価値が非常に高い人

日商簿記1級を取得する価値が非常に高い人は次のような人です。

  • 税理士になりたいが、税理士試験の受験資格がない人

税理士になりたいが、税理士試験の受験資格がない人

税理士試験を受けるためには受験資格が必要です。受験資格は具体的には次のようなものがあります(あてはまる人が多いものだけ列挙しています。正確は国税庁HPをご覧下さい。)。

  • 法学部、経済学部、商学部、経営学部を卒業した人
  • 法律学、経済学に属する科目を1科目以上履修した人
  • 法律学、経済学に属する科目を含め62単位以上を取得した大学3年生以上の人
  • 弁理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士・不動産鑑定士等の業務に3年以上従事した人
  • 「法人」「事業を営む個人」の会計に関する事務に3年以上従事した人
  • 税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助の事務に3年以上従事した人
  • 税務官公署における事務又はその他の官公署における国税若しくは地方税に関する事務に3年以上従事した人

これらのどれにもあてはまっていない人が税理士試験を受ける場合、「日商簿記1級」か「全経簿記上級」のどちらかに合格する必要があります

合格するのは全経簿記上級でもいいのですが、「日商簿記1級に比べて資格自体の価値が低いこと」「通学・通信・独学のどれで学ぶにしても学習手段が少ないこと」などを理由に、全経簿記上級の合格を目指すことはお勧めしません。

全経簿記上級の合格を目指す状況として考えられるのは、「8月の税理士試験に何とかして間に合わせたかったけれど11月の日商簿記1級に合格できなかった場合」に2月の全経簿記上級を受験するという状況です(日商簿記1級は2月の試験がないからです。)。

税理士になりたいのであれば、まずは受験資格を得なければならないので、そういった状況にある方にとって日商簿記1級に合格することは非常に価値が高いと言えます。

日商簿記1級を取得する価値が高い人

「税理士になりたいが、税理士試験の受験資格がない人」ほどではないですが、日商簿記1級を取得する価値が高い人は次のような人です。

  • 大企業の経理に就職したい新卒生
  • 実務経験が豊富で大企業に転職したい人

大企業の経理に就職したい新卒生

大企業の経理に就職したい新卒生については経理に就職するときに身につけておきたい4つのスキルで詳しくお伝えしています。リンク先を参考にして下さい。

実務経験が豊富で大企業に転職したい人

実務経験が豊富で大企業に転職したい人については日商簿記1級を転職に役立たせるために必要なことで詳しくお伝えしています。リンク先を参考にして下さい。

日商簿記1級を勉強すべき人

次のどれかにあてはまる人は日商簿記1級の合格証書を手に入れ入るかどうかはともかく勉強はすべき人です。

  • 経営者や将来起業したい人
  • 会計士を目指している人
  • 財務諸表に基づいた投資を行いたい人

経営者や将来起業したい人

経営者や将来起業したい人は必ず日商簿記1級レベルの簿記・会計の力をつけてください(経営に関する会計は日商簿記1級レベルの内容です。)。試験に合格するしないは別問題として能力的に必要です。

新しく設立された会社は、統計的には最初の5年で80%が倒産し、その後の5年で残りの80%が倒産します。最初の10年で96%の会社が倒産するのです。このようになってしまう原因の多くが「経営者に簿記・会計の能力がないから」だと感じています。経営者に会計的なスキルがないと会計上の様々な問題に対応できず倒産に追い込まれてしまうのです。

ちなみに、経営者の簿記・会計の能力は経営のために必要なもので、帳簿をつけるために必要だと言うわけではありません。なので経理を雇ったり会計事務所にお願いしても解決しないので経営者自身が身につける必要があります。

会計士を目指している人

会計士の受験資格として日商簿記1級が必要だというわけではありません。しかし、会計士を目指す場合、会計士の学習内容は日商簿記1級の内容を完全に含む形になるため、日商簿記1級の内容を必ず勉強する必要があります。

なので、会計士を目指すのであればまずは日商簿記1級に合格できる簿記の力をつけて、会計士試験にステップアップしていくことをお勧めします

財務諸表に基づいた投資を行いたい人

財務諸表にもとづいた投資を行いたい場合、企業の経営状態を分析できなければなりません。そのためには財務諸表を読む力が必要です(上場企業の財務諸表を分析するためには日商簿記1級の学習範囲まで身につける必要があります。)。そのためにまず必要なのが「財務諸表を作成する力」です(その後「財務諸表を分析する力」をつけていくことで財務諸表を読めるようになります。)。

財務諸表の作り方を知らないことには財務諸表が何なのか理解できません。例えば損益計算書に出てくる「売上高」が何を意味しているのか、「売上原価」が何を意味しているのか、どのような金額が含まれているのか、こういったことが分からなければ財務諸表が意味していることが分からないのです。

このような内容は「日商簿記1級」に合格するまでの勉強の過程で自然と身につきます。

日商簿記1級の勉強を個人的に勧める人

他に日商簿記1級の勉強を勧めるのは「簿記が好きな人」です。簿記が本当の意味で面白くなってくるのが日商簿記1級からです。日商簿記2級までは「会計学」という科目がなく、「会計処理を行う理由や根拠」が特に重視されません。

簿記が楽しいと感じる方は日商簿記1級まで勉強されることをお勧めします。そして、どうせ勉強するなら日商簿記1級の試験に合格することで自信をつけて欲しいと思います。

まとめ

日商簿記1級は次のような状況の人には価値があるものになります。

  • 税理士になりたいが、税理士試験の受験資格がない人
  • 大企業の経理に就職したい新卒生
  • 実務経験が豊富で大企業に転職したい人
  • 経営者や将来起業したい人
  • 会計士を目指している人
  • 財務諸表に基づいた投資を行いたい人
  • 簿記が好きな人

このような状況にあてはまる人は日商簿記1級の合格を目指してみるといいと思います。

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