簿記1級の難易度と簿記1級に挑戦する前に確認すべき3つのポイント

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簿記1級の難易度は簿記2級までとは別次元だと聞いたことがあるのではないでしょうか。「簿記2級まではスムーズに合格できたけど簿記1級は何度受けても受からない」なんて話もよく聞きます。

こういう話を聞くと、日商簿記2級には合格できたけど、日商簿記1級に合格できるのか心配になってきます。

ですが、しっかりと準備をして簿記1級に挑戦すれば、難易度の高い日商簿記1級であっても合格できます。本日は簿記1級に挑戦する前に確認すべき3つのチェックポイントについてお伝えします。

日商簿記1級の試験情報

まず、最初に日商簿記1級に関する試験情報を確認しておきましょう。

  • 合格率:約10%(過去10回平均)
  • 合格基準:70%以上(ただし4科目全て40%以上の得点が必要)
  • 本試験時間:3時間

情報元は商工会議所HPです。

合格率は高いのか?

日商簿記1級の合格率は約10%です。これは、日商簿記2級の合格率が約30%(過去10回平均)、日商簿記3級の合格率が約40%(過去10回平均)と比べて圧倒的に低いと言えます。

もちろん合格率自体が試験の難易度を表すわけではないので参考程度に見ておくべきですが、合格率が低いというのはやはり難しいと考える一つの要素ではあります。

ちなみに、合格率については勉強の戦略を決める上で重要なことが隠されています。その内容については「簿記1級の合格率に隠された2つの真実と簿記1級合格のための方法」に詳しく書いているので参考にして下さい。

何点とったら合格できるのか?

日商簿記1級は「商業簿記」「会計学」「工業簿記」「原価計算」の4科目全体で70%以上得点すれば合格になります。ただ、どれか1科目でも40%に満たない科目があると、全体で70%以上得点していたとしても不合格になります。

「70%以上の得点で合格」という基準は日商簿記2級や日商簿記3級と同じなのですが、「どれか1科目でも40%に満たない科目があると不合格」という基準は日商簿記1級にだけあるものです。

この「どれか1科目でも40%に満たない科目があると不合格」という制度があるため、「得意科目で得点を稼ぐ」という勉強では合格が難しく、「苦手科目を作らない」という勉強を行う必要があります

試験時間は何分なのか?

日商簿記1級では「商業簿記と会計学で90分」試験があり、その後15分ほど休憩してから「工業簿記と原価計算で90分」試験があります。全体で試験時間は3時間です。

日商簿記2級や日商簿記3級では試験時間は2時間なので、試験時間は1時間長くなっていますが、途中に休憩が入るため1度に集中しなければならない時間は30分短くなっています。

普段学習するときも、「90分間集中する力をつける」という意識で勉強していれば大丈夫です。

また、試験時間が「商業簿記・会計学」と「工業簿記・原価計算」で時間が分かれているので、どちらかで多く時間を使うような戦略はとれません。試験時間の面からも「苦手科目(時間がかかる科目)を作らない」という姿勢が重要になります。

日商簿記1級に「生まれつきのセンス」や「才能」は必要なのか?

これまでの試験情報から確認したように、日商簿記1級に合格するためには「苦手科目(時間がかかる科目)を作らない」という戦略が有効に働くことが分かります。

一般的に「生まれつきのセンス」や「才能」が必要なのは「苦手なものをなくすとき」ではなく、「得意なものを人並み外れたレベルに持っていくとき」です。そういった意味では日商簿記1級の合格に「生まれつきのセンス」や「才能」は必要ありません。きちんと正しく努力すれば合格できると言えます。

日商簿記1級に挑戦する前に確認すべき3つのポイント

日商簿記1級に合格するためには「苦手科目(時間がかかる科目)を作らない」という戦略が有効に働きます。そのためには「基本をしっかりと身につけること」が極めて重要です。

では日商簿記1級における「基本」とは何なのでしょうか。それは「日商簿記2級までに学習した内容の全て」です。日商簿記2級までであれば「難問」「捨問」にあたるものでも、日商簿記1級では全て基本にあたります

というわけで、日商簿記1級の勉強を始める前に次の3つを確認することが大切です。

  • 日商簿記2級の過去問を「1時間30分以内で95点以上」取れるか
  • 日商簿記2級までの内容を暗記ではなく理解しているか
  • 日商簿記2級までの問題集や過去問5年分を最低3回解いているか

日商簿記2級の過去問を「1時間30分以内で95点以上」取れるか

先ほどお伝えした通り、「日商簿記2級までに学習した内容の全て」は日商簿記1級では基本的な内容にあたります。そう考えると日商簿記2級の過去問はできれば満点、最低でも1問の失点程度ですませて合格できる力が必要だと言えます

また、日商簿記2級は試験時間は2時間なのですが、日商簿記2級の内容を完璧に身につけているかどうかという視点で見ると、2時間かかってしまうようではまずいです。遅くとも1時間30分、できれば1時間以内で解き終えるスピードが必要だと言えます。

簿記2級までの内容を暗記ではなく理解しているか

たとえ「日商簿記2級の過去問を1時間30分以内で95点以上取れる」としても、それが暗記に頼った知識で解いているようではいけません。

もちろん「きちんと理解した上で、結果的に記憶している」というのであれば問題ありません。ですが、「なぜそのような会計処理になるのか分からないけれど仕訳や解法を頭に詰め込み、それで解答している」というのであれば問題です。

そのような勉強の仕方では日商簿記1級に合格するのはほとんど不可能だからです。日商簿記1級の試験範囲は日商簿記2級までと比べて極めて広い上に出題パターンもないに等しいので、暗記での対応はほぼ不可能です。

なので、もし暗記で日商簿記2級までを乗り切ってしまったのであれば、日商簿記2級の内容をきちんと「理解」する形で勉強しなおす必要があります(場合によっては日商簿記3級まで戻らないといけないかもしれません。)。

日商簿記2級までの問題集や過去問5年分を最低3回解いているか

きちんと「理解した上で日商簿記2級の過去問を1時間30分以内で95点以上取れる」のであれば心配はほとんどありません。しかし、簿記は級に関わらず、練習量が大切なので、練習量が不足していると足をすくわれる可能性もあります。そのため、「日商簿記2級までの問題集や過去問5年分を最低3回解いていること」も大切です。

まとめ

日商簿記1級は合格率などの試験情報から考えても、日商簿記2級までよりはるかに難しい試験だと言えます。ですが、特別な「生まれつきのセンス」や「才能」は必要ありません。苦手科目を作らない姿勢で勉強をしていけば、誰でも合格することができます

苦手科目を作らないためには、基本を完璧に身につけることが大切です。そのためには「日商簿記2級の内容を完璧に身につけている」必要があります。

日商簿記2級の内容が完璧に身についているかどうかは次の3つに全てYesと答えられれば大丈夫です。

  • 日商簿記2級の過去問を「1時間30分以内で95点以上」取れるか
  • 日商簿記2級までの内容を暗記ではなく理解しているか
  • 日商簿記2級までの問題集や過去問5年分を最低3回解いているか

これらにしっかりとYesと答えられるだけの準備をして日商簿記1級に挑戦すると、苦労することなく合格することができます。

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